みなさんこんばんは。
昨日の大分戦の前に,小澤司選手引退の記事が公式ホームぺージにアップされました。
ナカニシはブログを書こうと思いましたが,いろんなことが思い出されて,全然書けませんでした。
試合後に,小澤に声をかけようと思っていましたが,結局,まだ何も話はしていません。
その12年の月日の中で,186人の選手を見てきました。
ナカニシの目で見て,誰が一番サッカー上手かったのか?
即答出来ます。
それは小澤司です。
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2015シーズン。
小澤が加入した2015年は,混乱の中から始まりました。
運営体制が変わり,監督が辞めて,スクールがめちゃくちゃになり,前からいたスタッフが全員辞めてしまい,新監督も決まりませんでした。
その混乱の中で,鈴鹿に一人の天才がやってきました。
小澤司です。
水戸ホーリーホックで大活躍した,バリバリのJリーガーが鈴鹿に来る。
暗い情報ばかりの中で,小澤の加入はナカニシの中で希望の光でした。
小澤の合流は割と遅かったと記憶しています。
4月の三重県社会人選手権の時は,まだ合流していませんでした。
初めてプレイを見た記憶は,もう5月の東海リーグの開幕でした。
三交スポーツの杜メインで行われた,長良クラブ戦です。
あまりにも!あまりにも!鮮烈な鈴鹿デビューでした。
ナカニシはその時の小澤のプレイをはっきり覚えています。
ガーデン特有の西日がまぶしくて,その中でプレイする小澤を逆光で見ていました。
そのプレイの素晴らしさは,知らず知らずのうちにチャントを止めてしまい,息を止めて魅入るほどでした。
こんなに凄い選手が,なんでこんな鈴鹿に来てくれたんだろう・・・。
その最初のデビューの試合で,小澤は大怪我をしました。
ほぼ半年の間,グラウンドに立てませんでした。
ずっと一人でトレーニングをする姿を,ナカニシはじっと見てました。
2015シーズンは,4試合しか出場できませんでした。
出場試合数は少ないですが,チーム体制が整わない中で,小澤は選手間でコミュニケーションを取って,チームをまとめてくれていました。
それもナカニシはじっと見てました。
遠征の時には,小さめのスーツケースをコロコロと引いていました。
この当時は,あんまりスーツケースでアウェイに行く選手はいませんでした。
小澤のスーツケースは,遠征慣れしているJリーガーみたいで,とてもカッコよく見えました。
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2016シーズン
小澤は,本格的に「皇帝」と呼ばれ始めました。
茶髪だったので,ナカニシは最初「ライオンキング」とニックネームを考えていました。
でも,「キング(王)」どころの選手じゃない,「皇帝」だ!と,ご意見をいただき,そりゃそうだということで,「皇帝」とニックネームでブログに書き始めました。
何度も言いますが,小澤は皇帝と呼ばれるのにふさわしいプレイを見せてくれました。
この2016の小澤の凄さを説明すると・・・
このブログをご覧のみなさんが思う「めちゃくちゃ凄い」の軽く30倍は凄かったです。
この年は,たくさんの元Jリーガーが加入しました。
その中で,小澤はゲームキャプテンとなり,文字通りチームを引っ張りました。
2016シーズンは,全34試合中32試合に出場しました。
トップ下の小澤と,フォワードの北野純也選手のゴールデンホットラインは,得点を量産しました。バンバン点を取りました。
今でも鮮明に覚えています。無敵のコンビでした。
東海リーグは惜しくもFC刈谷に敗れ2位でした。
敗者復活の感じで挑んだ愛媛全社で,鈴鹿は快進撃を続けました。
愛媛のひうちグラウンドで行われた準決勝のヴィアティン戦で,小澤の蹴ったフリーキックはゴールを見事にぶち抜きました。
最高の中の最高のゴールでした。
山梨の地域CL1次ラウンドを全勝で突破しました。
小澤の快進撃は全く止まりませんでした。
サポーターはみんなで晩御飯に「ほうとう」を食べながら,このチームの素晴らしさを語り合いました。
地域CL決勝は,あの市原ゼットエーで行われました。
ゲームキャプテンの小澤が率いる鈴鹿は,立派に堂々と戦いました。
だけど最後の最後でヴィアティンに敗れ,昇格できませんでした。
敗戦の瞬間,ここまでチームを引っ張ってきた小澤は,自分自身も満身創痍だったにもかかわらず,グラウンドに倒れ込む仲間を励まして,きちんと最後の礼をしました。
がっくり肩を落とす選手たちは,体を引きずるようにして,何とかサポーターのところへ来ました。
ナカニシはその時,選手たちに対して自分がなんて言ったのか,よく覚えています。
水の中で聞く音のように,耳はボーボーしていましたが,はっきりと言いました。
「ありがとう」と。
それしか言えませんでした。その一言がやっとでした。
この年のVictoryCross大賞は,もちろん小澤司です。
大賞を贈呈する時に,ナカニシは小澤に聞こえないくらいの小さい声で言いました。
「お願いです。残ってください」
それは言葉ではなく,声でもなく,サポーターの祈りでした。
こんなに凄い選手は,どこかに引き抜かれるんじゃないか・・・。
それは小澤が鈴鹿に来てから,ずっと心配事でした。
それだけはやめてくれ・・・。
小澤は鈴鹿の宝なんです。
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2017シーズン。
小澤は,元日本代表監督の岡田氏の率いる,FC今治に移籍しました。
その後,シーズン途中で,ヴィアティン三重に移籍しました。
今治と,ヴィアティンでどんなプレイをしていたかは分かりません。
ナカニシは辛くて,一度も小澤のプレイを見ませんでした。
でも,ずっと気になっていました。
怪我をしてないだろうか?
良いポジションで使ってもらっているだろうか?
チームの選手同士で仲良くやれているだろうか?
小澤のお気に入りのお店「ビルガバンバ」には,前年のVictoryCross大賞と共にカメラマンから贈呈された写真が飾ってありました。
ナカニシはそれを見るのが悔しくて,2017シーズンは一度もビルガバンバにご飯を食べに行きませんでした。
あの写真はもう捨てられているかもしれない・・・。
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2018シーズン。
なんと!なんと!小澤が鈴鹿に帰ってきました。
びっくりしました。
車の中で大絶叫しました。
ヒャッフォァーーー!!!
ゲットゴールツカサ!ランランラーン!
家ではお風呂に入ると必ず小澤の歌を歌いました。
オザワツカサ!ランランラーン!
ある?ありえる?こんなことある?
小澤が鈴鹿に帰って来るってよ!マジかよ!
ナカニシはビルガバンバに行きました。
VictoryCross大賞と共に小澤にプレゼントした写真は,鈴鹿を去った時と同じように,その場所にありました。
「鈴鹿の全てに感謝」
彼はたぶん・・・鈴鹿に帰って来るつもりだったんじゃないだろうか?
ナカニシは,この写真が変わらずに飾ってあるのを見た時,やっぱり感極まりました(たぶん泣いてはいない)。
そして,もっともっと気合を入れて,応援しなきゃと思いました。
小澤のお気に入りのお店である「ビルガバンバ」でアルバイトを始めました。
このお店は,シェフも店員さんもみんな仲が良くて,小澤はとても居心地が良さそうでした。
小澤が帰ってきたので,サポーターの忘年会もここで開催しました。
みなさん,機会があったら,ぜひ行ってみてください。
通路に小澤の写真があると思います。
2018シーズンは,14試合の出場でした。
スタメンに定着したわけではありません。
ほとんどの試合が途中出場か,途中交代でした。
怪我もたくさんしていましたし,コンディションも良さそうではありませんでした。
それでも,そのプレイは相変わらず,キラキラしていて最高でした。
良かったー。
小澤司は,立派に大きな仕事を成し遂げました。
試合後に,サポーターと選手スタッフで,ビールかけをしました。
小澤と笑顔を共にできて,最高でした。
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2019シーズン
小澤は11試合に出場しましたが,フル出場した試合は1試合もありません。
でも,短い時間でも,そのプレイには凄味がありました。
ホームAGFで行われた流経大戦で,小西洋平選手に通した2本のスルーパスは,ナカニシが見たかった,あの小澤のプレイでした。
そしてこの年は,テクニカルディレクター(強化担当)になりました。
小澤は素晴らしい選手を,鈴鹿にたくさん連れて来てくれました。
そして,練習中も若い選手にいろいろ指導していました。
ナカニシには,第二の小澤を育ててるようにも見えました。
本人は不本意だったと思います。
彼は強化担当の前に,サッカー選手です。
自分が試合に出て,チームを勝利に導きたかったと思います。
でも,自分がやりたいプレイが徐々にできなくなってきていたのかもしれません。
ナカニシはそう思いたくなかったですが,小澤はもう引退の事を考え始めていたのかもしれません。
シーズンオフになり,小澤は選手兼強化担当で契約を更新しました。
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2020シーズン
小澤は現時点で,松江シティ戦と,昨日のヴェルスパ大分戦のみの出場です。
でも,練習では相変わらず,見事なプレイを颯爽としています。
良いパスをバンバン通していますし,そのサッカーセンスに一点の陰りもありません。
いつもと変わらず,周囲の選手へ,よく声をかけていました。
そりゃそうです。
JFL昇格後に加入した選手は,ほとんど小澤の連れてきた選手なのですから。
「TUPPY28」というプライベートブランドを作っていました。
TUPPY28 | アパレルブランド TUPPY28の公式オンラインストア | TUPPY28
でも,ナカニシはずっと買うのをためらっていました。
もし・・・また移籍したら・・・辛い・・・。
でも,今年の夏にTシャツを買いました。
ツッピーTシャツはとても着心地が良いです。
次は帽子が欲しいと思っています。
選手じゃなくて裏方の仕事もしてました。
突然,スタジアムDJもしました。
小澤の楽しいDJと選手紹介に,スタンドのお客さんは笑っていました。
でも,ナカニシの心中は複雑でした。
小澤に選手として試合に出て欲しかったからです。
大分戦が終わって,帰っていく姿を見ていました。
ナカニシは結局,何の声もかけられませんでした。
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各年ごとに,小澤のセットプレイの写真を使いました。
彼のキックのフォームは,何年経ってもほぼ同じです。
ずっと磨き続けた技が,そのフォームに表れています。
小澤のフォームが大好きな大好きなNカメラマンが,ずっと狙っていました。
ナカニシは小澤の大ファンです。
大ファンですが,実はあんまり本人と話したことはありません。
1000人の前で叫んでも恥ずかしくないナカニシですが,小澤の前では緊張します。
なので,サポーター忘年会の時に,ポラロイドで撮ってもらった写真は宝物です。
ナカニシの顔が,ビリケンさんみたいになってますが,この写真は家宝です。
実際には,あんまり話したことがありませんが,スタンドとグラウンドでは,たくさん同じ時間を共に過ごしました。
勝ったことも負けたこともありました。
辛いこともあったし,悔しいことなんて山ほどありました。
でも,小澤と共にした時間は,ナカニシにとってとても大事な時間でした。
そして,その偉大な選手は,サッカー選手最後の地として鈴鹿を選んでくれました。
その名はこの地に刻まれています。
ナカニシは,まだ,小澤に何を言っていいのか分かりません。
まだ,さよならじゃありません。
まだ,シーズンは続いています。
だからこう言います。
小澤!しっかり練習して,仙台戦に出られるようにガンバレ!
また,ビルガバンバに行きますね。
ではまた。