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アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

JFL第27節 対 ソニー仙台

みなさんこんばんは。

 

昨夜遅くに仙台戦から帰ってきました。

カニシの遠征は,コロナ感染防除と,仕事の都合と,遠征費の節約のため,弾丸超特急日帰り遠征がほとんどなのですが,コロナ規制が解除されたこともあり,今回は仙台に前泊しました。

 

試合前日に,仙台駅前で晩ご飯を食べました。

牛タン専門店「司」というお店です。

その後,「北野エース」というスーパーで飲み物を買いました。

ある意味,ナカニシが仙台に来たら,絶対に寄りたいと思っていたお店です。

ちなみに類似の案件として,「北野あられ」と「北野製菓」もあります。

帰路,「山内農場」というお店も見つけました。

 

前泊の行程中,ずっと,ずっと,試合のことを考えています。

本当は旅を満喫したいのですが,相変わらずナカニシは前日から緊張が始まってしまいます。

みんながんばれ!

祈りながら就寝しました。

 

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 

仙台のビジネスホテルで起床。

何となく眠りが浅い。

 

試合前のナカニシは,緊張で物が食べられない。

食欲は全く無いが,コンビニに行ってトンコツラーメンを買って食べる。

選手たちに何もしてあげられない。

できる事と言えば,ゲン担ぎだけ。

 

今日の対戦相手は,ソニー仙台(以下,仙台と書きます)。

現在リーグ3位。前節では首位のいわきFCに勝っている。

そして,鈴鹿は前期の仙台戦で1対4の大敗を喫している。

点差以上に内容的に完敗だった。どうしようもなかった。

さらに,鈴鹿は仙台のアウェイで勝利したことが無い。

サポーターは,いつも下を向いて帰る選手を見送るしかできなかった。

 

かなり早い時間に試合会場に入る。

横断幕を運んで,掲出時間を待つ。

 

続々と鈴鹿サポーターが集まってきた。

ありがたい。みんなの応援が選手の後押しをしてくれるはずだ。

バックスタンド側に横断幕を掲出。

バックスタンドは試合中解放されないので,応援はメインスタンドで行う。

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準備が整う。

冷たい風が吹く。

この試合で取り返す!

俺たちは仙台に勝つ!

 

いくぜ!

 

本日のスタメン(以後敬称略)

FW 14北野純也・21山内健史

MF 4橋本晃司・42ニウド・6西村仁志・40松木駿之介

DF 18佐藤和馬・26今井那生・20中村俊貴・15菊島卓

GK 23岩脇力哉

 

試合開始

 

鈴鹿は中盤がひし形の4-4-2。

トップ下橋本(4)。

ニウド(42)1ボランチ

西村(6)は左サイドハーフ

 

仙台は,きっちりと整った4-4-2

 

「入りから!入りから!」

今井那生(26)の声が良く聞こえる。

カニシ的な感覚だが,この試合の那生の声はとても良く聞こえた。

 

試合開始から,仙台はフォワードの長身の選手をターゲットにしてくる。

パスの精度が高い仙台の攻撃は脅威。

仙台は,サイドバックから縦に縦に伸びるように攻撃するのではなく,

サイドバックからボランチボランチからサイドハーフサイドハーフからフォワードに・・・さらにフォワードも詰まると,無理せずにもう一度サイドに展開して試合を組み立てている。

中。外,中,の連携が良く,勝負所以外ではショートパスで繋いでくる仙台。

 

対する鈴鹿は,右サイドを中心に縦,縦に伸びるように攻撃する。

サイドバックの,「馬王」,菊島卓(15)

フォワードの菊島だが,しっかりとサイドバックというポジジョンをモノにしている。

攻撃面はもちろんだが,守備面でも不安は全くない。

さらに,菊島の足は,サクラバクシンオーと同じくらいの速度が出るので(ナカニシの体感),裏を取られることもなく,攻撃重視のプレイをしている。

前方にはサイドハーフ松木(40)。さらに前方では山内(21)が斜めに走りながら仙台サイドバック裏を狙う。

そして,攻め込んだところでスローインになれば前半早々から,菊島の必殺技ロングスローが発射される。

菊島。今日もナイスプレイ!

頼むぞ!

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仙台のサイトバックはあまり上がってこない。ディフェンス4人が真っすぐなディフェンスラインを作っている。

サイトバックの裏を狙いたい山内(21)や,北野(14)の流れるコースが潰されている。研究されてるのかな?

そして,仙台は前後だけでなく,左右もかなりコンパクトに保っている。

右から攻める鈴鹿だが,コンパクトな中に突っ込むので,スピードが出ず,渋滞している感じがする。

 

サイドバックの,「zumaica」,佐藤和馬(18)

右から攻める鈴鹿だが,詰まった時に大きなサイドチェンジで左の和馬にボールが渡ってチャンスになっている。

前節からサイドバックでスタメン出場している和馬だが,この試合では,よりサイトバックに適応しているのを感じる。

大きな展開から,自分でもドリブルで運べるし,パスも出せて,試合を組み立てることもできる。

さらに,鈴鹿が整う「間」を取ることもできる和馬

やはり戦術理解度が高いことを感じさせるプレイを見せている。

ただ,ナカニシの思うこの試合の不確定要素は,ニウド(42)のワンボランチと,西村(6)の左サイドハーフ

両方とも,公式戦初の試み。

和馬もニウド(42)とのパス交換や,西村(6)を使うプレイなどで,少し気を使って,丁寧にしている感じがする。

ダイレクトパスは少なく,セーフティーに試合に入っている。

和馬。ニウドと西村が少しフワッとしているぞ。

試合の展開を読める和馬しかここを支えられない。

フォロー頼む。

あの仙台で爆勝しようぜ!和馬!

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しかし,

前半12分。

左サイドから仙台のコーナーキック

一度はサイドに跳ね返すものの,こぼれ球をクロスボールを入れられる。

それを,仙台のディフェンスが頭で合わせて失点。

見事にピンポイントで合わせられた。

あれだけ精度が高いと守るのも厳しい。

0-1

 

ベンチから三浦監督の声が響いている。

「落ち着け。大丈夫。大丈夫。」

試合中,ずっと三浦監督は声を出し続けていた。

全員で勝利するぞ!

 

ボール保持率はわずかに仙台優位。

しかし,ゴールに迫る数は仙台のほうが多い。

仙台はサイドからのロングクロスではなく,サイドとセンターの間に1人走ってきてマイナスで受けるか,ショートスルーパスで崩してくる。

サイドの崩し方は,HondaFCに近く,テクニックも相当高い。

なるほど。やっぱり仙台は強い。

 

サイドハーフで先発した,「セクシーフットボール」,西村仁志(6)

カニシか見ている限り,西村かボランチ以外で出ているのは初めて。

もちろん攻撃面でも守備面でも体を張って頑張っているため,左を崩されている感じはしない。

しかし,何となく?左サイドは縦へのスピードが出ていないように感じる。

西村はワンボランチのニウド(42)のフォローに気にして,良い動きができていないような感じがする。

自らのスピードは出ていないが,前への絶妙パスはどこからでも出せる西村。

フォワードの,山内(21),北野(14)は西村からのパスを待っている。

さらに,サイドの外には和馬がフォローして,パスコースを空けて待っている。

試合が進むにつれ,落ち着き始めた中盤。

西村。大丈夫!カンバレ!

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左右に大きく展開して攻める鈴鹿

中・外・中とつないで,サイド深く侵入する仙台。

仙台のコーナーキックを何本も打たれる。

 

コールキーパーの,「男岩」,岩脇力哉(23)。

コーナーキック時に,力哉の飛び出し止めるため,仙台と鈴鹿の選手が入り乱れる。

そんな中で,人の壁をかいくぐりボールに向かう力哉。

ファイヤーな力哉がゴールを守る。

また,仙台はゴールキックの際に前にプレッシャーをかけて,ショートパスを出さないようにしてくる。

そうすると,力哉はロングキックを蹴るしかないが,この試合,ニウド以外はフィールドプレイヤーの身長が低く,高さでは仙台優位になってしまう(それを狙われて前方からマークしてくる)。

鈴鹿ボールになるよう,弾道は低く,スピードは速く,なるべくオープンスペースに。

大きく蹴るだけてなく,ロングパスを通すように精度の高いキックを蹴る力哉。

力哉。2年前に仙台で5点取られたのを覚えているか?

ここで取り返すぞ。

もう1点だってやれない!

ゴールを守り切れ!

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前半の終盤に入ると,試合は仙台に支配されはじめる。

鈴鹿はロングパスではなく,早いショートパスでやられている。

ゴールポスト直撃の危ないシュートも打たれた。

それでも何とか守っている。

鈴鹿は両サイドバックの,菊島(15),和馬(18)が守備のためにポジションを下げられてしまい,前線への展開が遠くなったため,上手く連携が繋がらなくなった。

 

センターバックの,「鬼俊貴」,中村俊貴(20)

ピンチの時こそ,頼りになるのが,うちの自慢のディフェンダー俊貴!

仙台のパスに対して,大きな声を出してディフェンスの連携で止めている。

最期のフィニッシュに飛び込んでくる仙台の大柄なフォワードを,自らの体を張って抑え込んでいる。

鍛え上げられた俊貴の筋肉が,低い唸りを上げる。

(漫画で言うと俊貴には「ゴォォォォォーーーッ」っていう効果音あり)

試合の展開は良くない。

いつ失点してもおかしくない。

だけど,俊貴がいるから大丈夫。

俊貴ならゴールを守ってくれる。

そんなオーラを放つ選手になった。

サポーターの誰かが言っていた。「三浦監督になって若い選手だけでなく,俊貴の成長も凄いよね」。その通ーーーり!

この試合,前半1失点で終われば,後半何かが起きそうな気がする。

俊貴,頼む。守り切れ!

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ここで前半終了。

 

前半が終わり,ベンチに帰って来る選手たち。

その時,松木駿之介(40)が大きな声で言う

「絶対に巻き返すぞ!!!」

魂の叫びがスタンドに届く。

 

松木!やったるぞ!

 

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ハーフタイムにウォーミングアップに出てくる両チームの選手たち。

しかし,鈴鹿は少し体を動かしたら,全員ベンチに戻った。

仙台の選手たちは引き続きアップしている。

 

鈴鹿は控室で何か話している様子。

 

このままだと,仙台に追加点を許すのは時間の問題。

初スタメンのニウドもがんばっているが,やはり中盤のスペースが大きく,仙台を捕まえきれていない。

 

フォワードの山内(21),北野(14)共に,まだ力を発揮できておらず,前半の終盤は仙台に押し込まれてディフェンスラインが下がった分,孤立してしまっている。

 

サポーターの仲間がポツリとつぶやく。

「仙台,強いなー」

 

風が吹いている。

冷たい仙台の風が吹いている。

今日も下を向いて帰る選手たちを見送るのか?

俺たちは,どんな顔をして選手たちを見送ればいいんだ?

 

いや。いやいや。

選手たちがしんどい時こそサポーターの出番じゃないか。

負けることを考えちゃいけない。

 

うちの選手たちをよく見て。

見て。見て。見て。

信じよう。

このままじゃ終わらない。

必ずなんかやってくれる。

 

全力で応援しよう!

 

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後半開始。

(OUT)18佐藤和馬 ⇔ (IN)19田村翔太

 

カニシ的には,前半の和馬のプレイは決して悪かったとは思わない。

ニウド(42),西村(6)を良く支えていたと思う。

ただ,後半は1点を追いかける展開。

さらに攻撃的なタムショーを投入。

 

鈴鹿は西村(6)とニウド(42)のダブルボランチへ。

後で思うと,ここからの7分間でニウドがハマったことが,試合を左右したように思う。

 

ボランチの,「アトミックセンター」,ニウド(42)

カニシの意見としては,ボランチを変えるというのは,攻守ともにチームにとっては大きな変化が出る。なので本来は,あんまり変えないポジションだと思う。

ニウドは,シーズン途中加入,初スタメン。強豪仙台との対戦ということで,本来ならば,もっと崩されてもおかしくなかった。

それでも前半の中盤を何とか支えたニウドの能力は,とても高いと思う。

ただ,前半,周りの選手と合っているかと言われれば,それは十分でないと言わざるを得ない。

ニウドのパスの出しどころ,ニウドのプレスのタイミング,マークの受け渡しなど,探り探りの部分があり,モヤっとした感じがあった。

実際に中盤のオープンスペースを使われて,危ない場面もあった。

後半開始から,西村(6)とダブルボランチに変更。

その途端に,パチッと音がするくらいニウドがハマった。

西村のプレイに合わせて,ニウドの周りとの呼吸もパチッと合う。

なんというか・・・西村がニウドを引っ張り上げた感じがする。

前半のニウドと,後半のニウドは別人のように感じる。

危ないところに必ずいるニウド。

素晴らしい!ハマった!

ニウド!頼むぞ(ただ,日本語はあんまり分からない)。

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後半に入り,鈴鹿が押し出してきた。

全体的に前にスライドして,攻守の切り替えが早くなった。

 

後半7分。

(OUT)6西村仁志 ⇔ (IN)25出岡大輝

 

再び,ニウドをワンボランチにして,出岡をトップ下に投入。

 

試合は後半から,さらに激しさを増している。

ジャッジのファウルを取る取らないの判断があいまいなため,試合自体が荒れ始めた。

松木(40)が接触時に耳を切って出血したため,一時的にグラウンドを出る。

 

鈴鹿は右からの攻撃が続いている。

そして,右と言えば菊島(15)の必殺技,ロング菊島スローが発射される。

 

後半10分。

右からのロング菊島スロー!

そこに飛び込んできたのは,今井那生(26)!

空中を横に平行移動するかのような滞空時間の長いジャンプ!

誰よりも那生が高い!

おりゃーーーーー!!!

ゴーーーーーーール!!!1-1

 

今井那生の豪快過ぎるヘディングシュート炸裂!

ナイスヘッド!

 

そしてリスタート。

耳を出血した松木は手当てをして戻った。

那生の声が聞こえる「ここから,ここからだよ」

 

リスタート直後の後半11分。

仙台の攻撃を左の田村(19)が止める。

素早くスローイン

そのボールを橋本(4)が,絶妙過ぎるスルーパスで仙台ディフェンスの裏へ。

そこに走っていたのは,途中交代で入っていた出岡大輝(25)。

仙台サイドバックは上がっていたので,出岡が一瞬フリーとなる。

出岡には「その一瞬」があれば十分。

仙台ディフェンスと並走する山内(21)に対し,山内にしか届かない超絶パスを出す。

仙台のゴールキーパーが飛び出すが,わずかに山内の足が早い。

しかし,仙台ゴールキーパーが身を挺してゴールを守っていたため,山内のシュートはゴールバーに!

山内!!!

そこに詰めていたのは・・・松木松木鈴鹿松木駿之介(40)!

落ちついてトラップして,落ち着いて叩き込む!

オラーーーーー!!!

ゴーーーーーーール!!!2-1!逆転!

 

橋本(4),出岡(25),山内(21),松木(40),フィニッシュまで見事なゴールだった。

みんな!ナイス!

歓喜のスタンド!

歓喜のサポーター!

 

サポーター落ち着こう。

ここで焦ったらダメだ。

サポーターの焦りは,選手に伝わってしまう。

落ち着こう。大丈夫。

・・・ナカニシは声が出せないので・・・というつぶやき。

 

後半は,鈴鹿のディフェンスラインがグッと上がり,前に押し出してきた。

そのため,守備と攻撃が近くなり,ディフェンスラインからも前線に良いボールが出始めた。

 

直線一気で走るのは,右サイトハーフの「キャノンボール」,松木駿之介(40)

前半終了時に吠えた松木が,逆転のゴールを挙げた。

耳を出血しテーピングしているが,より一層,燃え上がる炎のように仙台ゴールに迫る。

中盤がひし形の4人のため,松木は少し中に絞り気味で,外の菊島の上がるコースも上手く残している。

本当に途中加入なのか?と思うほど連携も良い。

松木,どんどん行こうぜ!

GOかSTOPなら,松木はエブリタイムGOだ!

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サイドハーフ?ときどきトップ下の,「名人」,橋本晃司(4)

2点目の起点となる出岡へのスルーパスは,さすが名人だった。

ずば抜けたテクニシャンである橋本が,倒されながらもボールに喰らいつく姿が後半見られた。

いつも以上に,どん欲にボールに執着して粘っている橋本。

北野(14)と山内(21)が前線で待っている。

この2人に良い形でつなげられれば,もう1点狙うことができる。

少しずつ試合が荒れ始めてきた。

何度も削られながらも,戦い続ける橋本。

橋本!

ガンバレ!

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試合は鈴鹿が押し込む展開。

中盤のニウドがしっかりハマっていて,仙台の攻撃を中盤の底で止めている。

カニシが見た感じ,ニウドはボールへの寄せがとにかく早く,ボールホルダーを自由にさせないディフェンス。

さらに,仙台の選手が背中に背負ってポストプレイをしようとしても,後ろから伸ばすニウドの足が長く,ボールキープもニウドには通じない。

中盤の各選手の距離感も良く,前半のように仙台にスペースを自由に使われることもない。

 

フォワードの,「餓狼」,北野純也(14)

山内(21)とツートップだが,少し下がり目に位置している。

鈴鹿はとにかく山内を走らせれば何とかなるので,北野はそのフォローと,前線からの守備で献身的に頑張っている。

そしてサイドからボールが入る時には,ペナルティエリア内でポジションを取る。

カニシは知っている。

ペナルティエリア内で北野が受ければ,シュートまでのモーションは極早。

そして北野はシュート自体がとてもうまい。

昔もそうだった。ピンチの時にナカニシは何度も祈っていた。

ペナルティエリア内の北野に渡ってくれ。そうすればゴールになる」

後半,北野はチームのための献身的なプレイをしている。

だけど,目は餓えた狼の目だ。

北野に渡ってくれ。

そうすればゴールになる。

北野!ガンバレ!

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後半から左サイドバックに入った,「スピードスター」,田村翔太(19)

いきなりのカウンターのピンチも,ダッシュ一発で追いつき,きっちりディフェンスした。

田村のディフェンスは待つのではなく,飛び出しの急加速で相手を止めるディフェンス。

押し引きも上手く,サッカーセンスの塊がプレイしている感じがする。

後半の半ばには,鋭くオーバーラップして,カットインからシュートを放つ。

何やっても鋭い田村。

タムショー。勝つぞ。この試合。

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試合は五分五分の展開。

ただ,仙台は前半ほど深く鈴鹿陣内に攻め込めていない。

逆に鈴鹿の攻撃が仙台陣内に刺さっている。

 

試合後,サポーターと話をしていたら,この試合の流れが変わったのは出岡(25)が出てからだという意見が多かった。

 

トップ下,「カミソリの左」,出岡大輝(25)

監督が変わり出番が多くなった出岡。

その才能の素晴らしさは,練習を見た人なら全員分かると思う。

これまでの出場試合では,まだまだ出岡の能力が十分に発揮されたとは言えないと,ナカニシは思う。

出岡はもっともっとできる選手だ。もっともっと凄い選手だ。

そしてこの大事な試合で,前半からの悪い流れを変えたのは紛れもなく出岡の存在。

攻守のつなぎをするだけでなく,自らも前に出て行ってシュートを放つ。

残念ながら角度が無くてゴールキーパーに止められたが,出岡のシュートは猛烈な破壊力があった。

山内(21),北野(14),出岡(25)で何度もゴールに迫る。

出岡!めっちゃ良いぞ。

勝つぞ!

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後半の半ばに給水タイム。

ベンチメンバーはアップ場所にいるため,途中交代した和馬(18)と西村(6)が,水を運んでいる。

水を渡しながら,選手たちに話している。

ガンバレ!行けるぞ!

みんなで戦う!

そして勝つ!

 

選手たちからも声が出ている。

声の出ている量なら鈴鹿のほうが上だ。

 

点差はわずかに1点。

同点も,逆転もありうる。

ここから勝負だ。

 

ところが,やはりこの試合の審判はファウルのジャッジが不安定で,鈴鹿に対しても仙台に対しても,取ったり取らなかったりする。

危ないファウルが出始めて,さらに荒れる。

ベンチから三浦監督が「落ち着け,落ち着け」と言っている。

 

両チーム共に疲れが出てきた。

前線とディフェンスとの間が広がり始めた。

 

フォワードの,「ワンダーボーイ」,山内健史(21)

この試合の究極の戦術は山内を走らせる,ということだったと思う。

山内の走りを1試合止め続けるのは不可能だし,山内が走ることで出来たスペースを,松木(40),橋本(4),北野(14)は当然に狙っている。

つまり,山内というジョーカーが仙台ディフェンスに不協和音を起こせるかどうかがポイントだった。

後半の終盤,あれほど早かった山内にも疲れが見える。

それでも走る山内。それでもボールに喰らいつく山内。

ディフェンスの今井那生(26)から厳しい声が出ている。

「走れ!後悔したくないなら走れ!」

山内。サッカー選手なら,もう前に走るしかない。

声も出せない。サポーターが背中を押してあげられない。

すまん。サポーターは何もできないけど,山内のプレイに祈りを込めている。

山内。ガンバレ!

後悔したくないなら,試合に出ている限り走るしかない!

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試合展開は,細かいパス回しから,前線へのボールの蹴り合いに変化してきた。

鈴鹿は仙台にほとんどシュートを打たれていないが,いつやられるかのギリギリのラインで耐えている。

苦しい時間が,少しずつ過ぎていく。

 

センターバックの,「我武者羅100%」,今井那生(26)

前期の仙台戦。1対4で敗れた試合のスタメンで,この試合もスタメンで出ているのは,橋本(4),西村(6),そして那生(26)の3人だけ。

那生は前回の仙台との対戦時は,後半20分に交代したが,鈴鹿が仙台にとられた4失点をその目で見ていた。

仙台の攻撃の上手さ,怖さ,圧力は良く知っているだろう。

引いたら負ける。戦いを恐れたら負ける。

この試合,最初から最後まで那生の声がグラウンドに響き続けた。

勝つ!戦う!シンプルで純粋な那生の熱さが,チーム全体に行き届く。

終盤の仙台は,フォワードを入れてロングボールを入れてくる。

そのハイボールをことごとく迎撃する那生。

那生,またレベルが上がったな!

この試合,全部が那生の成長の糧になったぞ!

最期までがんばれ!

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橋本(4)が仙台ボールを追いかける。

北野(14)が中盤でスライディングしながらボールを奪う。

山内(21)がそれでも前にボールを運ぶ。

 

後半35分。

山内(21)が前線のルーズボールを競り合った際に,仙台ディフェンスと接触

主審が副審に確認をして,仙台のディフェンスがイエローカード2枚目で退場。

前半から主審のジャッジか不明確で,荒れた試合だった。

ファウルは良いことではないが,仙台ディフェンスの人も悔しいだろう。

何となく後味が悪い。

 

三浦監督が「落ち着け,落ち着け」と何度も言っている。

サポーターも落ち着こう。

相手が10人になったとしても,サッカーというのは逆に分からない。

 

残り5分。

守りに入るのか?逃げ切るのか?

 

後半40分。

それでも三浦監督は菊島にロングスローを指示。

ディフェンスを上げて得点を狙う。

ロングスローは一度は跳ね返されるが,再びボールを奪い返し,ペナルティエリア内で山内(21)がシュート!

それを防ぎに出ていた仙台の選手の手に当たりハンド。

主審は迷わずペナルティスポットを指す。

やっとハンドを取ってくれた・・・。

 

蹴るのはPK獲得した山内か・・・

あれ?・・・ニウドが出てきた・・・

自分が蹴ると言ってる様子・・・。

「大丈夫。ニウド上手いから」って田村(19)が言っている。

そうなの?

ニウドPK上手いの?

ホントに?

なんか自信満々のニウド(42)はボールをセット。

あっさりとキック!

ゴーーーーーーール!!!3-1!

 

PKを決めて,なんか手でサインしてるニウド。

ニウド。初ゴールなので段取りが分からないけど,そのサインは何ですか?

喜ぶ選手たち。

歓喜のサポーター。

 

さあ,残り僅か。

さらに選手から声が出ている鈴鹿

後半アディショナルタイムは5分。

 

後半AT

(OUT)4橋本晃司 ⇔ (IN)13蓮沼翔太

(OUT)14北野純也 ⇔ (IN)17佐藤昂洋

 

昂洋の高さを入れて,5バックに。

鈴鹿は5-4-1の形へ。

 

残り時間は4分。

まだ,何があるか分からない。引き締めろ!

 

菊島(15)と出岡(25)が右のコーナーキックエリアで体を張って時間を使う。

鈴鹿ボールのコーナーキックに。

ショートコーナーで再び時間を使うかと思ったら・・・

 

三浦監督は「やろう,やろう」と攻撃を指示。

さすがに全員は上がってこないが,気合の入った昂洋(17)が上がってきた。

選手たちもまだ点を取りに行くという気迫を見せる。

コーナーキックは惜しくもゴールならないが,引いて守るより,攻撃に出たということが選手たちの心を燃やし続けている。

 

最後まで戦おう。

 

サポーターの手拍子が終わらない。

 

最期まで切らさずに。

 

もう,鈴鹿はこれを守り切れるチームになった。

 

大丈夫だ。

 

落ち着け。

 

ここで試合終了。

 

試合終了の笛が鳴った時,鈴鹿の選手たちは喜ぶというより疲労困憊で動けなかった。

もう歩けないほど疲れている選手もいた。

全部出しきった。

全部出しきったからこそ勝利できた。

そんな試合だった。

 

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両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさんお疲れさまでした。

試合運営をしていただいたソニー仙台のみなさん,ありがとうございました。

遠方までお越しいただいたサポーターのみなさん,お疲れさまでした。

ネットやリモートでの応援もありがとうございました。

みなさんのパワーや,念や,ファイヤーは,仙台まで届いています。

 

この試合では,バックスタンドに横断幕を掲出させていただき,応援はメインスタンドからしていました。

そのため,掲出後にバックスタンドに入れなかったのですが,風で横断幕がめくれるたびに,警備の方やボールボーイの方が横断幕を直してくれていました。

暖かい心遣い,本当に感謝いたします。ありがとうございました。

 

試合後にスタンドに選手たちが挨拶に来ました。

たくさん拍手が送られました。

万歳の際に,ニウドが(「静かに静かに,声出さないように」)?というジェスチャーをしました。

鈴鹿は,みんなで万歳を3回やるのですが,ニウドはそれを知らなくて1回だけ万歳してました。

それを見て選手たちが笑っていました。

選手たちの笑顔が見られて最高でした。

そして,ニウドはめっちゃ面白い選手です。

良かった。本当に勝てて良かった。

(サポーターもソーシャルなディスタンスをとっています)

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今日はオフのようです。

選手たちは,もう,次の試合のことを考えていると思いますが,まずは体を休めて,良いパフォーマンスができるようコンディションを整えてください。

 

そして,この試合のナカニシが勝手に選ぶMVPですが・・・ジャジャン!

今日のMVPは(ゴールバー経由の)1アシスト,1PK獲得など,2得点に絡んだ,山内健史選手(21)に,奈良戦と2試合連続のナカニシ的MVPにしたいと思います。

最近の山内選手は止まりませんね。

ワンダーボーイですね。

この試合も良く走りました。

よく頑張りました。

この見事なプレイを,次の試合でも見せてください。楽しみにしています。

そしてサポーターのみなさん。

山内選手の作っている「松太郎」もよろしくお願いします。

山内!ガンバレ!

 

さあー,次も勝つ!

 

ではまた。

 

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(今後の試合)

JFL第28節 10月30日(土)13:00 対 FC大阪@服部陸上競技

JFL第29節 11月3日(水・祝)13:00 対 ラインメール青森@AGF陸上競技

JFL第30節 11月7日(日)13:00 対 東京武蔵野ユナイテッド@武蔵野陸上

 

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