VictoryCross

アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

地域CL決勝ラウンド2戦目 対 FC刈谷

みなさんこんにちは。

 

今,千葉のホテルでブログを書いているナカニシです。
2009年に,名張から当時のランポーレが鈴鹿に移ってきました。
FC鈴鹿ランポーレは,その年に初の全国社会人選手権出場(全社)を果たしました。
その年の全社は,千葉県で行われており,決勝戦ゼットエーオリプリスタジアム(同時は名前が違った)で行われました。
その年の優勝チームは松本山雅で,地域決勝を勝ち抜きJFLに昇格しました。
鈴鹿は1回戦で負けて,ナカニシは,しょんぼりホテルに帰ってきました。
その同じホテルに,今,10年ぶりに帰ってきています。

 

試合前に,リラックスとか,平常心とか,心を整えてとか,ナカニシは,ええかげんなことを言っていますが,特に全国の舞台に出てから,ナカニシが平常心で試合に挑んだことはありません。
だから,ブログで良いことを書いていても,全部ウソです。
毎試合毎試合,身も心もボロボロになって試合に向かっていました。
それと,ナカニシは,自分の誕生の瞬間以外は泣いたことがないというのも,ウソです。
地域CLのことを考えるたび,車の中でしょっちゅう涙が出てました。
人がいると良い顔するのですが,1人でいるといっつも地域CLのことを考えていました。

 

正直なところ,身も心も,何もかもがヘトヘトでした(笑)。




木曜日の仕事が終わる。

 

支度もそこそこに,ゼットエーに向かう。
出発は9時半ごろ。そこから千葉の市原まで,約6時間半。
車に1人。無音。ずっと考え事をしている。
あれほど何度も何度もチャレンジして,毎回跳ね返された地域CL。
考えれば考えるほど悪いイメージしか出てこない。
本当にここを越えられるのか?
水曜日に見た,あのゼットエーの勇壮な姿が,とてつもない巨大な城に見える。

 

今日の対戦相手は,同じ東海リーグのFC刈谷(以下,刈谷と書きます)。
東海2位とはいえ,直近の鈴鹿との対決は0-3でコテンパンに負けている。
全社2位で地域CL決勝まで勝ち進んできた。
たぶん,全国屈指の最強チーム。
同じ東海リーグのチームとは,JFLをかけて当たりたくなかった。
2年前。ヴィアティン三重に負けた時を思い出させる。

 

車の中でいろいろ考えている。

 

大分中津で,めちゃくちゃ負けた。
山口乃木浜で,あと少しで決勝にすすめるところまでいった。
千葉市原で,ヴィアティンに負けた。
栃木グリーングラウンドで,落ち葉の舞う坂道でバスを見送った。

 

その都度,うなだれて,下を向きながら,「すみません」って言葉にならない言葉を発する選手達を見送ってきた。

 

カニシは笑う選手の顔が見たい。
サポーターの代表とか偉そうなことを言ってるけど,
カニシの本当の姿は,「選手のためだけに応援している」ただのバカなおっさんだ。

 

鈴鹿からノンストップで市原につく。
深夜3時ごろ。
車中で仮眠をとれるような心理状態ではない。
寒い駐車場で震えながら,ずっとずっと月を見ている。
満月に近い。
月成が満月の夜に活躍するなんてオツじゃないか。
月に。月成に願いを。

 

そのまま一睡もせず,すき家で朝食を取る。
地域CL1次ラウンドを勝ち抜けた時と同じメニューを食べる。
食欲はひとかけらもない。
ただ,たぶん吐き戻すので,食べとかないと胃がおかしくなる。

 

会場に到着。
かなり早い。
誰とも会いたくないので,1人テニスコートのベンチで空を見つめる。

 

時間だ。
仲間の元に行くと,たくさん集まっている。
みんな共に戦おう。

 

横断幕を掲げよう。
俺たちの言葉を選手たちに見せよう。
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「疾風ニ勁草ヲ知ル」
「運命よそこをどけ俺たちが通る」

 

いくぜ!

 

本日のスタメン(以後敬称略)
FW 9藤沢ネット・7リンタロウ
MF 10堀河俊大・25和田篤紀・6藤田浩平・11泉宗太郎
DF 22芦田成利・4キローラン木鈴・3藤井竜・15中村俊貴
GK 17月成大輝

 

試合開始。

 

開始直後からわかる。
刈谷は強い。やはり強い。

 

刈谷は,4-3-3だが,4-2-3-1に近い。
強力なセンターフォワードがいるため,そこに当てるのが攻撃の軸か?
そして,鈴鹿のサイド攻撃を防ぐためか?サイドの布陣も厚い。

 

前半開始直後。
鈴鹿のディフェンスの選手たちに中途半端なプレイが出る。
フワッとした入り。
さすがに選手達も緊張しているのか?

 

サポーターのチャントの声が大きくなる。
ここはAGFだ。コーヒーの匂いがするだろう。
大丈夫。俺たちがどんな時でもついている。
ホームだと思って,しっかりやろうぜ。

 

この試合の先陣を切るのは,「飛竜乗雲」,藤井竜(3)
藤井のプレイにブレはない。徹底してリアリストなプレイ。
冷酷とでも表現したくなるほど,感情が無く,圧倒的にセーフティにディフェンスしている。
2年前にここに来た時は,対人と対空が強い素晴らしいディフェンダーだった。
今,進化を遂げて,限界を突破して,ここにいるのは,対人対空だけじゃない。ディフェンスリーダーとして「貫録」も「風格」も備えた,藤井完全体だ!
アルマジロくらいなら蹴り殺せるくらいの振りの鋭いクリアを放つ。
歩幅の間に寄せられることも無い。
最高を越えていけ!
そして,自らの力でJFLの道を切り開け!
藤井竜!

 

前半5分。
左サイドからのコーナーキック
蹴るのは我らがキャプテン堀河俊大(10)
刈谷鈴鹿シフトなのか?マンツーマンではなく,ゾーンでコーナーキックを防ごうとしている。
そのゾーンの中にリンタロウや木鈴が取り込まれており,満員電車の中のようだ。
堀河の蹴ったボールは,満員のゴールエリアの少し外。
藤井が,満員の中から飛び出し,走りながら逆向きに頭でコースをずらす。
見事!

 

ゴーーーーーーール!!!1-0

 

先制は藤井のヘディングシュート!!!
オラーーー!見たかコラ!
藤井がやったぞ!
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全国の舞台で,何よりも大きな先制点が入る。
しかし,2年前は早い時間に先制してから,逆にペースが乱れた。
怖い。サッカーが怖くて仕方がない。
大きな声を出す。
サポーターーー。ここを締めるぞ!

 

サイドバックの,「ザ・ロック」中村俊貴(15)
サイドハーフの泉とのコンビネーションが今日も良い。
前半の序盤,特に鈴鹿コーナーキックが多かった。
刈谷スローインに逃げようとするが,そうすると中村のロングスローがぶっ飛んでくる。
すごい圧力をかけていく鈴鹿右サイド。
中村が今日も最高の最硬。
クロスも数多く上げている。
良いぞ!これは良い感じだ。

 

試合は五分五分の展開。
どちらかと言うと,シュートまで持っていけているのは鈴鹿
刈谷の厄介な中盤に,良い形でボールが入らないため,攻守ともに先手を取れている。
その立役者は・・・。
セントラルミッドフィルダー,「鈴鹿の心臓」,藤田浩平(6)
前線を中盤に君臨する鈴鹿の心臓。
攻守ともに藤田から良い形が作られている。
全社の時の不調がウソのように絶好調の藤田。
ひとかけらの悔いも残さないプレイが,「あと一歩からさらにもう半歩」のプレイに出ている。
あと少し,悔いを残さないために,自分の体の最高のパフォーマンスのその先のプレイをする藤田。
黒子のバスケでいえば,完全にゾーンに入っている。
今日の藤田は特にすごい!良く見たら目が赤く光っている(はず)。
この試合,いつも鈴鹿が苦労する刈谷の中盤に,良い形でプレイさせなかった。
藤田,和田の中盤,ベリーナイス!
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試合は徐々に,刈谷のボール支配率が増していく。
刈谷鈴鹿の左サイドを中心に押し込んできて,中の強力なセンターフォワードに当ててくる。
鈴鹿はカウンター狙いに。
この展開は,地域CL決勝ラウンド1戦目の,宮崎戦に近い。
ただ,ナカニシの今までのイメージとしては,刈谷の波の押し寄せるような攻撃は守っても守りきれるもんじゃない。
攻撃が最大の防御という感じで,支配率を増さないと,いつやられるか分からない。
しかし・・・鈴鹿はディフェンス面で,その上をいく。

 

センターバックの,「パーフェクトディフェンダー」,キローラン木鈴(3)
木鈴の今シーズンも順調なものではなかった。
春に不思議なスランプで,自信のないプレイが続き,ナカニシですらあれ?と思ったほど。
木鈴のプレイの最もいいところは,自分に不可能が無いと感じさせるほどの,圧倒的自信に裏付けられた人を飲み込むようなプレイ。
そして,この試合,センターバックの木鈴と藤井は,刈谷攻撃陣を飲み込み続けた。
直撃弾は,ほぼ0。必ず誰かがコースを切っている。
これぞ木鈴。
これぞパーフェクトディフェンダー
ナイスプレイ!
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鈴鹿はボール支配率ではやられているが,相手ゴールに迫る数では勝っている。
そういう意味では五分の試合。
両チームともにフォワードが強力なため,そこへどう渡すかが大きく局面を左右する。

 

鈴鹿センターフォワード,「ER7」エフライン・リンタロウ(7)
再三言っているけど,ナカニシは街でCR7と会うより,ER7と会う方が200万倍嬉しい。
なぜなら,リンタロウは鈴鹿サポーターの期待を背負って,そしてそれを実現してきた選手だからだ。
前半半ばからカウンターの攻撃が増えている。
ドリブルの上手いリンタロウが,サイドに流れて数的優位を作り,突破口を切り開いている。ロングパスの受け手としても秀逸で,懐に入れつつ次のプレイも精度が高い。
特に右の泉とのやり取りから,なんどもゴールを狙うが得点にならず。
しかし,前に向いて攻めているので,堀河のコーナーキックはめちゃくちゃ獲得している。
リンタロウがゴール前で存在感を出し,後ろから,和田(25)・藤田(6)・堀河(10)が狙う。
匂いがしている。点が入りそうな感じはしている。
リンタロウ!ガンバレ!
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試合は膠着状態に。
刈谷は攻めあぐねている。
藤井,木鈴のプレイが良く,刈谷らしさを封じている。

 

鈴鹿は攻め込むものの,刈谷のディフェンスを崩せず,フリーの状態でプレイできていない。
誰かに当たってコーナーキックが多いが,頼みのコーナーはやはり研究されているためか,鈴鹿の選手に合わせられない。
息詰まる熱戦。

 

サイドハーフの,「疾風怒濤」,泉宗太郎(11)
サイドバックの中村と共に攻撃中心の選手だが,刈谷は攻撃時にサイドプレーヤーが逆サイドに大きく張り出してフリーになる。
サイドハーフの泉は,鈴鹿の4人のディフェンスの横の外側をケアするため,「攻」と「守」ともに猛烈にアップダウンしている。
刈谷のサイドプレーヤーもスピードは速い。
しかし,スピードで追い付き,体を入れてボールを奪い,粘って粘ってディフェンスする泉の場所を無傷では刈谷も通れない。
そして,コースを切られた時には,そこで藤田,和田が待っている。
泉,怪我を直した後の泉の本当のプレイは,じっと見ていると泣けてくるんだよ。
それほど一生懸命プレイする君の姿を見せられたら,叫ぶしかないじゃないか。
泉,勝つぞ!!!
いつもの良い笑顔で,笑おうぜ!

 

試合は1-0のまま前半の終盤に。
鈴鹿サポーターも,選手も,監督も,良く知っている。
刈谷は後半さらに強くなる。
そして,ATであっても,最後の最後まで点を取りに来る。

 

なんとかもう1点ほしかった。
そうすれば・・・。

 

ここで前半終了。




ハーフタイムと同時にへたり込むサポーターがたくさんいる。
カニシも体が動かない。
だけど,トイレへ。
えづくような不快感がノドまで来ている。
トイレに行くまで,ほとんど誰とも話ができない。
口を開くと涙声になってしまう。

 

水曜日に高野次郎選手が差し入れしてくれたアクエリアスを,コップでみんなで少しずつ飲む。
これは力水だ。
パワーを全部グラウンドの選手の元へ。

 

怖くて仕方がない。
刈谷は後半強いことは良く知っている
ジャッジもファウルをよく取るタイプの審判だ。

 

ペットボトルの水を飲む手が震える。
両手を握りしめているのは,祈ってるんじゃなくて,そうしないと震えているのがみんなにわかってしまう。

 

杖を持って,立ち上がる。
体が重くて仕方がない。

 

選手達のために歌う45分だ。
鈴鹿サポーター!
鈴鹿サポーターはそんなもんか!
もっと出るだろう。
もっとパワーあるだろう。
行くぞ!!!




後半開始。

 

鈴鹿の左サイドバックは,「ウルトラタイガー」芦田成利(22)
この試合の芦田も堂々たるプレイ。もう,芦田が成長したと考えるのは違う。
これが芦田だ。このハイパフォーマンスをして当然の選手だ。
鈴鹿は硬く守備を整えて,カウンターが後半も続く。
芦田のムチの様なしなやかな体は,激しい当たりのやり取りでもビクともしない。
ヘディングが嫌いで,壁に入るのも嫌がっていた芦田が,高さでも刈谷の上をいく。
ビクともしない。微動だにしない。
そして,カウンターの際にはその快足を飛ばして駆け上がる。でも,深追いはしない。
芦田は成長したんじゃない。
限界突破したんだと感じる。
芦田。この試合頼むぞ!!!
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後半10分。
ネット(9)が前線から良いディフェンスをしてボールを奪う。
左サイドで堀河(10)が基点を作る。
フォローに入る和田(25)
それを追い抜く芦田(22)!!!
芦田から,中で待つリンタロウ(7)へ。
見事だ!見事なパスだ。

 

リンタロウが胸でトラップして,空中のボールをボレーでシュートを放つ。
何と美しい弾道!

 

ゴーーーーーーール!!!2-0

 

爆発するサポーター!!!
何がなんやらわからない。
ただ,ただ,リンタロウ!リンタロウと叫び続ける。

 

リンタロウが,吠えながらサポーターに走ってくる。
ネットが,もっとくれ!もっとパワーをくれ!とサポーターを煽る!!!

 

追加点。何よりも欲しい追加点。
いやいやいや。
2点差なんて一気にひっくり返されるぞ!
ここを締めろ。
サポーター。こんな時こそサポーターが頑張ろう。

 

と,今だからブログに書けるけど,すでにナカニシのノドは潰れていて声か出ない。
恐怖で足の震えが止まらない。
頼む,みんな頼む。
声を出してくれ。

 

後半も激しい球際の攻防が。
選手が体を入れ合うため,どうしてもファウルが増えていく。
(中にはファウルじゃないのもあるけど)
刈谷は早い段階で選手交代をしている。
前半は鈴鹿が抑え込んだ。
選手交代で角度を変えて攻めてくる。

 

サイドハーフの,「キャプテン」,堀河俊大(10)
地域CL前の練習を見に行ったサポーターの仲間がこう言った「堀河の気迫が凄すぎる」
この試合でも,堀河が体を張り,這いつくばりながらもボールを放さず,身を砕くかのように激しいプレイでチームのピンチを救っている。
キャプテンとして,昇格しなければならないチームを引っ張るのは本当に重たかっただろう。怪我もしたし,いろいろ嫌なこともあったと思う。
2年前の敗戦は,地域CLが近付くにつれ,堀河をプレッシャーで追い詰めたことだろう。
良く頑張ったな。堀河。ほんと良く頑張った。
カニシは堀河が大好きだ。
娘の婿にしたいくらい大好きだ(最大のほめ言葉)。
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全力プレイの堀河にアクシデントが。
接触で痛めて,いったん外に出る。
だけど,控えの準備ができていない。
1人減の時間を少しでも減らすため,すぐにピッチに戻る。
堀河の所からバランスを崩すわけにはいかない。
痛めているのに,無理に出続ける堀河。

 

後半19分
(OUT)10堀河俊大 ⇔ (IN)8小西洋平

 

無理をして倒れこんだ堀河がタンカで運ばれる。
堀河,ちょっとそこで待ってろ。
必ず勝つぞ。
そしてその勝利のチームのキャプテンは堀河だ!!!

 

鈴鹿ボランチ,「天才」,和田篤紀(25)
見れば見るほど凄さを感じる和田のプレイ。
それが地域CL全般で冴えに冴えわたっている。
あらゆるところに存在感を出し,一瞬の間でボールをカットし,自分の懐の深さと絶対領域を知っており・・・これは・・・凄い。
試合前のインタビューやスポプレの記事でも,和田が刈谷戦に並々ならぬ想いで挑んでいるのが分かった。そして何よりそれを実践するというのが素晴らしい。
イケメン?それは和田のほんの一面にすぎない。
彼のプレイを説明するのに,天才以外の言葉がナカニシには無い。
この試合,鈴鹿は守っているが,ディフェンスでしのげるほど刈谷は甘くない。
この刈谷の攻撃を交わした大きな理由。それは中盤に鈴鹿が立ちふさがったためだと思う。
サポーターの仲間が言った。
和田はパススピードが速い。そしてそのスピードの速さのため,相手のでヨセが遅れて,一瞬の間ができ,前を向くことができる・・・。
大丈夫。和田は天才だから。
さあ行こうぜ!
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フォワードの,「優しい鉄人」,藤沢ネット(9)
軽自動車が走ってくるような,そんなネットのプレイは,相手にとって最も嫌だと思う。
地域CLでは,有無を言わさずパワーでねじ伏せるような攻撃をする試合が多い。
その戦術がネット。「ネットが戦術」。
徹底的に前線に放り込み,ネットがディフェンスしてチェイスして,相手のパスコースが絞られたところを,藤田や和田がカットする。
この戦術には,ネットの献身的なプレイが必要不可欠。
水曜の試合でも足が痙攣した。
いつも帰りのバスに乗る時はクタクタになっている。
ネット,ガンバレ。
ネットの頑張りが,試合全体に影響しているぞ。
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後半も半ばを過ぎる。
カニシは何度もスマホの時計を見る。
隣にいる班長にも時間を聞く。
なんて遅いんだ!

 

声は出ない。出せばひっくり返る。
手をたたき,全身に力を込めてゴールを守る。
総帥だったら,10年やってんだったら,念力くらい出せ!!!
頼む。
勝たせてくれ。

 

堀河の怪我で急遽入った,左サイドハーフ,「ドリブルマスター」,小西洋平(8)
その変幻自在のプレイは,この時間,このタイミングで一番やりにくいタイプかもしれない。
また,今シーズン鈴鹿のホーム戦で,劇的なゴールを決めており,刈谷から見ても嫌な感じがしているだろう。
入った直後に,右サイドからのクロスに飛び込み,あわやゴールかという場面を作る。
小西の凄いところは,突然ふっと現れるところ。
そして,この試合,堀河の交代した穴を見事に埋め尽くした。
小西,ナイスプレイ!
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後半も終盤に入る。
刈谷はやはり鈴鹿ディフェンスを攻めあぐねている。
ミドルシュートが増え,ディフェンスの網にかからないよう,サイドとボランチで半円を作ってボールを回している。
藤井が相手のフォワードをギュッと抑えている。見事!

 

鈴鹿は,カウンターの数が減ってきて,崩されていないながらも,ずっと守っている。
怖くて怖くて仕方がない。
何に祈っていいか分からないが,両手を握りしめる。
頼む。
もう少し頑張ってくれ。

 

鈴鹿のゴールを守るゴールキーパー,「アレオレ鈴鹿の月成」,月成大輝(17)
カニシが明け方からずっと祈っていてもの,それは満月。
いや今度から満月のことを月成と呼ぼう。
満月の夜は,月成が大活躍するのにふさわしい。
地域CL決勝の大舞台を任されたが,全く問題なくプレイをしている。
キック,キャッチ,足元。
ゴールキーパーに求められるのは,派手なテクニックではなく,どれだけ極限までミスを無くせるか。今日の月成に,不安の要素は微塵もない。
1年目も,2年目も,3年目も,ほとんど出場機会はなかった。
でも,この大舞台でこのプレイができるということ。
それは絶対に月成の日々の練習の成果だと思う。
試合勘?それすら全く問題ない。
月成のプレイに,欠けはなし!!!
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試合は終盤に入る。
怪我やファウルが多いため,たぶんATは長く取られるだろう。
残り時間が気になる。
何度,時計を見ても1分もたっていない。

 

芦田の運動量は落ちない。
泉のスピードも持続している。
藤田も和田も隙はない。
藤井と木鈴は刈谷攻撃陣を完封。

 

ボール支配率は,3対7で刈谷
フッと息を抜く間も無い。

 

しかし。
後半39分。
左サイドからの刈谷フリーキック
刈谷の選手はほぼ全員,前線に張り付いている。
フリーキックは,鈴鹿ディフェンスの間に落ちる。
頭で合わせられて失点。

 

2-1

 

失点直後に,ネットが落ちつけ落ち着けと,手で合図している。
藤田がサッと中盤に声をかけてマークを確認。
選手たちは落ち着いている。

 

セットプレイからの失点だ。
気にするな!
崩されちゃいない。大丈夫。

 

後半41分
(OUT)9藤沢ネット ⇔ (IN)28小澤司

 

前線でボールを持てる上に,中盤に下がっての守備も抜群の小澤が入る。
小澤に対するナカニシの信頼は絶大。
なんてったって,一国の軍事力に匹敵するといわれている,victorycross大賞受賞者だぜ!

 

さっそく見せ場を作る小澤。
右サイドでボールを受けると,刈谷ディフェンスとゴールキーパーの間の絶妙なところにパスを通す!すげぇ!
そこに飛び込むのが和田(25)というのも凄い!
どこから走ってきたんだ?
惜しくも惜しくもゴールならないが,ボールを失わない小澤が入ったことにより,より時間を使うことができている。

 

刈谷はディフェンスも上がってきて,パワープレイに出てきている。
藤井,木鈴が何度も何度も頭でボールを跳ね返す。
鈴鹿センターバックは,最後までほころびを見せることはなかった。

 

後半AT
(OUT)7リンタロウ ⇔ (IN)34野口遼太

 

怪我で地域CL決勝に出場していなかった野口が入る。
サポーター全員が祈る。
のぐさん,頼みます。

 

サポーターの声がさらに大きくなる。
もう何分も同じアンリミテッドコールだけ。
もうそれしか言えない。
アンリミテッド!!!
俺たちの愛するチームの名を叫ぼう。

 

主審の手が上がる。
やった!

 

試合終了。

 

カニシはあれほど見たかった,勝利の瞬間の選手達を見られませんでした。
立っていられず,ヒザをつき,四つん這いで,ただひたすら涙していました。
顔を上げると,泣き崩れた月成が仲間に支えられながら歩いてくるところでした。
泣け!月成!俺も泣くから。
みんなでバンザイをしました。
良く考えたら2回かもしれませんが,なんか勢いで3回しました。
もっとよく考えたら,100回くらいしても良かったと思います。
ただ,その時は頭の中がまっ白でした。
なぜか分からないのですが,ずっと堀河トラメガ棒の先に付けるフックを探していました。

 

両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさんお疲れさまでした。
会場運営をしていただいているみなさん,ボールボーイのみなさん,ありがとうございました。
チームのスポンサーのみなさん,支援をしていただいている関係者の方々,みなさんありがとうございました。JFLです。今後ともよろしくお願いします。

 

たくさんの人が一緒に応援してくれました。
以前鈴鹿に所属していた選手達も,たくさん来てくれました。
みなさん,ありがとうございます。

 

鈴鹿アンリミテッドを応援していただいているみなさん,こんにちは。サポーターのナカニシです」
「勝ったぞーーー!」

 

試合後に,選手達の宿舎の芝生広場で,ビールと炭酸水とお嬢様聖水サワーかけをしました。
初めてビールを頭からかぶりましたが,目がとてつもなく痛いことが分かりました。
というか,なんで木鈴はゴーグル持ってたんでしょう?
いつもいつも,試合の後にバンザイをすると,すぐに選手達は次の試合に切り替えていました。
だから,選手達の本当の笑顔は,なかなか見られませんでした。
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今日はみんな良い笑顔でしたよ。
めでたしめでたし。




明日,地域CL決勝ラウンド3戦目があります。
対戦相手は,松江シティです。
松江シティとは,不思議な縁があって,昨年も最終戦で対戦しました。
福井全社や山口の地域決勝でも対戦しました。
今シーズン最後に,松江シティと対戦できるのは,なんとなく不思議な運命を感じます。

 

鈴鹿はJFL昇格が内定しました。
だけど,明日の試合は大きな意味がある試合です。
明日が今シーズン最後の試合です。
ということは,このメンバーでチームを作るのは最後になります。

 

選手たちへの感謝の気持ちも込めて,
選手たちが鈴鹿に来てよかったなぁと思えるように,
そして選手たちが来年も鈴鹿で戦いたいなぁと・・・。

 

俺たちの応援を,胸を張って堂々としよう。




カニシは試合後に,ゼットエーのコンクリートの段の所で,サポーターの〆をしました。
その場所は,2年前,ヴィアティンに敗れて,何も考えられなかった時に最後の〆をした場所です。
ここにナカニシは忘れ物をしていました。
ちょっと遅くなりましたが,忘れ物を無事に回収できてよかったです。
岡田選手も回収できたかな?

 

サッカーが怖くて仕方が無いのは変わりません。
だけど,やっぱり選手達と共に,何かを成し遂げるというのは,たまらなく楽しいです。
でも,地域CLはもういいです。体がもちません(笑)。




疾風ニ勁草ヲ知ル。

 

みんな勁草ですね。




ではまた。

 

( 次戦:地域チャンピオンズリーグ決勝ラウンド )
日時:3戦目。11月25日(日)13;30 対 松江シティ(中国リーグ王者)
場所:ゼットエーオリプリスタジアム(千葉県市原市

 

※ このブログに使用している写真は,鈴鹿アンリミテッドの使用許可を得て掲載しています。そのため,他での利用は絶対にしないでください。

 

(追伸)
チームのほうは,全国の舞台を戦うためのクラウドファンディグを行っています。
https://camp-fire.jp/projects/view/98989
みなさんのご協力お願いいたします。