みなさんこんばんは。
このブログ書き出しにあたって,まず,最初に書かねばならない事があります。
メチャクチャに負けたホンダロック戦,そして怒涛の4連敗中のブログで,ナカニシはチームに対して厳しいことを書いています。
「全く修正されていない」「連携不足,練習不足」「足が先にとまった」「中断期間で何やってたんだ?」
などなどです。
本当は知ってました。
ナカニシが知らないはずがありません。
選手たちが修正しよう,改善しようと,一生懸命になっていることを。
毎日の練習では,時には口論になるほどの激しい練習をしていることを・・・。
だけど,勝負の世界です。
人生をかけてプレイする選手達に,敗戦の後,慰めの言葉や,同情の気持ちは書けませんでした。
勝負の世界で生きる彼らにとって過程を褒められるのは,結果が出た時です。
結果が出てないのに,過程を褒められるのは,選手達にとって本意ではないと思いました。
だから,2連勝でとりあえずかもしれないけど,結果が出てホッとしています。
そして,厳しいこと書いてごめんなさい。
そして,この2連戦を2連勝。松江戦は無失点と思いっきり結果を出した選手達に,ナカニシが言う言葉は,たったひとつだけです。
「ぷーさん,かわいかった?」
試合前日。
早くに布団に入るが,全く眠れずに時が過ぎる。
時計を見ると深夜2時を過ぎている。
それからフッと少し寝たようで,3時30分にセットした目ざましで飛び起きた。
目は冴えている。
4時に鈴鹿を出発。
途中のサービスエリアでサンドウィッチを少し食べる。
今日の対戦相手は,松江シティ(以下,松江と書きます)
鈴鹿とは,いわゆる昇格組の同期。
昨年の地域CLで鈴鹿は敗れている。
全社と共に地域3冠を達成するほどの力を持つチーム。
鈴鹿はホームで辛勝しているが,夏を越えて戦力をアップしているはずで,まったく油断はならない。
台風の影響を考えながらも,黙々と車を走らせる。
選手たちは前日に松江に入っている。
ならばナカニシはGOだ。ストップの選択肢は無い。
会場に到着すると,小雨と猛烈な強風。
会場入りのやたらと早い鈴鹿サポーターは,ほぼ集っている。
サポーターも集中している。よし!
横断幕を張る。
出せる限り全て出す。
ここがホームだ。
どんな時も,俺らはココにいるぞ。
会場入りする。
松江のスタジアムは俗に言う国体スタジアム。
青森,奈良,と同じ形。
ナカニシは前試合で地域CLの感じで試合に挑んで,勝利したことを覚えている。
この試合でも,その感覚で試合に入りたい。
スタンドにいるとJFLの試合感覚になってしまう。
なので,スタンド裏で時間を潰して試合開始を待つ。
(たぶん,この感覚は分かりにくいと思いますが,試合前で緊張していたナカニシはそんなことを考えていました)
松江のスタンドの裏の木々を見ながら時間を過ごす。
風の強さに嫌な予感がする。
試合前にサポーターに話をする。
14位と16位の対決だ。
残留に向けて,どちらも絶対に勝利したい試合。
俺たちもどうしても勝ちたい!
だけど!リラ~ックス!
俺たちの選手を信じろ。
さあ!
いくぜ!
本日のスタメン(以後敬称略)
FW 7リンタロウ
MF 13遠藤純輝・10堀河俊大・25和田篤紀・6藤田浩平・9藤沢ネット
DF 29宮本一輝・4キローラン木鈴・34野口遼太・27田中貴大
GK 30セルヒオ・アレナス
試合開始。
グラウンドは相当水を含んでおり,芝の長さに隠れているものの,場所によっては1センチくらい水の層がある。
パスは止まることも,伸びることもあり,選手達のボールコントロールも慎重。
普通のテクニシャンにとっては致命的な最悪のグラウンドコンディション。
なら,超絶テクニシャンにとってはどうだ?
ボランチの,「バッドボーイ」,和田篤紀(25)
鈴鹿屈指のテクニシャンでありながら,過去の試合を振り返っても和田は雨の試合でも問題なく活躍している。
この試合でも逆に積極的にボールに絡み,松江ゴールを狙う。
グラウンドはサイドに水が溜まり,中央は比較的水かついていない。
サイドから中にボールを運び,足場のいい所で思い切りよくミドルシュートを放つ和田篤紀。
凄い!
弾道は確実にサイドネットに向かって飛んでいたが,松江キーパーのファインセーブで得点ならず。
それにしても良いシュートだった。
鈴鹿の中盤で和田篤紀の縦横無尽の活躍。
それが前半の鈴鹿の攻撃のキーポイントだと思う。
和田!頼むぞ!
試合は両チームともにグラウンドコンディションとの戦いから。
ゴール前で小さくパスをつなげられないので,ミドルシュートを枠に飛ばして,その跳ね返りを狙ったりする。
松江も思い切りよくミドルを打ってくる。
なんか起きそうで,守りにくい。
センターバックの,「最強の左」,野口遼太(34)
あまりコンディションは良くなさそうだが,ここ一番で野口が出ないわけにはいかない。
それほど,ディフェンスリーダーとして鈴鹿の守備の要を担う。
この試合では,裏へのスルーパスが両チームともにほとんどない。水で止まってしまうためだ。
そのため,松江はミドルシュートか,サイドからのクロスで攻めてくる。
ゴールキーパーのアレナス(30)の弾いたボールを詰めるため殺到する松江の攻撃陣。
しかし,野口の反応が早い!
シュートコースを限定し,ゴール前の混戦でも大きくクリアして難を逃れる。
極限まで集中しているので,特にこぼれた球への反応が早く,4バック全てが,ピリッとした守備隊形を敷いている。
なんか整っている。
なんか連携良いように見える。
さすが野口。
やってきたな!
前半の時間が経過するに従って,鈴鹿が押し込み,松江陣内でのプレイが多くなっていく。
鈴鹿は和田(25),藤田(6)の中盤がしっかりと松江を止めているため,そこから攻撃に移る速度も速い。
中盤から展開するるのは・・・左!
左サイドハーフの,「ハートのエース」,遠藤純輝(13)
特にこの試合の前半の遠藤の突破は凄かった。
サイドはドボドボの水たまり,ドリブルするたびにボールは止まり,水しぶきが上がる。
その中でも,松江守備陣に勝負を仕掛けて,中で待つリンタロウとのコンビネーションでゴールを目指す。
前半?(時間未確認),中に切れ込んだ遠藤のパスを,リンタロウがポストプレイでワンツー!遠藤はペナルティエリア内で倒されるが笛は鳴らず。
本当に良いプレイだったが,松江が体を張ってゴールを守っている。
でも,遠藤の左サイドは,特に前半の攻撃がとても良かった。
遠藤。君は鈴鹿の希望。期待にこたえてくれ!
頼む!
松江はたぶん3-4-2-1
ディフェンス時はサイドが下がるので,見た目は5バックになる。
松江の2人の攻撃的MFとワントップはそれほど下がらないので,鈴鹿の攻撃は2ボランチが最初に受ける形が多い。
両チームともに,パスが水たまりで予測できないため,リスクを管理して,ロングボールを放り込み,ディフェンスがワントップと競り合うことで,ヘディングのクリアが短くなったセカンドボールを狙う。
前述の松江のダブルボランチと,和田(25),藤田(6)がボールを奪い合う。
セントラルミッドフィールダー,「鈴鹿の心臓」,藤田浩平(6)
ボールを運ぶのが難しいグラウンドコンディションで,ロングボールを放り込むのは必然。
問題は,そのこぼれた球をどちらか拾うかで,試合の明暗が分かれる。
藤田の足下の技術は,ボールが足に引っ付くという表現が適切。
藤田の凄さはどんなボールでも自分のモノにしてしまうところ。
バウンドしてても,空中でも,水たまりで止まっても,わずかなタッチで次につなぐのが爆裂に上手い。
派手ではない。トリッキーでもない。
だけど藤田がしっかり動いていないと,鈴鹿は動かない。
まさに心臓。
まさに命の鼓動。
チームで唯一の全試合フルタイム出場している選手。
忘れてるといけないから,全世界に一言伝えさせてくれ!
2018シーズン。JFL昇格時の年間VictoryCross大賞の受賞者だぜ!
藤田。頼むぞ。
試合は鈴鹿ペースで進む。
とにかく遠藤がゴリッゴリにボールを運ぶので,松江もそれに対応するかのようにサイドを厚くしている。
サイドは水しぶきが上がりながらも,数人の選手がボールを奪い合う。
トップ下の,「疾風勁草」,堀河俊大(10)
地域CLの刈谷戦でヒザを大怪我し,約半年プレイできなかった。
ナカニシは本当に申し訳ないけど,今シーズン,トップコンディションの堀河は見られないんじゃないかと思っていた。
流経大戦で,闘志むき出しの堀河を見た。そしてこの松江戦の終了後,ナカニシはいろんな人に言った。
「堀河凄いぞ,体,戻してきているぞ。来たぞ!!!」
それでもまだ堀河のトップコンディションじゃない。いや,もっと上がある。
この試合では,ロングボールが多用されている。
そのセカンドボールを和田(25)と藤田(6)が,何とか押さえ,それから堀河へ。
走る遠藤にスルーパス!
ネットにクサビのパス!
リンタロウにふわりとディフェンスの頭を越えるパス!
多種多彩の形でラストパスを入れる堀河。
もちろん,相手のクリアボールに対しても,先に動いて体を寄せていく。
堀河。良いよ良いよ!
さすが堀河!
松江のグラウンドでは,コーナーフラッグは風で揺れていない。
しかし,聖火台そばのボールの掲げられている旗は,千切れるほどに風にあおられている。
ピッチ上はそれほど吹いていない風が,上空はかなりの強風。
前半は鈴鹿が追い風で優位。
実際に,松江ディフェンスが,ボールをヘディングでクリアしようとして,頭上をオーバーする場面も見られる。
なるほど。これはやりにくい。
そして,後半は鈴鹿が風下だ。
なんとか前半で1点欲しい。
前半22分。
中盤の底でボールをキープした藤田(6)がズバリと縦にクサビのパスを入れる。
受けたのは和田篤紀(25)
キタ!
和田はボールの勢いを殺さずに,ボールを内巻きにターン!!!
その時点で寄せていた松江の選手2人を,そのターン一発で振りほどく。
上手い!
その時点で,すでにトップスピードで駆け上がってきているサイドバックの田中貴大(27)
キターキター!!!
田中の精度十分のクロスが届くのは・・・
俺たちの重戦車,藤沢ネット!!!
ゴーーーーーーール!!!1-0
ネットの,ランニングダイレクトボレーシュートで,鈴鹿先制!!!
よっしゃ!
ネットナイス!
タカヒロナイス!
流経大戦では左サイドハーフだったが,この試合では右サイドハーフに入っている,「優しい鉄人」,藤沢ネット(9)
本来フォワードの選手だが,もともと献身的なディフェンスが上手い選手なので,しっかりサイドでディフェンスしている。
大きな体を相手とボールの間にスルッと入れて,後方の田中貴大(27)の上がりを待つ。
ディフェンス上手い。そして全体のために体を張ることができるナイスガイ!
そしてネットの恐ろしいところは,やはり攻撃面。
サイドからの攻撃に対して,中に入ってくると一気に得点の感覚が濃くなる。
ネットがゴール前に来るということは,インド象がゴール前に来るくらいの圧力があるので,そりゃ相手のディフェンスもプレッシャーを感じる。
なかなかJFLでゴールを奪えなかった。
でもネットが悪かったわけじゃない。
その献身的なプレイは,たくさんの得点のフォローをしたし,アシストもした。
でも,サポーターはネットに点を取ってほしかったんだよ。
ネット!
もう一回ナイスゴール!!!
この試合絶対に勝つぞ!
ネットとダンスするぞ!!!
前半の半ばでの得点。
鈴鹿サポーターで,この時間帯,この点で緩む者はいない。
逆にあちこちから,ここをしっかり!と声が出ている。
中盤の藤田(6)が,それが分からないわけがない。
トップ下の堀河(10)が,より激しく競り合ってボールをものにしようとする。
和田篤紀(25)が,早い段階で相手の攻撃を潰しに走る。
野口(34)が吠えている。
みんな分かっている。
ここが締めどころだ。
雨は霧のように細かくなってきた。
ナカニシは暖かい着替え?を持ってきたので,体が濡れるのは大丈夫だが,風が体を冷やす。
上空の風は台風のもので,やはり相当きつく吹いている。
前半は鈴鹿のロングボールが伸びていて,松江ディフェンスは少し気を使いながら落下点を慎重に見極めている。
それが分かっているので,鈴鹿はその目測誤りを狙ってドンドン前に出ていく。
センターフォワード,ワントップに君臨する,「ER7」,エフライン・リンタロウ(7)
ロングパスで一気にリンタロウに届くボールが来ているが,ヘディングでの競り合いで松江と十分勝負できている。
そして,落としたところには必ず堀河(10)がフォローに入っているので,孤立することなく,波状攻撃で良いボールが入っている。
ボランチから一旦堀河に入り,クサビで受けて,和田(25)が突っ込むなど,ワン・ツー・スリーの動きの中心としてリンタロウは良い感じにプレイしている。
この試合ではロングボールが多用されているため,両チームともにディフェンスラインが低くなることがある。セカンドボールを奪えば,バイタルエリアにスペースがある。
相手ディフェンス前で,クサビのパスを受けるリンタロウ!
シュートまでもう一息。
行けるぞ,行けるぞ!
リンタロウ!点取ってくれ!
試合は変わらず鈴鹿ペース。
サイドの攻防で先の先を取る遠藤純輝(13)
中盤でバリバリ動く和田篤紀(25)
トップ下の天才,堀河俊大(10)
先制の重戦車,藤沢ネット(9)
そしてゴールハンター,リンタロウ(7)
そうそうたる鈴鹿の攻撃陣が再々,松江ゴールに詰め寄る。
しかし,しかし,しかし,しかし,
松江のゴールは硬い。
もう1点。
このグラウンドコンディションならば,もう1点を取ればぐっと楽になれる。
その追加点が奪えず
前半終了。
控え選手のコーヘル終了後に,コンコースに向かうナカニシ。
寒い。
風の当たるところはとても寒い。
グラウンドコンディションが悪い中で,選手達は十分に戦えている。
しかし,この滑るグラウンドでプレイするのは思った以上に体力を消耗するだろうし,怪我なども怖い。
選手交代とそのタイミング。それと,その選手が試合に入れるかがポイントなのでは。
控え選手の動きをみる。
みんな途中出場でも100%出せるよう牙を研いでいる。
さあ行こうぜ!
後半開始。
後半の風は鈴鹿への向かい風。
時折,急に横風に変わることがある。
アレナス(30)がゴールキックの際に,ボールが風で動いて置き直さねばならないくらい風が強い。
後半開始は両チームともに互角の展開。
しかし,徐々に松江が押し込んでくる。
ネットや(9)遠藤(13)が,サイドから引きつつ守備をする,松江は中-外-中と上手く動きながらパスを回す。
松江はベンチから指示が出ているのか?思い切ったプレイで全体が意思統一している。
サイドと中で呼吸を合わせて,ミドルシュートを多めに打つ。
そしてロングボールは鈴鹿が向かい風。
鈴鹿からの飛ばないボールに対し,前に出つつ押し込んでくる。
左サイドバックの,「BE.COOOL」,宮本和輝(29)
この試合では特に右サイドの田中貴大(27)の攻撃が目立っており,その分センターバックの木鈴(4)が右サイドの裏のケアに行くことが多い。
自然,野口もスライドし,宮本も中に絞ってくる。
センターバックもできる宮本に死角は無く,この試合で鈴鹿はサイドの裏を(たぶん)一度もやられなかった。
宮本の強さは,鋭さや切れ味ではなく,職人の様なコツコツとした地道なディフェンスだと思う。
1対1では決して抜かれず,相手のスピードを殺し,駆け引きでも負けてはいない。
相手にとってやりにくいディフェンス。それが鈴鹿のステキな宮本。
後半,松江が押し込んできた。
しかし,ナカニシの記憶では,この試合はディフェンスが深くえぐられた覚えが無い。
宮本完璧だ!!!
鈴鹿陣内で松江の攻撃を受ける展開。
鈴鹿はカウンターで遠藤やリンタロウを走らせたいが,ロングボールは滑って長くなったり,水溜りで止まったりするので,上手くカウンターで走れない。
松江はロングボールも入れてくるので,鈴鹿はディフェンスラインも下がり,中盤も全体も引き始める。
逆に松江は強風の影響でロングパスで裏を取られにくいため,相当ディフェンスラインをあげている。
前半の鈴鹿の優位が,そのまま後半の不利になった。
鈴鹿は大きなクリアのはずが押し戻されて,自陣に戻ってくるような強風。
これはきつい。
これを残り45分か!
松江は積極的にミドルシュートを打ってくる。
もちろん,濡れたボールのキャッチを嫌い,ゴールキーパーが弾くのを見越して何人も飛び込んでくる。
枠にさえ飛べば何かが起きると,相当遠い位置からも狙ってくる。
そして,風に押されてそのシュートは脅威となる。
ゴールキーパーの,「ファインセーバー」,セルヒオ・アレナス(30)
この試合の始まるまで,アレナスがどんなプレーヤーなのか,ナカニシには,まだ全然わからなかった。
鈴鹿には,月成,佐藤,岩脇,高宮,それぞれいつ試合に出しても大丈夫な素晴らしいキーパー達がいる。
その中で,アレナスは何ができるのか?
後半は特に強風でキックの精度には苦心しているアレナス。
ボールを蹴るにも,セットしたボールが動くほどの強風。
鈴鹿が押し込まれている時だからこそ,ゴールキーパーからのキック一閃は狙いたいところ。
そして後半,アレナスが自らのプレイを存分に発揮する。
松江のミドルシュートに対して,超反応で徹底的に叩き返すアレナス。
セットプレイからのこぼれ球に対し,ペナルティエリアすぐ外から撃たれても反応している。なんという反応!
自分の定位置からシュートの軌道上まで到達するスピードが速く,引き絞ったゴムを弾くようにピン!と飛ぶ。
自らの飛ぶスピードを知っているためか,一瞬ボールを見て,跳ねるように飛ぶ。
ナイスセーブの連発。
そして,濡れたボールを嫌い,アレナスはほぼ全てキャッチせずに遠くまで弾いている。
サポーターの「あー」という声が,「おー」という声に変わる。
アレナス!全部止めてくれ。頼む。
後半21分
(OUT)9藤沢ネット ⇔ (IN)11泉宗太郎
ディフェンス時にイエローカードを受けていたネットが交代。
この大事な場面に,代わって入るのは,サポーターの信頼絶大の泉。
泉,頼むぞ。
鈴鹿の攻撃の時間を増やしてくれ。
そして,この試合のアシストもタカヒロが記録。
長・短・速・遅,多彩なクロスを持つが,何よりもその精度は凄いとしか言いようがない。
後半の鈴鹿は防戦一方になっている。
大きなサイドチェンジも,風の影響でコントロールが定まらず,タカヒロも思い切ったオーバーラップがしにくい。
その分,サイドのディフェンスで気を吐くが,松江が人数をかけて攻めてくるので,かなり苦労している。
しかし,一度もスパッと抜かせてはおらず,最悪のカットインは留めている。
泉が入ったことで,サイドの縦の強さは十分となった。
自らの役割をしっかり認識して,オーバーラップを控え,セーフティファーストでバックアップする。
とても良い。押し引きと試合を見る目がとても良い。
タカヒロ。勝つぞ!
必ずだ!
後半始まってすぐから,何かのたびに主審が時計を止めるしぐさをする。
こんなに頻繁に時計を止めるしぐさをする主審を見たのは初めて。
そこまで試合は終盤では無い時点で。
いやいや,鈴鹿は1対0の試合で,こんな時間から守りに入ったりはしない。
試合終盤,そしてアディショナルタイムまでいつひっくり返されるかドキドキしている。
そして,松江にはそれだけの力がある。
後半は雨がほぼ止んだ。
松江のグラウンドは水はけが良く,グラウンドのサイドの一部を除いて,ほぼ水溜りは無くなっている。
松江のパス回しからのシュートが何本も鈴鹿ゴールを脅かす。
そう,ナカニシの松江のイメージはこれだ。
この連携の良いパスからの攻撃で,昨年,地域CLで敗戦した。
松江のリズムの良い攻撃は脅威。
なんとか止めろ!!!
鈴鹿はサイドバックの守備がしっかりしており,ゴールライン上を中にえぐられることはない。
しかし,サイドハーフを止めても,一旦後ろに戻して,斜め後方からロングクロスは入れられてしまう。
※ちなみにこの漢字は(フトウフクツ)と読みます。
グラウンドコンディションの悪い中でのロングボール。
そして後半の,ロングクロス。
どちらも木鈴最強伝説を証明することとなる。
空中戦での頂点が高く,到達時間も早い。
また,そのフィジカルで押しても引いてもバランスを崩さない。
強い。木鈴強し!ナカニシも唸る強さ。
そしてこの試合で,木鈴は徹底的にセーフティにディフェンスした。
クリアボールを有利にするため無理をしたり,ディフェンスラインでパス回しをすることはなく,迷わずあっさりとタッチラインを割る。
昨年の藤井竜選手のような,迷いの無い徹底的に冷酷なまでのディフェンス。
木鈴,ゾーンに入ったか?
木鈴のプレイは試合を通して徹底しており,その集中に切れ目は無かった。
木鈴!ナイスだ!!!
後半30分
(OUT)25和田篤紀 ⇔ (IN)19海口彦太
前半から攻撃を活性化させ続けた和田が下がり,サポーターの期待値の高い海口が入る。
(たぶん)海口は右サイドに入り,堀河(10)がボランチに入った様子。
(たぶん)鈴鹿は4-4-2に変えていると思う。
松江も選手を交代して攻勢に出てくる。
ナカニシの知る松江らしさが出てきた。
松江上手い,そして強い!
ナカニシは堀河への信頼が高いので,ボランチの堀河はちょっと嬉しい。
ハードに当たる闘士のようなディフェンスではなく,堀河は危ないコースをきちんと切るディフェンスをする。
そのため,後半の松江のクサビのパスは堀河がコースを切っていた。
さすが!
途中から入った泉も,少しでも松江陣内でプレイできるよう攻撃の起点になろうとしている。
しかし,鈴鹿はディフェンスが引いているため,フォローが少なく,泉が孤軍の形になってしまう。
鈴鹿が散発的に攻めるが,主導権は松江。
しかし,鈴鹿は崩れていない。
通してはダメな部分は,藤田(6)が目を光らせている。
野口,木鈴のセンターバックも集中がちょんちょんの針のようだ。
後半35分
(OUT)13遠藤純輝 ⇔ (IN)16小口大司
最後の切り札的に出場機会の増えている小口が入る。
ナカニシが叫ぶ!
小口!もう残りずっと走り続けろ!
野口(34)の声が良く聞こえる。
ボールが外に出るたびに藤田(6)が指示を出している。
サポーターの声が悲鳴のようになっている。
太鼓が途切れ,みんなの手拍子と声だけが響く。
ナカニシが知らず知らずのうちに手を握って祈っている。
何に祈る?
俺たちの選手達に決まっている!
小口が走って走って松江ゴールキーパーに襲いかかる。
ゴールキーパーのキックのコースを限定し,キックミスを誘いボールはタッチラインを割る。
小口!この一歩がビッグプレイになるぞ!
途中から入った海口(19)
なかなか出られない状況で,若武者にチャンスが回ってきた。
しかし,海口は全く焦っていない。
驚くほど,自分自分ではなく,チームプレイに徹する。
もっとパス出したいだろう。
もっと攻撃参加したいだろう。
もっとアピールしたいだろう。
だけど海口の選んだプレイは,徹底的に時間を使うプレイ。
クロスをあげずにコーナーキックのゾーンまでボールを持っていき,そこで体を張ってボールをキープする。
その献身的な姿があまりのカッコ良いので,ナカニシは試合終了後からずっとマネしてた。
試合後,サポーターが言う。海口見事!
試合時間は刻一刻と流れる。
両チームが激しい当たりを繰り返し,セットプレイも増えている。
しかし!
ディフェンス大将・野口。空中戦の覇者・木鈴はこの時間帯でも集中を切らさず,徹底的なセーフティプレイを続けている。
アディショナルタイムは4分。
長い。長いアディショナルタイムだ。
この時間!
サポーターが守り通せ!
鈴鹿サポーターの力を見せろ!
遠方からも選手に元気を届けてくれ!
勝とう。絶対勝とう。
祈るような時間。
走り続ける小口。
時間を使う海口。
倒されるがすぐに立ち上がる藤田。
泉もディフェンス頑張っている。
もう少し,もう少しで・・・。
試合終了。
笛の音の瞬間,爆発するスタンド。
涙なのか,歓声なのか,みんなが何を言っているのか分からない。
良かった。勝った。良かった。
両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさんお疲れさまでした。
たくさんの人が,島根県の松江まで応援に来てくれました。
そして,もっとたくさんの人が,鈴鹿アンリミテッドを応援してくれました。
みなさん,ありがとうございました。
凄いたくさんのお土産をいただきました。
シャインマスカットもいただきました。
松江シティサポーターさんからも,ご当地のお菓子をいただきました。
全て,現地のサポーターでいただきました。
勝ち菓子と,勝ちシャインマスカットは最高でした。
お土産いただいたみなさん,ありがとうございました。
この試合には懐かしい顔が見られました。
2017シーズンまで鈴鹿に在籍していた大淺隼也選手です。
大淺選手は松江シティに移籍して,その後,退団して今も松江に住んでいるそうです。
試合後に鈴鹿時代の大淺チャントを歌いました。
(映画,蒲田行進曲のテーマ)
「ラーララーララララーラーララララ,オ・オ・ア・サ・シュンヤ~」
大淺選手,来てくれてありがとうございました。
これからのご活躍と,また会えることを楽しみにしています。
さて,この試合のMVP。
VictoryCross賞ですが・・・。チャッチャラー
右サイドバック,「イナズマクロス」田中貴大選手(27)に送りたいと思います。
献身的な走りと,ナイスアシストでした。
タカヒロ!ナイス!
次の試合もよろしくお願いします。
試合後に,選手たちがスタンドに向かった挨拶に来ました。
バンザイ三唱の後,スズカアレーの歌を歌いました。
ネットが初ゴールを喜んでダンスしてくれました。
ネット最高!
残りの試合で,もっともっと点取るよ!!!
そして,ファインセーブのアレナスと,なんと!藤田キャプテンが踊ってくれました。
どんな時でも厳しい表情を崩さず,いつもいつも苦しそうだった藤田が踊りました。
誰よりも思い重圧と勝利へのプレッシャーを背負っていました。
スペイン人監督であるミラ監督とのコミュニケーションも大変だったでしょう。
連敗中で雰囲気が悪くなる選手達をまとめ,前向きに試合に挑むのも大変だったに違いありません。
その藤田浩平が楽しそうに笑って踊りました。
ナカニシは嬉しくて,藤田が笑ってくれて嬉しくて,ちょっと泣きそうでした(泣いていない)。
良かった。
勝てて良かった。
会場を出てから,ナカニシは暖かい服に着替えました。
それが偶然,くまのぷーさんでした。
また,こんなことして,と思うかもしれませんが,簡単に言うとゲン担ぎです。
それと,こんなものまで持ってきて,勝つことを信じたくて,勝ったときのことだけを考えたくて持ってきました。
でも,次からは持ってきません。
ナカニシがゲンを担ぐべきは,こんなことではないからです。
ナカニシが祈るのは,選手たちに対してです。
だから,踊るぷーさんはこれで見納めです。
ぷーさんは,まだ興奮の冷めないサポーターたちと一緒に,選手たちの乗るバスを見送りました。
アンリミテッドのバスの窓は,外から見えないように濃いスモークが張られています。
なので,乗車したら外からは選手たちが全く見えません。
バスに向かってサポーターが手を振りました。
「ありがとうー」「お疲れさまー」「最高ー」
そうしたら,バスの中からたくさんの星がきらめきました。
選手たちが,スマートフォンのライトをサポーターに振ってくれました。
たくさんの光が揺れてました。
全世界に言おう!
うちの選手最高!!!!!!!
鈴鹿はJFLのリーグ戦初の連勝です。
下位の残留争いの中で,この2試合の勝利はとても大きいです。
だけど,リーグ戦は残り8試合。鈴鹿アンリミテッドのJFL残留はまだ決まったわけではありません。
茨城国体開催で少しの中断期間に入ります。
選手達は怪我を治してください。
疲れを癒してください。
そして,次に向けてさらにトレーニングを積んでください。
来シーズンに向けて1つでも上の順位に食い込めるよう,サポーターもしっかり応援していきたいと思っています。
さあ行こうぜ,明日目指し。何度でも,くじけても。
さあ行こうぜ,夢めざし。歩みを止めずに。
次はAGFでラインダンスだ!!!
もう一回言っておきましょう。
うちの選手は最高です。
ではまた。
(今後の試合)
◇JFL第23節 10月12日(土)13:00 マルヤス岡崎 @AGF陸上競技場(鈴鹿市)
◇JFL第24節 10月19日(土)13:00 ヴェルスパ大分 @三交スポーツの杜鈴鹿メイン(鈴鹿市)
◇JFL第25節 10月27日(日)13:00 ソニー仙台 @めぐみ野サッカー場(宮城県仙台市)
※ このブログに使用している写真は,鈴鹿アンリミテッドとJFLの使用許可を得て掲載しています。そのため,他での利用は絶対にしないでください。