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アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

三重県サッカー選手権準決勝 対 四日市大学

みなさんこんばんは。

今日の試合前に鈴鹿アンリミテッドグッズを買いました。
自分の応援するチームのグッズを持っているというのは,それだけでワクワクしますね。



闘いの日は試合開始時間にかかわらず,早起きする。
気合を吐き出すのはまだ早いので,家の用事をしながら出陣の時を待つ。
金曜の仕事か終わってから,ずっと試合のイメージが頭の中にある。
走り出しそうな激情を留めるのに苦労する。

今日の対戦相手は四日市大学(以下,四日市大と書きます)。
大学のチームは,日々進化するので,どんなチームかは全く分からない。
鈴鹿は過去に何度も三重県選手権で大学生に負けている。
大学生は怖い。
何が起きるか分からない。

ゆっくり会場入り。

会場でマスコミの取材の人が言っている。
「4月9日にヴィアティンと対戦?」
今はそこまで考えられない。
四日市大,全く油断は出来ない。

前試合は,TSV1973四日市ヴィアティン三重の試合。
延長の末,ヴィアティンが勝利した。

鈴鹿サポーターが集まってくる。
緊張で硬くなった体をラジオ体操でほぐす。
たくさんの人がフラッグを持って応援してくれる。

さあいこう。
しっかりいこう。

いくぞ!

本日のスタメン(以後敬称略)
FW 18近藤和哉・24伊藤竜二
MF 10堀河俊大・20江頭一輝・3藤田浩平・25矢野純平
DF 30中野晃希・8高野次郎・4藤井竜・21原広樹
GK 1曵地裕哉
イメージ 1

試合開始。

吼える鈴鹿サポーター。
選手たちに想いよ!届け!

試合開始直後からグラウンドに違和感がある。
冬で芝が枯れているうえに,前試合で延長まで使ったため,グラウンドは掘り起こされた畑のような状態。
あちこちがデコボコで,小さなイレギュラーが頻発する。
ただ,条件は五分と五分。
何の言い訳にもならない。

しかし,パスサッカーをしようとして,その影響をもろに受ける鈴鹿の中盤。
ボランチの位置に陣取る「コンダクター(指揮者)」江頭一輝(20)
細やかなテクニックと,繊細なパスが出せる江頭だが,この試合では持ち味が全く出ていない。
悪い足元に気を配りながらのプレイに気をとられていて,いつもより判断か遅れている。
球際で寄せられてボールを失い,タックルを避けられ,攻守の組み立ても出来ていない。
四日市大のプレッシャーに押され,自分の空間が作れず,パスの精度も落ちている。
今シーズンの江頭のプレイは,これまでしっかり見てきた。
カニシが始めてみる,バタバタした江頭のプレイ。
しっかりしろ江頭。
大丈夫だ。このグラウンドで自分より上手い選手はいないと自身を持て!

サイドバックの「デュエリスト」中野晃希(30)。
1対1の負けん気の強さはチームでもトップクラス。
しかし,この試合では,中盤の差し合いで鈴鹿がボールを失う場面が多く,四日市大はそこからショートカウンターで,数的優位のままサイドを攻め上がって来る。
鋭いワン・ツーで抜かれてしまう中野。
相手との距離感が上手く作れない。
そのため裏へのパスに対してもワンテンポ遅く,後手後手に回っている。
良く走っている。しかし,いなされてしまっている。

試合序盤。
ボール支配率は5分と5分。
四日市大の中盤は良くまとまっており,体の当たりも強い。
何よりも寄せが早く,鈴鹿の選手はその圧力に押され,プレイがバタついている。

鈴鹿の攻撃は,徐々に後ろからのロングボール中心になる。
足元の状態が悪いので,ロングボール自体は悪い攻め方ではない。
しかし・・・なんだろう・・・苦し紛れに見えて仕方が無い。

センターバックの「フィジカルモンスター」高野次郎(8)
高野のロングフィードの精度の良さは,何度も見てきた。
この試合でもサイドに向けてロングパスを蹴るが,上手く流れに乗らない。
前線の選手がロングボールを何度か見送る場面がある。
鈴鹿は両サイドバックが特に焦りを見せたプレイをしており,藤井・高野が釣り出されて,中で数的不利な場面まで作られている。
お互いロングボールを蹴りあっているが,ヘディングで遅れを取ることすら・・・。
高野どうした?
ここで絶対に負けちゃいけないぞ!
踏ん張れ!
粘れ!

四日市大のプレッシャーに対して,鈴鹿の攻守の切り替えがワンテンポ遅く,サイドの選手が前線に走っていない。
孤軍奮闘の竜二(24)が,何とか繋いでチャンスを作るが,単発に終わっている。

サイドハーフの「フェニックス」矢野純平(25)。
こんな悶々とした時こそ,純平のプレイで勢いを付けたい。
小細工無用の突撃で,一気に前線で決定機を作りたい。が・・・。
純平の当たりも上手く交わされて,ガッチリ組み合っていない感じがする。
四日市大の当たるポイントは鈴鹿と違っており,鈴鹿の少し後のトラップ際に寄せて当たってくる感じ。
純平も良く走っているが,どうも効果的なプレイにつながらない。
全体的にパスの精度は悪く,出すのも貰うのも気を使うプレイ。
純平が網に絡まったかのように動きが取れない。
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球ぎわの駆け引きで後手を踏んでいる。
鈴鹿は各個にプレイしていて,四日市大は数的優位で勝負している。

試合展開は,5分5分ながらも,両チーム共にシュートが打てない。
お互いにポロッとしたボールの失い方が多く,コネコネしてどちらに出るかの運の要素も多い。

「サムシングエルス」キャプテン堀河俊大(10)。
堀河のサッカー頭脳であれば,現在の状況や打開策を考えているだろう。
この試合,四日市大の中盤の圧力に鈴鹿ボランチが押されてしまい,堀河にボールが渡る回数か少ない。
堀河のボールタッチで攻撃にアクセントを付けたいところだが,堀河に渡ったときには,コースが切られており,ジリ貧の状態。
何とかしたいと,堀河が細かくポジションを動いているのが分かる。
しかし,鈴鹿の3列目から2列目に良い流れでボールが入らず,結果的に堀河を経由せず,大きく縦に放り込む形となってしまう。
堀河が上手く試合に絡んでいけない。
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前半は徐々に四日市大のペースに。
藤井,高野のセンターバックを脅かす回数が増えてきた。

鈴鹿ゴールキーパー曵地裕哉(1)。
四日市大の攻勢に対して,相手ボールのコーナーキックフリーキックも多くなってきた。
ペナルティエリア付近の危ない所でも。
曵地が大きな声でディフェンスに指示をおくる。
曵地から良い集中を感じる。
ハイボールもバックパスも確実に。
曵地にブレはない。
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前半の状況に鈴鹿の選手が苛立っているのが分かる。
しかし,そんな時こそサポーターが声を出してリズムをつかみたい。
カニシのノドは前半で潰れても良い。
出るだけ出す!
出せるだけ出す!
鈴鹿アンリミテッド!!!

ここで前半終了。



いったん控室に帰る選手達の顔が暗い。
前半の時間を追うごとに,選手達の声が少なくなっていた。

確かに,鈴鹿のサッカーは出来ていない。
四日市大に鈴鹿のサッカーを潰されているわけではなく,足元を気にするあまり,攻守共にリズムを崩している。

デコボコのグラウンド。
たぶん多くの人が口々に言うだろう。
「グラウンドが良くなかった」

しかし,先の先まで行こうとしているチームが,グラウンドが悪くて負けましたというのでは話にならない。
グラウンドが悪ければ,それに対応せねばならない。
相手の寄せが早ければ,それにも対応せねばならない。
霧が出ようと,雨が降ろうと,対戦相手も同条件でサッカーをするのは同じ。

鈴鹿アンリミテッドは横綱ではない。
横綱相撲なんて論外。
貪欲に,勝利に餓えて,頭を使って,仲間と声を出して。

大丈夫。
大丈夫。

泥にまみれる覚悟があれば,必ずそこに道がある。



後半開始。

鈴鹿の選手交代は無し。

2トップの下がり目にいる「ミラクルドラゴン」伊藤竜二(24)。
カニシとしては,2トップの1人に竜二が入っているのは,とても心強い。
ドリブルがし難いグラウンドだけに,早めのパスと,早めにトップに放り込むようにプレイしている。
ゴチャゴチャしてても仕方がない。
四日市大のゴールに近いところで勝負をしたい。
さすが竜二。良く動き,良く攻めている。
自分で局面を打開するため,なんとか突破しようとする竜二。
しかし,竜二の次,その次と連動する動きが少なく,攻撃の厚みも不足している。
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サイドバックの「鬼神金剛」原広樹(21)
この試合,両サイドバック共に後手後手にまわっている。
あれほどまでに果敢なプレイを見せる原広樹ですら,前半はほとんど駆け上がることがなかった。
中盤でタメが作れていないのと,四日市大のサイドバックが広くポジションをとっているため,ここぞと言うときがなかったように思う。
そのため,足を止めて待ってディフェンスしている。
しかし,四日市大は攻守の切り替え時には,動いて走りながらボールを繋いでいるため,どうしても待って走るとスピードで遅れてしまう。
なんか原広樹の元気がない。止まっている場面が多い。
四日市大の動くボールに的が絞れない感じを受ける。
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後半が始まってしばらくしたころ・・・前半との違いを感じる。
四日市大の圧力の高い中盤が少し引き始めている。

鈴鹿の中盤に入る,藤田浩平(3)。
前試合までは右サイドバックだったが,原広樹が怪我から復帰したため,この試合から本職のボランチに入っている。
弾むボールと足元の悪さを気にしつつも,体を張ったプレイで多少強引にでも前線へボールを繋いでいる。
前半,鈴鹿が押されたカウンターを,逆にこちらからしかけ,得点の臭いがするところまで持っていく。
サイドが変わって藤田の声が良く聞こえる。
ディフェンスライン,同じくボランチの江頭の位置,サイドハーフの上がり具合。
良い声だ。
藤田の押上げが効いてきている。
藤田,みんなバタついている整えてくれ。
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藤田が中盤にはまり始めて,江頭もスペースを使えるようになってきた。
藤田が後ろ,江頭が前に出て行く。
鈴鹿の攻撃に厚みが増し始める。

後半16分。
(OUT)25矢野純平 ⇔ (IN)14吉田光

前試合で決定的なゴールを決め,鈴鹿サポーターの心をガシッと鷲づかみにした吉田が入る。

その吉田。
サイドハーフに入るが,サイドでプレイすると言うよりも中にグイグイ入っていき,中盤の基点を強引に作り出す。

そして・・・
後半19分。

江頭のミドルシュートのこぼれ球にすばやく反応する吉田。
もしものボールにきちんと動いている。
吉田がペナルティエリア少し外で持つ。
一瞬の間・・・
シュートか?
右か?左か?
右足を振りぬく!
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ゴーーーーーーーーール!!!1-0


2戦連続の吉田のナイスゴール!
そして鈴鹿サポーターに「どうだ!」とばかりのガッツポーズ!
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最高だぜ!吉田光!!!

シャイニングウィザード吉田光(14)。
光ったと思ったときには結果を出すプレイは,迷いが無く強烈。
難しい試合に途中から入ったものの,全く問題なくフィットし,一気にチームを活性化させる。
相手に対するディフェンスも的確なため,後ろにいるサイドバックの原広樹(21)の駆け上がるタイミングが生まれてくる。
鈴鹿サポーターの最近の口ぐせ。
吉田光はいいぞ」

中盤の堀河(10),吉田(14),江頭(20)が,徐々にボールに触れ始める。
少しずつ,主導権を奪い始める。

後半23分。
(OUT)24伊藤竜二 ⇔ (IN)7リンタロウ

激しくプレイし,削られまくった竜二が交代。
竜二,大丈夫か?
来週も頼むぞ!

鈴鹿の「爆撃機」近藤和哉(18)。
前半は後ろからのロングボールを納めることができず,前線で孤立してしまっている。
左右の押し上げも少ないため,自分自身が左右に流れるしかなく,得点を挙げるチャンスが無かった。
無言で磨いた鋼の体。
尖った肩が風を切る。
鈴鹿サポーターを歓喜の爆発をさせてみろ!
和哉にボールを・・・。
和哉に渡れば・・・。

後半28分。
左サイドで中野(30)が四日市大にプレッシャーをかける。鋭い!
そのこぼれたボールをリンタロウが拾い中へ。

四日市大ゴール前。
鈴鹿から見て左斜め45度の位置。
胸くらいの浮き球のパスを,ボールに足が吸い付くかのようにワンタッチでシュートゾーンへ!!!
ドキッッッッッッ!とするナカニシ。
上手い!
これが今シーズンの和哉のプレイか!!!

迷い無く左足を振りぬきシュート。
ボールは逆サイドのゴールサイドネットに突き刺さる!!!

ゴーーーーーーーーール!!!2-0


素晴らしいゴール。
ビューティフルゴールだ!
(和哉選手,こっちにガッツポーズしに来ても良いんですよ・・・)
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試合は2点を取ったものの,四日市大の運動量は落ちない。
さらに激しく球際で競り合ってくる。

鈴鹿の選手の中にも少し疲れが見える選手がいる。
サポーターから声が飛ぶ。
ガンバレ!
ガンバレ!

鈴鹿センターバック「最強の竜」藤井竜(4)。
火を吹くような激しい闘志を持つ藤井。
前半は,仲間のハッキリしないプレイに対して,激しく声を荒げる場面もある。
この試合,四日市大は裏へ抜けるパスを多用していた。
細かくまわすより,オフサイドギリギリで裏を走って勝負したほうが,鈴鹿のミスで一気に得点につながる。
その裏への走りに対して,しっかりと対応できている藤井。
ゴールキーパーの曵地も藤井と声を掛け合っており,ディフェンスの裏のスペースを使わせていない。
鈴鹿の中盤を支えるために,鈴鹿ディフェンスラインは割りと高目を維持している。
藤井のタイミングひとつで失点の可能性は高い。
しかし,鈴鹿の藤井だよ。
最強の竜だよ。
大丈夫だ。
藤井,頼むぜ!

後半から交代で入ったリンタロウ(7)。
長身の選手だが,前線で基点となり,攻撃のタイミングを作っている。
リンタロウの周りで,吉田が絡み,堀河がフォローし,江頭が狙う。
ボールの動く場所が,四日市大陣内になってきた。

後半38分。
(OUT)18近藤和哉 ⇔ (IN)16藤沢ネット

ネットが入りリンタロウと2トップになる。
このブラジル人コンビは連携も良く破壊力抜群。

前線に押し込むことが多くなり・・・。

後半44分。
左サイドから堀河のコーナーキック
中でこぼれたボールに鋭く反応したのは江頭一輝(20)。

ゴーーーーーーーーール!!!3-0


この試合の江頭は十分なパフォーマンスを発揮できなかった。
サポーターからも,江頭どうしたとの声が出ていた。
中盤の削りあいで体力を消耗し,自分のストロングポイントを活かせなかった。
でも,そこをグッと耐えて,ガマンの試合の中で決めたゴール。
辛い時こそ,厳しい時こそ,選手は成長する。
江頭,次の試合もガンバレ!

そして,ゴールを決めた江頭の頭をポンポンと叩く藤井。

さあ残り時間わずか!

集中しよう。

しかし,四日市大もただでは終わらない。

後半46分。
右サイドから四日市大のコーナーキック
一度クリアするものの,思い切り良くミドルシュート

誰かに当たった???
コースが変わった???
(逆サイドだったので,良く分からなかった)

そのシュートがゴールに入り失点。

3-1

無失点で抑えたかったが無念。

ここで試合終了。



両チームの選手のみなさん,チーム関係者のみなさん,そして大会スタッフのみなさん,お疲れさまでした。

たくさんの方が応援に来てくれました。
ありがとうございました。また次の試合もよろしくお願いします。
熊本サポーターさんをはじめ,たくさんの差し入れやお土産もいただきました。
サポーターみんなで試合後にいただきました。ありがとうございました。

今日の試合は,今シーズンで一番内容が良く無かったです。
グラウンドの問題はあるにしても,選手間のフォローやスペースの潰し方など,全体的にチームとして連動していませんでした。

しかーーーーし!

勝って次につながりました。
この試合の直すべき点,修正すべき点は,さらに鈴鹿アンリミテッドを強くします。
今日の苦戦は鈴鹿の血肉になります。

大きな目標に達するには,最後の一歩だけがんばってもダメです。
最後の一歩にたどり着くまで,一歩一歩を大切に。一試合一試合を大切に。

次の試合は,三重県選手権決勝です。
三重県の最強サッカーチームを決めます。

ただし,気負う必要はありません。

リラックスして。

自分を信じて。

心を整えて。

選手のみなさん,ゆっくり休んで次に備えてください。

くれぐれも交通事故には気をつけて。

ではまた。



(次戦=三重県サッカー選手権準決勝)
日時 : 4月9日(日)13時03分キックオフ
対戦相手: ヴィアティン三重
場所 : 四日市中央緑地公園
※NHK津で放送されるそうです。