VictoryCross

アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

東海リーグ第13戦目 対 FC刈谷

みなさんこんばんは。

ほぼ1年ぶりに,「あの感覚」が戻ってきました。
昨年の全社・地域CLで感じていた,どうしようもないプレッシャーと,逃げようのない不安です。
現在,十分に声を出して応援できなかった自分に対して,猛烈に怒りを感じています。



この感覚は・・・。
と思いながら夜が開ける。

今日の対戦相手は,FC刈谷(以下,刈谷と書きます)。
刈谷とは数々の死闘を闘ってきた。
悔しい敗戦の思いしか浮かんでこない。
みんな待ってろ!
刈谷に勝って優勝するぞ。

荷物が多いため,AGFまで2往復する。
あの感覚は,体から離れてくれない。
表情が作れない。
人の声が水の中で聞いているように感じる。

スクール生の前座試合が終わる。
ボランティアスタッフの準備を進める。

試合開始はまだか。
じっとしていられず,意味もなくあちこちを歩く。

試合開始はまだか。
早く楽になりたい。

お客さんが,たくさん入っているのが横目で見える。
ありがたい。
感謝。

自分に何度も何度も言い聞かせる。
いつもどおりしっかりと応援しよう。

いくぜ!

本日のスタメン(以後敬称略)
FW 18近藤和哉・7リンタロウ
MF 10堀河俊大・20江頭一輝・3藤田浩平・24伊藤竜二
DF 6冨士祐樹・8高野次郎・4藤井竜・13藏川洋平
GK 1曵地裕哉

試合開始。

鈴鹿のチャントに合わせて,スタンドから手拍子が起こっている。
良い雰囲気だ。

試合をコントロールするのは,左サイドハーフ「キャプテン」堀河俊大(10)。
この試合では,刈谷が少し引き気味のため,鈴鹿の2列目が積極的に仕掛けている。
藤田(3),江頭(20)のボランチから,堀河へパスが通る。
中に切れ込みスルーパスを狙い,サイドを追い越す冨士祐樹(6)を使い,そして自らも狙っている。
堀河のテクニックで良い位置でボールをキープできている。
良いところで存在感を出せる。
いいぞいいぞ!
イメージ 1


前半の序盤。
鈴鹿が深く攻め込むシーンが目立つ。
しかし,コーナーキックにはならず,刈谷ディフェンスに跳ね返されているので,鈴鹿フォワードには良い形で渡っていない。

サイドバックの「永遠の若手」藏川洋平(13)。
刈谷は比較的引いて守っているので,サイドバックがそれほど上がってこない。
それに対して,藏川はサイドを鋭く上がるのではなく,伊藤竜二(24)の後ろから丁寧に押し上げて行っている。
突っ込んで切り込む竜二(24)を後ろから支えるプレイ。
「ディフェンスからしっかり」を徹底している藏川。
そして竜二のフォローから,狙いすましたアーリークロス!!!
なんと言う高精度!!!
中で待つリンタロウの頭にドンピシャ!
刈谷ディフェンスのタックルで,枠を捉えることはできないが,さすが藏川というプレイを出してくる。
藏さん,頼みます!

サイドハーフは「ミラクルドラゴン」伊藤竜二(24)。
刈谷陣内深くに竜二が突入している。
前試合は,雨のため竜二の良さが出ていなかった。悔しい思いもしただろう。
この試合,相手にとって嫌なプレイをしている竜二。
ドリブル,パス,そしてヘディングシュート。
どちらを警戒しても,後出しなのに竜二が先手を取っている。
もう一歩,もうひとつ決定的なプレイをしたい。
しかし,刈谷も体を張って止めてくる。
竜二!奇跡を起こせ!
イメージ 2


試合は一進一退。
両チーム共にパスでディフェンスを崩せていない。
鈴鹿は高いクロス。
刈谷は早いスルーパスで攻めている。

センターバックの「飛竜乗雲」藤井竜(4)。
刈谷の早い攻めに対して,セーフティーに迷いの無いプレイを続ける藤井。
絶対的制空権は渡さず,そして怖いほど対人に強い。
刈谷はスピードのある攻めをする分,それほど波状攻撃につながっていない。
1つ1つのクリアーを大きく蹴り出す藤井。
鈴鹿の前線は強い。
大きなクリアーをものにするだけのパワーがある。
藤井,鈴鹿のゴールを頼むぞ!!!
イメージ 3


フォワードの1人は「蒼き炎」近藤和哉(18)。
刈谷ディフェンスは,常に4人そろっていて,スペースが狭い。
そのスペースにゴリゴリと突入する和哉。
高さで勝るリンタロウの落としたボールに,素早く寄せてゴールを狙う。
刈谷のディフェンスはゾーンが狭い。
シュートを打つ一瞬が作れない和哉。
まばたきする間があれば,和哉はゴールを奪える。
もう少し,もう少し,必ず刈谷のマークはずれる。
無限のスタミナが爆発するときを待て!
和哉,狙ってろ!来るぞ!!!
イメージ 4


がっぷり組み合った五分の試合。
どちらかというと鈴鹿が攻めているが,刈谷の1発がチラチラと見えている。
薄氷の上を歩くような緊張感。
一度ディフェンスが崩れれば,一気に持っていかれるような試合。

選手は良い試合をしている。
とても落ち着いている。
だけど1つのミスが怖い。

ボランチの「コンダクター」江頭一輝(20)。
この試合では基点が高く,堀河,竜二のサイドハーフがボールに良く絡んでいる。
そのため,江頭は攻撃参加というよりも,セカンドボールの奪取と,刈谷ショートカウンター対策で良いプレイを見せている。
取ってから切り替えが早い刈谷に対して,最初のアタックで厳しく行っている江頭。
江頭のチェックの速さで,鈴鹿のディフェンスが準備できる。
バランスを取る動き。ナイス!
江頭,ミスを狙っているぞ!!!気をつけろ!!!
イメージ 5


あっという間に試合時間が過ぎていく。
押す鈴鹿
守る刈谷

試合は白熱し,互いにファウルが多くなる。
堀河(10)のフリーキックから何度もチャンスを迎える。
たくさんの人がタオルをまわしてくれる。
鈴鹿ゴールをみんな待っている。

フォワードのもう1人「ER7」エフライン・リンタロウ(7)。
右サイド藏川のクロス。
左サイド冨士のクロス。
いずれも狙いはリンタロウ。
両サイドからの高精度クロスに対して,ヘディング,トラップ,ポストプレイでチャンスを狙う。
刈谷は中が硬く,サイドはある程度持たせてくれている。
ただ,最後のリンタロウのところは激戦地。
ここを何とか突破せねば。
リンタロウ!
体を張れ!!!
決めてヒーローになろうぜ!!!
イメージ 6


鈴鹿のセットプレイの数と同じくらい,刈谷にもセットプレイが生まれている。
まだ荒れるほどではないが,激しい試合になってきた。

前半45分。
鈴鹿の左サイドで与えたフリーキックに,刈谷の選手が合わせて失点。
0-1。

ギリギリ均衡を保っていた試合で,最も注意しなければならないセットプレイでの失点。

ここで前半終了。



疲れた・・・。
思わず座り込むナカニシ。

昨年の全社・地域CLのあの感覚が蘇る。

内容は完全に度外視して,とにかく徹底的に負けないサッカー。
相手のミスを狙っている。
リスクは犯さず,スペースは作らない。
カウンターとセットプレイを,これでもかと狙う。
先制したら引いて守って,少しのチャンスはカウンター。
刈谷はそんなサッカーをしている。

息苦しい試合になってきた。
前半で特にやられている感じはなかった。
セットプレイ1発での失点。
これは重い。
後半,刈谷は守ってカウンターを狙うだろう。
それが負けない試合であり,全国でよく見る試合だ。

ここを越えなくてはならない。
そんな状況でも勝ちに行かねばならない。

さあ,サポーターはどこまでも共に行こう。



後半開始。

刈谷は前半同様,引いてきている。
ただ,攻撃時には積極的に勝負をかけてくるので,鈴鹿も簡単に攻勢に出られない。
要所要所で上手く押されて,鈴鹿の攻撃がゴールに迫ることができない。

ゴールキーパー「俺たちのヒッキー」曵地裕哉(1)。
鈴鹿が徐々に上げている状況で,出端をくじくような刈谷の攻撃。
刈谷のヘディングシュートに対し,ギリギリのところでゴールを守る。
このまま0-1で終わる試合じゃない。
追加点を許さなければ,必ず追いつくことが出来る。
曵地!
俺たちのヒッキー!
ゴールを守ってくれ!!!

後半12分。
(OUT)24伊藤竜二 ⇔ (IN)22芦田成利
(OUT)18近藤和哉 ⇔ (IN)26パブロ

一気に攻撃的なポジション2枚を変えて,攻勢に出る鈴鹿

しかし!

後半15分。
刈谷が狙っていたカウンターで失点。
0-2。
ディフェンスの人数は足りていたりのだが,選手交代で,鈴鹿のバランスが崩れたスキを突いて失点。

サポーターの声が高くなる。
ピンチの時こそ,サポーターが応援しなきゃ。

カニシの声が止まりがちになる。
無意識のうちに,試合をジッと見てしまう。
自分の声が出ていないことに,ハッと気がつく。

何やってんだ!!!
カニシしっかりしろ!!!バカヤロー!!!

セントラルミッドフィルダーの「鈴鹿の心臓」藤田浩平(3)
刈谷がさらに引いてきたので,藤田と江頭のところで少しボールが持てるようになってきた。
ただ,クサビに入れるパスが入らない。刈谷のゴール前はパスコースを切られている。
藤田がパスコースを探す。
前線が得点を狙いすぎて,刈谷最終ラインに張り付いてしまい,足が止まっている。
堀河,芦田にボールを渡して,人を動かそうとするが,決定的なゲームメイクができない藤田。
藤田,必ずチャンスはあるぞ。
頼む!まず1点を。
イメージ 7


刈谷は中を徹底的に固めている。
サイドからクロスボールまではいけるが,中でぎゅうぎゅうになり,シュートが打てない。
試合は激しいタックルが続く。

後半21分。
刈谷の選手がレッドカードで退場。
10人となる。
しかし,このことにより,さらに守りに特化する刈谷

交代で入った「ロケットシューター」パブロ(26)。
ぎゅうぎゅう詰めの刈谷ゴール前でもがいているが,決定的なプレイにつながらない。
コースが切られているため,中盤からのパスも出ず,パブロのストロングポイントが使えていない。
イメージ 8


こちらも交代で入った「タイガーレフティ」芦田成利(22)。
そのスピードでサイドを深く攻略するが,ゴール前で良い形を作りきれない。

ジリジリと時間が過ぎる。

圧倒的に攻める鈴鹿
中をガッチリ守る刈谷
鈴鹿の決定機はなかなか生まれない。

センターバックの「ザ・ロック」高野次郎(8)。
パワープレイでフォワードの位置まで上がってきた高野。
リンタロウと共に前線でヘディングを競合う。
引いて守る刈谷に対して,スルーパスは通らない。
鈴鹿はクロスからの空中戦で勝負する。
次郎の後ろには藤田,江頭がミドルを狙っている。
堀河がこぼれたボールを狙っている。
芦田のシュートの照準は刈谷ゴール。
次郎!!!
競り勝ってくれ!!!
周りが待ってるぞ!!!
良いところに落としてくれ!!!
イメージ 9


鈴鹿の左サイドバック「左サイドのシェントルマン」冨士祐樹(6)が,セカンドボールを狙うため,サイドだけでなく,ボランチの位置まで進出している。
高野と冨士が前に出たため,その分,バランスを取るように藤田(3)が少し下がっている。
当たりにめっぽう強く,セットプレイ時の得点がチームで一番多い富士。
そのボールの出てくるところを読む目の経験地が高い。
そして・・・

後半41分。
ほぼ真ん中,刈谷ペナルティエリアすぐ外でパスを受ける冨士。
中に進出したサイドバックの冨士へのマークが遅れる。

一閃!!!
的を射抜くようなコントロールショットが,あれほど硬かった刈谷のゴールネットを揺らす。

ゴーーーーーーール!!!1-2


冨士祐樹のゴールでほぼ満員のスタンドが沸く。
おーーーーーーーーーーー!!!
走ってボールを戻すパブロ(26)

カニシのノド!!!
何チンタラしてんだ!!!
声を出せ!!!
魂を振り絞れ!!!

AT合わせて,残り約10分。
鈴鹿の大攻勢が始まる。

パブロ(26)が体でゴールに飛び込む。
リンタロウ(7)のシュートはサイドネット。
高野次郎(8)がヘディングで折り返す。
冨士祐樹(6)は前線に留まっている。

なんとか!!!
なんとか!!!

足が震えている。
奥歯が鳴る。
嫌だ。嫌だ。
負けたくない。負けたくない。

過去に刈谷に負けて,うなだれた選手達の姿が思い浮かぶ。

なんとか・
なんとか・・
なんとか・・・

そして試合終了。



両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさんお疲れさまでした。

全部書く自信がないので,失礼ながら省略しますが,この試合に関わった全てのみなさん,ありがとうございました。

試合後に,黙々と片づけをしました。
カニシの未熟なところです。
みなさんにきちんと話が出なくて,申し訳ありませんでした。

この試合前に,全社・地域CLの時の感覚が戻ってきました。
あの感覚を簡単に言うと,必死のサッカーに対する恐怖です。
そして,絶対に負けられないというプレッシャーへの恐怖です。

その恐怖に負けてしまったナカニシは,サポーターとして失格です。
この試合のナカニシは,応援に気持ちを込めることができず,負けることを怖がってばかりでした。
最低でした。
猛烈に反省です。

刈谷は,地域CLの対戦相手のような試合をしたと思います。
内容は度外視で,とにかく負けない試合です。
見ていてめまいがして,気持ち悪くなりました。
セットプレイで先制して,カウンターで追加点。
今の鈴鹿が負けるとすれば,確かにこのパターンだと思います。

刈谷に負けました。
それは鈴鹿が弱いからです。
ならば強くなるしかありません。

選手たちにお願いします。
この敗戦と,この悔しさを無駄にしないでください。

鈴鹿はこの敗戦から変わった」
鈴鹿刈谷に負けてさらに強くなった」

あとからそう言えるように,この敗戦を大きな糧としてください。

この敗戦は,大変幸運なことに,まだ取り返すことができます。

まだ何も終わっちゃいない。

まだ何も終わらせちゃいけない。

下向いてるヒマがあったら,次に勝つためのことを考えよう。

必ず勝つ。

もう負けない。

ではまた。



(次戦=東海リーグ第14戦目,最終戦
日時: 9月30日(土)15時00分キックオフ
対戦: 常葉大学浜松FC
場所: AGF陸上競技場(旧石垣池公園グラウンド)