VictoryCross

アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

JFL第24節 対 クリアソン新宿

みなさんこんばんは。

 

鈴鹿ポイントゲッターズのサポーターズクラブVictoryCrossは,2009年(平成21年)に,鈴鹿にチームができた時に作りました。

 

鈴鹿にJリーグを目指すサッカーチームができるよ」

 

サポーター活動をしたことが無かったナカニシに,こう言って教えてくれた人がいます。

この人は,暴れん坊だった若かりしナカニシに,公私にわたりご指導をいただいた師匠です。同じ会社なのですが,上司と言うより,先輩と言うより,師匠と言うのが一番しっくりきます。

ちなみに,VictoryCrossと言う名も,この師匠といっしょに考えました。

そして,今でも現在進行形で大変大変お世話になり続けています。

 

昔々のこのチームは,観客なんて全然いなくて,太鼓もチャントも横断幕もフラッグも全部「0」から手探りで始めていました。

Jを目指すと言っても,現実的には全然先が見えていない状況でした。

 

それでも,師匠とたくさん将来の夢を語り合いました。

師匠と語り合った夢のひとつが,国立競技場での試合でした。

国立競技場での試合,それは現実ではなく夢でした。

 

10月9日。

鈴鹿にいるはずの師匠と,国立のスタンドでバッタリ会いました。

(なんと,ナカニシを驚かすためにサプライズで来ていたらしい)

師匠。2人で語った夢が現実になりますよ。

 

そして・・・

三交の第3グラウンドでも,国立競技場でもナカニシは変わりません。

全身全霊全力で応援するだけです。

 

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試合前日に鈴鹿を出て東京に入る。

前日なのに緊張でノドの奥が詰まっている感じがする。

 

勝利への餓え。敗北の不安。

やっぱり眠れずに夜が開ける。

 

Nカメラマンを乗せて,早朝から国立競技場に入る。

まだ会場は準備の段階でほとんど人がいない。

寒い。思っていたより数段寒い。

 

国立競技場前のホープ軒と言うラーメン屋さんで朝ラーメンを食べる。

おそらく試合が終わるまで,ナカニシは物を食べられない。

(未だに緊張で吐き戻してしまうことがある)

早い段階で,暖かいものを食べて,コンディションを整える。

 

今日の対戦相手は,クリアソン新宿(以下,新宿と書きます)

鈴鹿でプレイしていた原広樹選手が過去に所属していたチーム。

 

昨年,激戦の関東リーグと地域CLを勝ちあがり,今年からJFLで戦っている。

不思議と順位は下位なのだが,前期にホームで対戦した際に,ナカニシの印象では上位にいてもおかしくない強いチームと感じた。

ホーム戦。国立開催。全てにおいて新宿のモチベーションはMAXだろう。

 

サポーターが集合する。

国立競技場に横断幕を掲出する。

広い。めちゃくちゃ広い。

横断幕掲出場所も十分に取れる。

 

入場時間となった。

大きな会場だけにいろいろな食い違いがあり・・・。

なかなか応援がし難い点もあって,サポーターの仲間には大変なご迷惑をかけた。

申し訳ない。

 

新宿の発表によれば,アウェイ席(ビジター)では立って応援できるはずが,ナカニシの後ろの方から「見えないので座ってください」と苦情が・・・。

やむを得ず,前半はコンコースの通路で見ることに。

 

集中,集中,集中。

 

鈴鹿ゴールキーパー陣が入って来た。

 

集中,集中,試合に集中。

 

さあ,俺たちの応援を胸を張って堂々とやろう。

 

いくぜ!

 

本日のスタメン(以後敬称略)

 

FW 19三宅海斗・39ヴィニシウス

MF 17中村健人・25前田柊・27日根野達海・40松木駿之介

DF 6上田駿斗・18佐藤和馬・4平出涼・20中村俊貴

GK 23岩脇力哉

 

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鈴鹿は4-4-2のフォーメーション。

新宿はおそらく3-4-2-1の形。

 

まず驚いたのはセンターバックの佐藤和馬(18)。

攻撃的な選手のはずが,CBで初スタメン。

この大舞台で予想外の采配。

しかし,知ってる人は知ってる。

最近の練習試合では,佐藤和馬がCBで凄く良いプレイをしていることを。

和馬!頼むぞ!

 

試合は,やや新宿ペースで始まる。

新宿はサイドを広くワイドに開いているので,大外に1人余ることが多い。

大きなサイドチェンジは無いが,一方向のサイドをグリグリと捻じ込んでくる。

 

サイドバックの,「鬼俊貴」,中村俊貴(20)

右から前にも出ていきたい俊貴だが,新宿の前への圧力が強く,なかなか攻撃参加ができない。

左の上田駿斗(6)のプレイが研ぎ澄まされた日本刀のようならば,俊貴のプレイは,鬼の金棒を振り回すようなプレイ。

圧倒的な力でねじ伏せるディフェンスで,今日も右サイドをしっかり抑えている。

しかし,ウイングバックが1枚サイドに余る新宿のフォーメーションだと,俊貴がプレスに行っても,サイドに数的不利を作られ交わされてしまう。

サイドハーフ松木(40)も下りて来て,右サイドはディフェンス中心に。

松木が低めのポジションなので,俊貴が中に入り,5バックのような形になっている鈴鹿

鈴鹿は立ち上がりでバタつくことがある。

これだけの大きな会場。慣れないグラウンド。

俊貴。今は無理せずしっかりと守ろう。

 

少し前の雨の影響か?国立競技場の芝は少し滑る様子。

グラウンドも柔らかそうで,ヴィニシウスのシュートも足が滑って打ちきれなかった。

 

2トップの1人。フォワードの,ヴィニシウス(39)

ダンスを踊るような独特のステップで新宿ディフェンスに仕掛けていく。

カニシはヴィニシウスのプレイをもっとポストプレイヤー的かと思っていたが,この試合では,ドリブル中心でボールを運んでいる。

ヴィニのドリブルは,頭を下げて突っ込むドリブルではなく,頭を上げて相手の動きを見て変化させていくドリブル。

良い意味で「クセ」のあるヴィニシウス(39)と,もっと良い意味で「クセの強い」三宅海斗(19)の2トップは,トリッキーで凄く守り難いと思う。

前半の序盤には,中村健人(17)→三宅海斗(19)→日根野達海(27)→そしてヴィニシウスの連携で新宿ディフェンスラインを切り裂く。

ヴィニシウスが新宿GKに倒されたように見えたが・・・笛は無し。

倒されたように見えたけど・・・残念。

ただ,パススピードの緩急と,それに走り出すヴィニシウスとのタイミングがドンピシャだった。

今シーズン途中加入だが,ヴィニシウスはしっかりと連携ができてきている。

得点の匂いがプンプンしている。

ヴィニ。ゴール決めてやろうぜ!

 

鈴鹿はヴィニシウス(39)と三宅海斗(19)の走り出しが効果的に効いている。

鈴鹿のサイドは新宿のサイドに押されて,あまり展開できていない。

 

新宿はワントップの長身FWが活躍している。

ヘディングでも足元でも上手い新宿フォワードを,どう止めるのかが鈴鹿のポイント。

 

センターバックの左,「zumaica」,「雑草魂」佐藤和馬(18)。

フォワードの和馬がセンターバックをすることに対して,やはり彼の心中は穏やかじゃなかっただろう。

それでも和馬はスタメンを確保し,センターバックとして国立に乗り込んできた。

そして・・・非常に安定したプレイを見せる和馬。

効いている。バリバリに効いている。

もともとコーチングが上手いため,まわりとの連係が抜群。

サッカーIQが高く,連携や駆け引きも上手い。

前節の東京武蔵野戦の前半であったような,ディフェンスがボールウォッチャーになる様子は無い。

周りも使い,自分も安定している。左足のフィードも正確。

さらに,真横から写真を撮っていたNカメラマンによると,和馬は誰よりも早くラインを上げてボランチをフォローし,誰よりも早く後ろに戻ってディフェンスの裏をカバーしていたたらしい。

和馬1人で前後左右にナイスな影響力を出す。DFに司令塔がいるみたいな感覚。

実際に,和馬サイドの鈴鹿の左は前半の攻撃の基点となっていた。

和馬から,サイドバックの上田駿斗(6)へ。

さらに,前線へのクサビのパスも鋭く冴えわたっていた。

効いている。効いているぞ!和馬!

ただ,新宿には長身のFWが高さで狙っている。ここを抑えられるかが心配。

が!しかし!ディフェンスは身長じゃない。

ドイツに,ローター・マテウスという選手がいた。

攻撃的MFからDFまでプレイし,W杯5度出場の名選手。身長は174㎝

イタリアに,ファビオ・カンナバーロという選手がいた。

DFとして欧州最優秀選手に選ばれた偉大な選手。身長は175㎝

鈴鹿に,佐藤和馬という選手がプレイしている。

サポーターに愛され,鈴鹿を愛するナイスな選手。身長は174㎝。

和馬。鈴鹿の和馬の凄い所を見せてやろうぜ!

やったるぞ!オラー!

 

鈴鹿は押されているがやられてはいない。

サイドに展開されているが,そこから中には切れ込ませてはおらず,中では鈴鹿ディフェンスがしっかりと数的有利を作っている。

例え撃たれても,シュートコースを切っているので直撃弾は無い。

 

ボランチの,「勇往邁進」,前田柊(25)

新宿の中盤は真ん中でゲームを作るというより,サイドに展開してクロスボールからの跳ね返りのセカンドボールを狙うような感じ。

そこでセカンドボールを奪われると,一気に鈴鹿のディフェンスが押し込まれてしまう。

今日も前田がセカンドボールに寄せる。疾風の寄せからのボール奪取で攻撃につなげる。

中盤の潰し屋として,新宿の攻撃を潰しているが・・・。

前田柊はそれだけじゃない。

ボールを奪ったとたんに,スイッチが切り替わり,猛烈な飛び出し。

前田(25)→ヴィニシウス(39)→前田(25)とつないで,ゴール前でシュート!

惜しくもゴールならなかったが,前田の風のような攻撃参加が,新宿のディフェンスを揺さぶっている。

前田。今日も良い仕事してるぞ。

中盤の穴を埋めてくれ。

そしてゴールも狙え!

 

新宿はサイドから徹底的に攻めてくるが,鈴鹿は中で対応できている。

鈴鹿の攻撃は,中村健人(17)三宅海斗(19),ヴィニシウス(39)の3人が中心。

この3人ならば個人技で局面を打開できる。

 

サイドバックの,「自由の翼」,上田駿斗(6)

センターバック左に入っている佐藤和馬(18)から,良い形でボールを受けている。

前半半ばを過ぎて,駿斗の特徴である大胆な攻撃参加が出て来た。

鈴鹿の選手は試合中に良く走り良く動くが,ナカニシは駿斗が一番走っているんじゃないかと思っている。

そして駿斗は,やっぱり楽しそうにプレイしている時のほうが,良い結果に結びつくタイプ。

この大舞台国立競技場で,とても楽しそうにプレイしている。

前半の終盤に,素早いリスタートで,三宅海斗(19)がスルーパス

走り込んできたのは左のディフェンスラインにいるはずの上田駿斗(6)!なんと!

ペナルティエリアに侵入して,角度は無いものの超至近距離でシュートを放つ。

新宿GKの超ファインセーブで得点にはならなかったが,サイドバックフォワードのように「その位置」にいると言うのは,駿斗の最大の強みだと重う。

駿斗!

人の考えたポジションにこだわるな。

駿斗は駿斗らしいプレイが一番。

自由に羽ばたこうぜ。

 

鈴鹿はチーム全体が,ヴィニシウス(39),三宅海斗(19),松木駿之介(40)の飛び出しを待っている。

日根野(27),前田(25),健人(17),和馬(18),らが動き出しをよく見て,ちょうどの場所に落としている。

この試合では,特に新宿ディフェンス裏を狙うボールの精度が高かった。

そして,鈴鹿の裏を狙う動きながらのプレイに対して,新宿は捕まえるのに苦慮しているように見える。

 

そして,新宿のサイド攻撃に対して,鈴鹿サイドハーフが下りて来て対応している。

松木(40)のポジションが低めなので,右が落ちて5バックに。

その分,松木はゴールとの距離が遠くなり,攻撃参加の回数も減ってしまっていた。

 

試合はわずかに新宿優位。

そして新宿の攻撃の方法は,サイド中心で変わりがない。

ここで変化をつけられていたら危なかったかもしれない。

 

ボランチの,「鈴鹿の未来」,日根野達海(27)

大学を卒業して鈴鹿に来た若い日根野が,国立の舞台に立っているのが嬉しい。

怪我明けで,プレイを見ていても怪我の個所を気にしているように見えた。

それでも,日根野のプレイは素晴らしい。

この試合の時に前半は,新宿ディフェンスの裏へのパスが効いていた。

鈴鹿のディフェンスから中盤を経由し,前線へ。

そのパスの筋がきちんと通っていた。

リンクする日根野は,遅いパスから早いパス。早いパスから遅いパスへと,スピードを変化させ,新宿ディフェンスの「間」を外し,鈴鹿攻撃陣のタイミングを合わせていた。

見事。見事としか言いようがない見事。

そして,ディフェンス時には,新宿の攻撃を1歩遅らせれれば,鈴鹿はディフェンスの準備ができる。

その1歩を稼ぐためのディフェンスを,日根野(27)と前田(25)がしっかりしている。

なので,この試合,鈴鹿はボールをロストしても決定的なショートカウンターは受けていないかった。

日根野。良いよ良いよ。

この大舞台で,全く動じていない。

鈴鹿の中盤を頼むぜ。

 

センターバックの,「カバーリンガー」,平出涼(4)

前半は,どちらかと言うと新宿に押されている展開。

サイドから徹底的に攻める新宿に対して,クリアボールがコーナーキックとなることも多い。

コーナーキックは圧倒的に新宿のほうが多いと思う。

鈴鹿のディフェンスを統率し,最後の最後でシュートコースを切る平出。

平出はそんなに身長が高い訳では無いが,スタンドで見ているととても高く見える。

新宿のワントップの選手は身長も高く足元も上手い。

高さだけじゃなく,ここからのショートスルーパスが一番怖い。

全てを見切って,ディフェンスに全振りしている平出。

本当のフルバックとして,ゴールキーパーの前に陣取る。

鈴鹿は押されている。

それでも直撃弾はない。

それでもディフェンスラインを高く保てと指示している。

平出。頼むぞ。

 

前半の終盤。

サイドから中に入って来た「マエストロ」中村健人(17)

なんと!

ここで意表を突くループシュート

うわっ!

新宿ゴールキーパーが体を伸ばしてわずかに触り,ゴールならず。

惜しい!!!

 

さらに,三宅海斗(19)から,ヴィニシウス(39)へスルーパス

絶妙!

ヴィニシウスが独特の大股ステップで新宿ディフェンスを1人交わし,左サイドから右足で巻くシュート!

これも新宿ゴールキーパーのファインセーブでゴールならず。

惜しい!!!!!

 

前半は新宿に押される場面もあったが,決して鈴鹿らしさが出せていなかった訳ではなかった。悪くない。立派に戦えている。

 

しかし,失点してしまう雰囲気もある。

今の攻撃に対しては,鈴鹿ディフェンスは対応できている。

ただ,新宿が選手交代でリズムを変えてきた時に,鈴鹿が対応できるかが問題。

やはり新宿は強い。

まだ,どうなるか全くわからない展開

 

ここで前半終了。

 

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凄い数のお客さんが入っている。

声出しはできないが,プレイごとに地響きのような人の歓声が聞こえている。

「ワー」というより,「ゴワンーーー」と言う波のような響く感じの音がする。

当然,新宿の攻撃チャンス時に歓声が大きい。

ただ,鈴鹿も負けてはいられない。

アウェイ側応援席から手拍子で選手たちの背中を押す。

 

ハーフタイムには,ナカニシは控え選手の動きを見ていることが多い。

しかし,このハーフタイムにはとんでもないことが起きていた。

 

JFL昇格の時のレジェンドである,

芦田成利(2016-2019),小西洋平(2016-2019),泉宗太郎(2016-2019),キローラン木鈴(2018-2020)

そして鈴鹿の初期のメンバーで2012年の地域決勝進出の土台を作った

中川宏太郎(2011-2012),西田健吾(2011)

※敬称略

 

たくさんの元所属選手が試合を見に来てくれていた。

(発見したのが彼らだけで,もっと来ていたのかもしれない)

みんな元気そうで何より。

 

早速見つかって,大量の鈴鹿サポーターに囲まれる元選手達。

チーム名が変わろうとも,株主が変わろうとも,スポンサーが変わろうとも,君たちが鈴鹿で血と汗を流したことをサポーターは絶対に覚えている。

そして,みんなの残した想いは全部サポーターが預かっている。

改めて,試合を見に来てくれてありがとう。

鈴鹿で戦った選手たちの前途に幸多きことを祈っています。

そして,キローラン木鈴選手!全社頑張ってください。

 

業務連絡

こそっと来て,こそっと帰ったと噂の恥ずかしがり屋の選手は,また,試合を見に来たら少しで良いのでサポーターに顔を見せてください。

 

コンコースでの立見は禁止とのことで,前半終わりに注意されていたので,後半開始前にアウェイ(ビジター応援席)の自席に戻る。

だけど,こちらでもナカニシの後ろに普通の家族連れの家族がいて(この席は立って良いはずなのだけど)後ろの子どもが見えないそうで立ち上がれない。

うーん。困った。

カニシは普段は試合中ずっと立ってるので変な感じがする。

 

いやいや。いやいや。

集中。集中。

そして,珍しく座って試合を応援。

 

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後半開始。

 

試合開始時に鈴鹿か変化してきた。

 

センターバックの,佐藤和馬(18)と平出涼(4)の位置が変わっている。

前半あまり攻め込めなかった右からの攻撃を活性化させるためか?

2トップの1人,ヴィニシウス(39)が左サイドハーフ

三宅海斗(19)がワントップ。中村健人(17)がトップ下の4-2-3-1へ変化。

これで,ヴィニシウス(39),三宅海斗(19),松木駿之介(40)が3本の矢となり,それを放つのが超一流の射手中村健人(17)と言う形となった。

 

後半開始から押し込む鈴鹿

ワントップで無限のスペースをもらった三宅海斗(19)が躍動する。

 

ワントップの「誰よりも自由」,「ネコ好きの天才」,三宅海斗(19)

ネコ好きの天才は,高校選手権以来の国立だと思う。

何となく高校生の時の海斗と,今の海斗は中身が変わっていないんじゃないかと思う。

海斗の根本はネコのような感じがする。その部分を上手に変えていけるタイプじゃない。

海斗は自分が気持ちよくやれるサッカーを探していたように思う。

それが鈴鹿だったのかどうなのかは,まだ分からない(でもそうであって欲しい)。

ただ,海斗の大活躍は,海斗の創造的な天才の部分を,ある意味自由にプレイさせたからこそ生まれていると思う。

そして,この試合の後半,その海斗をもっともよく知る選手である中村健人(17)から,バシバシ良いボールが出ている。

目をつぶっていても,健人から海斗へはパスが通る。たぶん。

後半,ドリブルでドンドン仕掛ける三宅海斗。

後半序盤には新宿ゴール前でフリーキックを獲得。

蹴るのは盟友,中村健人(17)。高校選手権伝説のフリーキッカー。

健人のフリーキックは惜しくも枠を捕らえられなかったが,健人と海斗が楽しそうに国立でプレイしていると思うと,ナカニシはなんか嬉しくなる。

海斗。楽しいことを自由に追い求めよう。

そして,サッカーで最高に楽しいのは,勝った時だ。

勝つぞ!海斗!

 

後半は鈴鹿ペースで試合が進む。

前半の2トップより,攻撃時にサイドハーフが上がる4-2-3-1のほうが攻撃の手数が多い。

そして,鈴鹿サイドハーフにはそれだけの運動量がある。

 

しかし,鈴鹿が攻めるということは新宿のカウンターのチャンスが増えるということ。

しかーし!

鈴鹿の中盤,日根野(27),前田(25)に穴は無い。

新宿のカウンターを,さらにカウンター返し。

松木駿之介(40)から,三宅海斗(19)にスルーパス

三宅海斗のシュートは,ほんのわずかにゴールを逸れる。

タイミング的にはゴールでもおかしくなかった。

惜しい!

 

サイドハーフ,「キャノンボール松木駿之介(40)

後半,鈴鹿の攻撃が活性化したのは,松木の位置が上がって来たからだと思う。

フトコロが広くボールを失わない松木は,タメを作れるので,まわりの攻撃参加が活性化する。さすが松木,影響力が大きい。

そして・・・

後半16分。

鈴鹿のボールが中村健人(17)に渡る。

新宿のディフェンスは,2人が三宅海斗(19)のマークに付く。

右から斜めに松木も中に入ってきている。

健人(17)の超々高精度のパスが松木(40)へ!

松木に新宿ディフェンスが引っ張られた途端に,胸で三宅海斗(19)に落とす!なんと!

三宅海斗が迷い無く左足を振り抜く!

それすら弾く新宿ゴールキーパー

そして・・・そこに・・・松木が詰めている。

最後の最後まで走り切った松木の前にボールは転がって来た。

走り続けた松木

止まらなかった松木

そんな選手の前に,ボールは必ず転がって来る。

1000回の無駄走りを続けた松木の前に,1001回目のボールが転がって来る。

走り続けて,戦い続けた松木だからこそ,それを決めることができる。

松木は慌てて蹴り込まない。

1/60秒の間。

松木は静かにゴールに蹴り込む!

ゴーーーーーーール!!!1-0

国立は歓声で揺れたと思うが,ナカニシの耳には何も聞えなかった。

よっしゃ。よっしゃと腕を振り続けて,やはり立ち上がらないとどうしようもなく,立てない自席を離れて階段を駆け上る。

コンコースで無言のガッツポーズ。

よっしゃ。松木!よっしゃーーー!

 

試合は鈴鹿がリード。

しかし,やることは変わらない。

守りに入ったら,前節にようにやられてしまう。

 

給水タイム後に選手交代。

 

後半23分。

(OUT)18佐藤和馬 ⇔ (IN)29坂本広大

(OUT)39ヴィニシウス ⇔ (IN)21山内健史

 

ここで鈴鹿は3-4-2-1にフォーメーションを変更。

実質的には5-4-1。

そして,新宿のクロスボールに対応するため,高身長を中に並べる。

さらに,新宿と同じウイングを配置しサイドへの圧力を増す。

そして,前節,東京武蔵野戦と異なり,カウンターの切り札,三宅海斗(19)を残し,さらに「爆走少年」山内健史(21)を入れる。

 

ディフェンスしながら,十分に点を取れる形をとり,新宿の押し上げを最小限にとどめる。

 

代わってすぐの右のウイングバック,坂本広大(29)

スルスルスルっと上がって行って,あれよあれよの間にシュートに持ち込む。

出場直後だったため,広大は芝の状態が把握できておらず,芝に足を取られて滑ってしまう。

そうそう,ウイングバックが下がりっぱなしだと,ずっと押しこまれてしまう。

最大のディフェンスとは,ボールを支配し,攻めている状態だ。

 

守りに入るのは早い。

何か変えるのは早い。

新宿の圧力はさらに増している。

攻め続けろ。

 

交代で入った山内健史(21)が,期待通りの猛烈ダッシュで左サイドを深く進入する。

疲れの出てくる後半に,山内のスピードに付いて来られる選手はまずいない。

鈴鹿は裏へ裏へ丁寧に出している。

 

トップ下にいる,「テクニックモンスター」,中村健人(17)

守りに入りがちな場面ても,健人の目は前を見ている。

三宅海斗(19)のダッシュ,山内健史(21)の裏への抜け出し,松木駿之介(40)の爆走。

全て健人には見えている。

健人はテクニックだけなら,ひょっとしてもっと上手い人がいるかもしれない。

しかし,健人の視野の広さと,まわりを使うカンと言うのは,健人の特殊なスキルだと思う。

鈴鹿のチャンスには,ほぼ健人が絡んでいる。

カウンターを狙うには,決め手だけじゃなく,出し手も重要。

さあ健人。

勝負所だ。

しっかり決めてやろうぜ!

 

熾烈な戦い。

さらに体のぶつかり合いが激しくなってきた。

 

激しい接触の際,日根野達海(27)がイエローカード

日根野は怪我明けのため,すぐに交代となる。

 

後半31分。

(OUT)27日根野達海 ⇔ (IN)11三浦知良

 

カズの出場で湧き上がるスタジアム。

大喜びのホーム新宿のみなさん。

 

鈴鹿は守りに入らない。

山内健史(21)が「もっと走らせろ」とボールを欲しがっている。

三宅海斗(19)が「オレに出せと」と斜めに走る。

 

ディフェンス時の接触で前田柊(25)が負傷。

すぐに「×」が出る。

なんと,このタイミングで前田の離脱は厳しい。バランスが崩れてしまう。

日根野(27)も既に代わっているので,チームの中心であるボランチが2人とも交代してしまった。

前田。大丈夫か?

 

後半35分

(OUT)25前田柊 ⇔ (IN)7中里崇宏

(OUT)40松木駿之介 ⇔ (IN)13キムテウ

 

こんな時にものすごく頼りになる中里(7)が入る。

中里なら大丈夫。

しっかり試合に入ってバランスを取ってくれる。

そして,センターバックにキム(13)が入る。

新宿の攻撃はクロスボールからの中での競り合い。

それは試合序盤から終盤まで変わらなかった。

そこでのキムの投入。

高さ,強さ,競り合いならばキムの上を行く人類はなかなかいない。

キム。頼むぞ。

 

新宿は深く進入するのではなく,サイドからアーリークロス気味に斜めにボールを入れてくる。

鈴鹿ディフェンスとゴールキーパーの間の嫌な位置。

鈴鹿ディフェンスは自陣ゴールに向かっての守備をせねばならない。

 

鈴鹿ゴールキーパー,岩脇「ファイヤー」力哉(23)

サポーターから逆サイドに力哉の守る鈴鹿ゴールがある。

それでも力哉の炎の闘志を感じることができる。

吠える。力哉の雄たけびが国立にこだまする。

一瞬の気も抜けない時間帯。

それでも力哉は要所で水を飲む。

誰よりも熱い男。そして頭は誰よりもクール。

新宿のサイド攻撃から,力哉の飛び出しにくい位置に,早いボールがどんどん入って来る。

仲間の位置,シュートブロック,飛び込んでくる新宿の選手。

力哉には全部見えている。

俺が止めれば勝つ。

俺が止めなきゃ負ける。

力哉の土俵際の根性が爆発する。

カニシは祈るばかり。

力哉。頼む。勝とう。勝たせてくれ。

 

キム(13)の投入はバッチリ当たっている。

高さでとにかく大きく跳ね返す。

 

残り時間わずか。

鈴鹿は少し守りに入った。

中里(7)が中盤の底で,新宿を自由にさせていない。

 

鈴鹿は三宅海斗(19)が前線に残っている。

いつでもカウンターが発動する。

 

残り時間なし。

アディショナルタイム5分。

 

鈴鹿のディフェンスは整っているし,押し上げられている。

この時間帯に5人のディフェンスがそろってラインを上げてオフサイドを取っている。

ラインコントロールやるじゃん。

この「間」が一息つかせてくれる。

 

新宿が遠目からでもシュートを放つ。

しかし,シュートコースは切れている。枠には飛んでいない。

大丈夫。

 

コンコースで祈るナカニシ。

ヒザをついて,祈り続ける。頼む頼む。

右側では別のサポーターが手を握りしめて祈っている。

三浦監督がベンチ前で両手をグルグル回している。

みんな勝ちたい。

笑って帰りたい。

そしてそれは新宿の選手も同じ。

 

鈴鹿は新宿陣内でフリーキックを獲得。

キッカーは中里崇宏(7)

中里のキックは,遠いサイドで待つキムテウ(13)の頭に合わせる。

キムの大ジャンプでのヘディングシュート!高い!

しかし,惜しくも新宿ゴールキーパーにキャッチされる。

惜しいぞキム!

 

そして,5分経過。

審判がいつ笛を吹いてもおかしくない。

 

その時。

三宅海斗(19)からカウンター発動。

海斗から大きく逆サイドへ展開。

逆サイドにはドンピシャのタイミングで中村健人(17)が走っている。

新宿ディフェンスが3人寄せて来る。

中に走っているのはカズ(11)。

健人からのパスは,惜しくもカズに通らない。

 

鈴鹿は守り切るのではなく,最後まで狙い続けた。

前節とは違う。

俺たちはまた強くなった。

よし!

 

ここで試合終了。

 

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両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさんお疲れさまでした。

国立競技場を会場として段取りいただいたクリアソン新宿のみなさん,この試合に関わった全てのみなさんに感謝します。

 

16,218人の観客はJFL記録らしいです。

そんな記録を国立競技場で達成できたことが嬉しいです。

そしてその記録的な試合に勝ったのは,鈴鹿ポイントゲッターズです。

 

試合後に選手がサポーターのところへ来てくれました。

岩脇力哉選手(23)が負傷した前田柊選手(25)をおんぶしてきました。

みんなでこの勝利を喜ぼうということだと思います。

力哉・・・惚れてまうやろ。

みんなで万歳しました(カメラマンも)。

最高の最高でした。

国立競技場で,「鈴鹿」と名を持つチームが戦ったのは,未確認ですが初めてなんじゃないかなと思います。

そんな中で,選手たちは立派に戦ってくれました。

彼らと共に戦い,彼らを応援することができて最高の気分です。

 

ハーフタイムにも書きましたが,たくさんの元鈴鹿の選手達が来てくれました。

サッカーが人と人とを繋いでくれます。

みんな元気そうで何よりです。

また会いましょう。そして君たちの前途に幸多きことを祈っています。

 

たくさん差し入れのお菓子をいただきました。

サポーターみんなで「勝ち菓子」を食べました。

ありがとうございました。

 

さて,この試合のナカニシ的MVP,VictoryCross賞は・・・。

東京からの帰路。約6時間考え続けました。

みんな良かった。みんな頑張った。

カニシは,それでもやっぱり得点を決めた松木駿之介選手(40)に送りたいと思います。

松木選手。ナイスシュート。

最高でした。

また次の試合も頼みます。

 

ブログ冒頭に書いたナカニシの師匠は,ナカニシの万歳する姿を見てから帰路についたそうです。

師匠。ひとつ夢がかないましたね。

また次の夢に向けて,明日からご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。

 

試合が終わって1日が経過しましたが,ナカニシはまだ嬉しいです。

嬉しさのあまり,松木の1/60秒ためるシュートを練習しています。

 

でも,次の試合は目の前です。

勝った試合も,負けた試合も,終わった後に考えることは同じです。

次!次だ!

次の試合に向けてファイヤー!

 

さあ行こうぜ,明日めざし。

 

ではまた。

 

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(今後の試合)

JFL第25節 10月16日(日)13:00 対 MIOびわこ滋賀@三交スポーツの杜鈴鹿

JFL第26節 10月23日(日)13:00 対 奈良クラブ@ロートフィールド奈良

JFL第27節 10月30日(日)13:00 対 ティアモ枚方たまゆら陸上競技

 

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