VictoryCross

アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

JFL第24節 対 ミネベアミツミFC

みなさん、こんにちは。

 

鈴鹿の試合の写真を撮っているNカメラマンというカメラマン?がいます。

最近サポーターになった方は知らない人もいるかと思いますが、彼はオフィシャルカメラマンでありながら、中身は普通のサポーターです。

 

2009年に鈴鹿にチームができた際にフロントの人手が足りず、

「サポーターで誰か写真を撮ってくれる人いませんか?」

と、頼まれてから、ずっとボランティアで撮影しています。

なので、報酬、旅費、交通費など、全て無償でチームに協力しています。

ちなみに、ナカニシとのリアルな関係は、会社の直の後輩です。

 

得点が入ると興奮してガッツポーズしたり、勝利すると自分も万歳していますが、心は純粋なサポーターなので、ナカニシは仕方が無いと思っています。

 

そのNカメラマンが、とても楽しみにしていた宮崎遠征に不参加でした。

病による発熱がおさまらず、ギリギリまで強行しようとしていましたが、無念の断念でした。

 

Nカメラマン!

勝利するからYouTube見とけよ!

お土産は勝ち点3だ!

 

※上記の通り、Nカメラマンがいませんので、ブログに使う写真は、オオヤマ班長をはじめ、現地のサポーターの仲間から頂きました。

みなさん、写真の協力ありがとうございました。

 

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試合の朝。

 

Nカメラマン不在のため、少し問題が発生している。

 

カニシは飛行機の切符?を取ったことが無く、1人で飛行機に乗ったことも無い。

全てNカメラマンが手配してくれて、それに付いて行っている。

(新幹線などの鉄道は自分でできる)

 

病のNカメラマンから、メールで飛行機のバーコードが送られてきた。

これだけで飛行機に乗れるらしい。不思議。

切符というのは全然無いらしい。

ソラシドエアが実はANAって、実は全然理解していなかった。

 

飛行機の飛ぶ2時間前にはセントレア着。

遅れると怖いので、とにかく金属探知機の所へすぐに行く。

通過する時、「これダメですよ」と言われないかドキドキ。

・・・

スマートフォンの画面のQRコードをピッとしたらあっさり入れた。

切符も無いのに、なんとなく不思議。

 

宮崎空港着。

Nカメラマンとレンタカー予定だったが、1人だとタクシーの方が簡単なのでレンタカーはキャンセル。

ところが、空港前にタクシーが全然無い。

交通案内の人に聞いたら、ちょうどバスの来る時間なので、試合会場まで路線バスで行けるらしい(とても親切な案内の方だった)。

 

バスに乗車。

試合会場の生目の杜に向かう。

 

今日の対戦相手は、ミネベアミツミFC(以下、ミネベアと書きます)

ホンダロックが、親会社の変更で名称変更したチーム。

実は、鈴鹿ホンダロック時代から相性が悪い。

堅守のチームで、フィジカルの強さと高さの優位を活かしたセットプレイが脅威なチーム。

実際に、前期はコーナーキックからのこぼれ球から失点し、0-1で敗戦している。

 

宮崎は雨。

風も強い。

気温も低い。

 

グラウンドコンディションは最悪の状態。

どう考えてもロースコアの展開となるだろう。

 

試合開始40分前に会場到着。

バスを降りてから、一瞬でずぶ濡れになる。

 

カニシは、試合中に傘やカッパを着ない。

なるべく選手と同じ状態で試合をしたいと思っている。

選手と一緒にユニフォームで濡れたいと思っていたが、それでも上着を脱げないほどの寒さ。

(ナカニシはクレイジーなのと、特殊な訓練を受けていますので、マネしないでください。)

 

試合会場は雨が溜まっている。

 

宮崎日南学園高校の生徒さんたちが、試合前に少しでも水を吐き出そうと頑張ってくれている。

チームスタッフの方も、ベンチ内の椅子を試合開始ギリギリまで拭いてくれている。

悪天候の中、試合運営ありがとうございます。

 

カニシの着ているユニフォームが濡れてベッタリと体に張り付く。

風が吹いているので、体感温度が猛烈に寒い。

 

選手たちのアップが終わる。

 

雨と寒さ。

最悪のグラウンドコンディション。

 

だからどうした?

選手が戦うならば、俺たちは共に戦うだけだ。

そのために(ひとりで飛行機に乗って)この場所へ来た。

 

今が刃を抜く時だ!

勝つぞ!!!

 

いくぜ!

 

本日のスタメン(以後敬称略)

FW 10中村健人・7三宅海斗・28三好辰典

MF 14鈴木翔太・6小野寺亮太・16有馬和希・25藤山恭輔

DF 24山下宇一・5平出涼・2中村俊貴

GK 1阿波加俊太

 

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試合開始。

 

鈴鹿ミネベア共に3-4-3のフォーメーション。

 

YouTubeで見ると、光っているところだけ水溜りのように見えるが、グラウンドは全面が全て水に浸っている。

簡単に言うと、5㎝だけ水を張ったプールでサッカーをしているような感じ。

 

開始してすぐに分かる。

これは・・・普通のサッカーにはならない。

ボールはピタッと止まる。

足元は滑り倒す。

水に浸かった状態のボールを蹴るため、ロングボールが蹴れない。

 

選手たちは勝利のために走っている。

彼らが全力を尽くすことに変わりはない。

サポーターも声を出して、全力の応援をするだけだ。

 

この試合の先陣を切ったのは、オレ!ミ・ヨ・シ・タ・ツ・ノ・リ!

フォワードの、「刃の心」、三好辰典(28)

試合開始直後、三宅海斗(7)が少しボールを浮かせて、ミネベアディフェンスの裏にボールを放り込む。

ミネベアディフェンスラインで狙っていた三好が抜け出す。

同じディフェンスラインから動き出せば、三好の方が絶対に早い。

ミネベアディフェンス2人を交わし、良い位置で完璧にボールを受けてシュートを放つが、大きな水飛沫と共にシュートが止まってしまう。

なんと!こんなにゴール前も水が溜まっているのか!

この試合、ドリブルとシュートを狙う三好にはとてもやり難いコンディションだった。

それでもフォワードはゴールに向かい続ける。

刃の心、炎の心、フォワードに欠かせない強い心を凝縮したような選手。それが三好。

何度もサポーターが三好のチャントを歌う。

三好。大変なコンディションだけど、がんばれ。

 

試合はボールが止まりまくる展開。

ボールの無い所でも、選手が足を滑らせて転倒する。

 

フォワードの左、「キャプテン」中村健人(10)

テクニシャンにとって、足元の悪いグラウンドは不利なのでは・・・。

いやいや違う。健人はそんじょそこらのテクニシャンじゃない。

コンディションの悪いグラウンドだからこそ、健人のテクニックが光る。

少し浮かせてロングボールを相手ティフェンスの裏に落とす。

浮き球を受けて、精度の高いボールを、また浮き球で供給する。

上手い。目立っている。さすが。

さらに、中盤でのボールの奪い合いにも、体をねじ込んでボールを確保している。

誰もがボールの扱いに困る状態。ボールは全く転がらない。

浮き球でスルーパスを出す健人。

カニシは健人のプレイに何度もつぶやいた「上手い・・・」。

健人。この試合頼むぞ。

 

グラウンドは全て水に浸かっている。

ボールは一切転がらない。

ショートパスとドリブルの無いサッカーになった。

 

両チーム共に、ロングボールを放り込んで、ディフェンスのミスを誘い、それを押しこもうとしている。

というか、それしかできない。

しかし、ペナルティエリア内も水が浸かっているので、ショートもまともに打てない。

 

サイドバックの、「モンテくん」、藤山恭輔(25)

雨と泥にまみれたグラウンドで、恭輔がサイドで粘る。

この試合のポイントはセットプレイ。コーナーキックは与えたく無い。

体を張って、押し相撲のように、ミネベアの攻撃陣とボールを奪い合う。

この試合ではバックパスは全く無い。パス自体が不可能。

恭輔は、なるべくシンプルに、はっきりしたプレイで前線に蹴り出す。

そして、鈴鹿ボールでのコーナーキックでは、こぼれたボールを思い切ってシュート!惜しい!

最悪のコンディション。選手たちもキツイだろう。

そんな中で、恭輔の持ち前の明るさや、サッカーを楽しむ気持ちが、チームを救ってくれるような気がする。

恭輔。恭輔には笑顔が似合う。

笑って帰ろうぜ。

 

試合は膠着している。

カニシの見た感じ、両チーム共にシュートはほとんどない。

 

となると、セットプレイが大事。というかセットプレイしか点の入る感じがしない。

ミネベアホンダロック時代から、セットプレイが強い。

ミネベアの強力なフィジカルと、高い身長を使ったセットプレイは脅威。

 

鈴鹿もそれは分かっていて、鈴鹿陣内深く侵入させるのではなく、前に出て、前向きに迎撃しようとしている。

オープンスペースを狙ったミネベアのロングボールに対して、平出(5)が果敢に前に出てスライディング。ザーッと水飛沫をあげて滑っていくが、、ボールを蹴り出したのにイエローカード

ナイスなスライディングと思ったのだが・・・。

 

左のウイングバック、「リトルマジシャン」、鈴木翔太(14)

全くドリブルできないグラウンドコンディションの中で、なぜかドリブルで持ち上がれるのは鈴木翔太

さすがマジシャン。ボールが水に浸からず、少し浮いているかのようだ。

三宅海斗(7)からの浮き球のパスを、鈴木翔太(14)が受けて、さらに裏に飛び出す三宅海斗(7)に出す。

全てのパスを少し浮かせながら、連続してプレイする超絶テクニック。

鈴鹿は左サイドへ良い形で展開するものの、そこからゴール前に持っていくのが難しい。

翔太のクロスボールは、ミネベアディフェンスの高い壁に阻まれてしまう。

後方からのロングボールに対して、翔太が突っ込んでいくが、やはりボールが止まりがちで、突破ができない。

我慢のプレイが続く。

翔太!ガンバレ!

 

試合は一進一退。

ただ、ロングボールの回数と、ファウルを受ける回数がミネベアの方が多く、わずかにミネベア有利に見える。

 

左のサイドバック、「山下一番」、山下宇一(24)

圧倒的な圧力でロングボールに突入してくるミネベア攻撃陣。

ファウルは与えたく無い。もちろんPKも厳禁。

そんな中で、山下が上手いディフェンスを見せる。

ボールを長く保持させれば、水で止まってミネベアにミスが出る。

山下は、無理に取りに行かず、相手をサイドに押し出していく。

さらに、浮き球の処理が上手く、前方の中村健人(10)に、浮き球でパスを出したりしている。

泥臭く、体を張ったディフェンスのできる山下だが、実はテクニシャン。

こんなコンディションでも、山下の足元に一切の不安なし。

山下。良いぞ良いぞ。今日も良いぞ。

 

鈴鹿は少し押されている。

押されているというより、ボールを放りこまれて、突っ込まれている。

 

前半の終盤となり、選手たちの消耗が激しい。

そりゃそうだろう。

足元は滑りまくる。

ボールは転がらない。

そんな中で一瞬のスキも許されない。

鈴鹿の選手たちは良く集中している。

立派に戦っている。

 

ボランチの、「大先生」、有馬和希(16)

有馬はチームに独特のリズムを作ってくれる唯一無二の選手なのだが、この試合の中盤は、まさに潰し合いになった。

ゲームを作るパスや、大きなサイドチェンジのような展開ができない。ドリブルも不可能。

そうすると、中盤からミドルシュートを狙ってくる。

その華麗な技術を見せるというより、セカンドボールに対して体を張って止めに行くプレイが多い。

とにかく有馬の良い所が出せない。やりにくそう。

良い感じのアクセントやリズムというより、力で押し合いをする相撲のような試合。

有馬。ちょっと我慢のプレイが続くけど、セカンドボールをやられちゃダメだ。

頼む。粘れ。頑張っってくれ。

 

やはり、選手の消耗が激しい。

何をするにも気を使うコンディション。

ラストパスは少し浮かせたボール。

三好(28)や海斗(7)が相手ゴール前に行っても、シュートは水で遮られる。

両チーム共に、極端にシュートが少ない。

 

寒い。

芯まで濡れ切った体に風が当たると寒い。

チャントを歌うナカニシの唇が震える。歯がカタカタと鳴る。

寒い。

寒い。

 

それでも選手たちからは熱い炎が吹きあがっている。

中村俊貴(2)が檄を飛ばす。

阿波加俊太(1)が大きな声で仲間を鼓舞する。

選手たちは勝利のために前を向いている。

 

寒いなんて言っている場合じゃない。

サポーターもがんばらねば。

 

ミネベアはロングシュートも打ってくる。

とにかく打てば、何かが起きるかもしれない。

そんな感じのシュート。

 

鈴鹿は3バックの、中村俊貴(2)、平出涼(5)、山下宇一(24)の集中が良い。

対応もフレキシブルで、何試合がこの3人で組んでいたためか連携もマークの受け渡しも問題ない。

良く集中して、良く反応している。大丈夫!

前半はミネベアにわずかに押され気味だったが、鈴鹿のディフェンス陣は決定的な場面を一度も作らせなかった。

鈴鹿も決定機は作れてないけど・・・。

 

前半の終盤。

鈴鹿陣内のペナルティエリア少し外で、ファウルをしてしまう。

フリーキックの前に、ミネベアの選手がボールのポジションの手で水をかき出す。

それほどまでにキックの際に水が邪魔をする。

 

さらに前半の最終盤。

三宅海斗(7)がボールを受けて、ミネベア陣内を強引に運ぶ。

相手に引っ掛けられ転がるが、すぐに立ち上がって、前に進む。

突進突進!海斗の勝利への突進。

海斗の熱いプレイがチームを引っ張る。

 

ここで前半終了。

 

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ハーフタイム。

 

濡れた衣服がべったりと体に張り付いている。

寒すぎて、スタンドから避難。

トイレが一番暖かいので、少し休憩。

自動販売機に温かい飲み物は無し。残念。

 

まだ雨は強く降っている。

この試合、点が入らないかもしれない・・・と思えてきた。

スコアレスドローの可能性もある。

それほど雨でグラウンドが悪い。

どちらに転んでもロースコアの戦いになるだろう。

1点が勝負の分かれ目。

カニシはハーフタイム時点では、セットプレイが勝負をきめる・・・と思っていた。

 

運が勝敗を左右する試合。

最後まで諦めなかったチームが優位な試合。

最後の最後まで、ゴールを信じた選手の前にボールが転がってくる試合。

 

サポーターのやることはひとつ。

選手と共に、勝利を信じて、最後の最後の最後まで戦うのみ。

 

鈴鹿を愛する者がここに集う。

勝利をつかむまで歌い続ける。

 

鈴鹿サポーター!やるぞ!!!

 

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HT

(OUT)16有馬和希 ⇔ (IN)8前田柊

 

後半開始。

 

驚いたことに有馬(16)を変えてきた。

決して悪かったわけじゃないが、より対人に強い鈴鹿ガットゥーゾ、前田柊(8)がグラウンドに入る。

 

そしてそのプレイは・・・後半は前田柊から語るしかない。

 

後半からボランチにはいる、「勇往邁進」、前田柊(8)。

カニシは、この試合の後半、前田の恐ろしさを目撃した。

グラウンドコンディションが難しい試合。試合の入りも慎重に・・・と思いきや・・・

中盤で刈りまくる前田柊。

相手のボールを刈って、刈って、奪って、刈って、刈りまくる。

中盤で壁になるように、ミネベアの圧力を粉砕する。

この試合の主審は、実は、前田柊がレッドカードで退場した青森戦の時の主審。

その審判の前で、これぞサッカー。これぞタックル。これぞ前田柊というプレイを見せつける。

雨が強くなる。

だけど、前田柊が中盤を通さない。

セカンドボールにも噛みつくまくっている。

そうだそうだ。それがガットゥーゾに似ていると思った時の前田柊だ。

後半の流れを決定づけたのは、前田柊の投入だと思う。

それほどまでに凄かった。

前田柊。中盤頼むぞ。

 

前半と比べて、鈴鹿が押し戻している。

ミネベアは前田柊(8)がいるので、前に押し出して、鈴鹿陣内深くに攻め込めなくなった。

 

ボランチの、「小野寺恐るべし」、小野寺亮太(6)

後半に入り、特に小野寺のプレイがものすごく目立つ。

前田柊(8)がアンカーのようにプレイしているため、少しポジションを上げてきた。

体格の良いミネベアに対して、腰から体を入れて、ボールキープし一歩も引かない。

さらに、こんなコンディションでも、前線へのパスのタイミングが抜群。

繊細なプレイが持ち味のテクニシャンが消えてしまうかと思うほどのグラウンドコンディション。

しかし、小野寺の光り輝くプレイは、雨にぬれても、泥にまみれても、全く変わらない。

逆に暗いグラウンドに光が灯されるように、キラキラしてるぜ!

小野寺恐るべし!

がんばれ。

 

後半はミネベア陣内でのプレイが多くなった。

サポーターの目の前で右サイドの藤山恭輔(25)が躍動している。

さらに、三好辰典(28)が一撃ぶちかますのを狙っている。

左サイドは、鈴木翔太(14)が上がって来た。

 

しかし、鈴鹿の攻勢の時ほど、ミネベアのカウンターが怖い。

さらに、心を折られるようなセットプレイ一発も怖い。

 

ゴールキーパーの、「パーフェクトGK」、阿波加俊太(1)

試合前に、阿波加がキーパーグローブを絞ったら、ぞうきんを絞るようなくらい水がしたたり落ちた。グローブもかなり水を吸って重くなっている様子。

この試合のカギはミネベアのセットプレイだと思う。

問答無用で決められるセットプレイ一発は、本当に怖い。

阿波加もそれは良く分かっている。

セットプレイの際には、かなり飛び出して大きくパンチングで弾き返す。

待っていてはやられる。

相手より先に触る。前に前に。戦う気持ちで。

阿波加のプレイに一瞬の迷いも無く、真剣のように研ぎ澄まされていた。

ミネベアゴールキーパーは、試合中に何度もダッシュで体を動かしていた。

あまりの寒さで、体が思うように動かないのだろう。

寒さと雨で阿波加のコンディションも良いとは言えないはず。

それでも阿波加の集中は凄まじかった。

阿波加。最高。

 

鈴鹿のディフェンスは安定しているが、ミネベアも思い切ったプレイで狙ってくる。

両チーム共に、雨によるディフェンス陣のミスを狙っている。

泥の中でガマン比べのような試合となった。

 

ディフェンスやゴールキーパーからのロングキックは、ボールの下が水に浸かった状態のため、あまり飛ばない。

阿波加もゴールキックが短くなったりしている。

 

鈴鹿は左サイドを鈴木翔太(14)と中村健人(10)が基点を作っている。

そして、右サイドを、藤山恭輔(25)と三好辰典(28)のジュリアナコンビが攻め上がっている。

また、中央は前田柊(8)が固めて、小野寺(6)が自在に動き始めた。

前田柊(8)がミドルシュートを放つ。

三宅海斗(7)も遠目から狙う。

少しずつ、ほんの少しずつ、ミネベアゴールに近づいていく。

 

ガマン比べのような試合。

最後まで執念を持って戦った選手の足元にボールは転がってくる。

 

後半22分。

左サイドから、鈴木翔太(14)が中へ折り返す。

ミネベアのクリアボールが短くなったところを藤山恭輔(25)が回収してまた中へ。

またもミネベアにクリアされるが、それをまた左で鈴木翔太(14)が拾い、ターンしながら思い切ったダイレクトのクロスボール。

三宅海斗(7)と、三好辰典(28)がミネベアゴールに突っ込む。

ミネベアディフェンスがそれをクリアしようとして、ボールが足に当たりボールはゴールの中へ。

オウンゴール???(現場では全く分からなかった)

ただ、目の前の副審が、全速力でセンターに走っている。

入った?入ったのか?

ゴーーーーーーール!!!1-0。

値千金と言って良いゴールが鈴鹿に入る。

オウンゴールと言っても、海斗(7)と三好(28)が突っ込んでこその相手のミス。

オウンゴールだけど、みんなが走って、みんなで繋いだナイスゴールだ!

 

後半のほぼ真ん中で鈴鹿が先制。

大量得点は難しいコンディション。

もう1点取りに行くのか?

どこで守りに入るのか?

難しい判断。

 

1点を追うミネベア

ラグビーのように、水でボールが止まるたびに、後ろから後ろから押し出して前に進む。

ミネベアの強いフィジカルを使った連鎖が続く。

何かが起きるのを信じて突っ込んでくるミネベア

 

センターバックの、「鬼俊貴」、中村俊貴(2)

猛烈なミネベアの攻勢に対して、強い俊貴が立ち塞がる。

強い。めちゃくちゃ強い。鬼強い。

ミネベアの強いフィジカルと、鈴鹿のミスを誘う前へ前へのハイプレッシャーのプレイに対して、俊貴は完全にノーファウルで体を張り、絶対に抜かせない。

強!つよっ!

水を避けるための浮き球のパスに対しても、ボレーで思いっきり跳ね返す。

迷いはない。シンプルに。セーフティーに。

やることもはっきり分かっている。

俊貴が守り切れば、この試合は勝てる。

強いぞ!さすが鈴鹿の俊貴だ。

最高だぜ!

 

鈴鹿は守りに入らない。

何も変えず、ミネベアと一進一退。

選手たちの集中は研ぎ澄まされている。

 

フォワードの、「ネコ好きのファンタジスタ」、三宅海斗(7)

鈴鹿の誇るファンタジスタが、泥にまみれて、スライディングをし、混戦の中で倒れながらも足を伸ばす。

1点を取った後も、献身的に競り合い、貪欲に走りつづける。

最後の最後まで勝利のためにできる事は全てやる。

三宅海斗は鈴鹿にとって点を取るだけの選手じゃない。

プレイで疲れた仲間を鼓舞する。

サポーターを熱くさせるプレイを見せてくれる。

あれだけ寒さに震えていたナカニシが、全く寒く無くなった。

海斗のプレイで体が熱くなる。

カイト、カイト、三宅海斗!

 

後半も終盤に入り、こんなコンディションの中、さすがにサイドのプレイヤーに疲れが見え始めて来た。

特に走りまくっている、三好辰典(28)と鈴木翔太(14)は足が止まりつつある。

 

ミネベアはサイドから、中に放り込んでくる。

シンプルに放り込んで高さで勝負。

 

センターバックの中心、「ディフェンスマイスター」、平出涼(5)

最後の最後で頼りになる鈴鹿のディフェンスの要。

平出が高さで競り合い、ミネベアの攻撃陣を自由にプレイさせない。

当たりが激しくなるミネベアの攻撃で、痛めてしまう場面もあるが、それでも立ち上がり鈴鹿ゴールを守り続ける。

もう、残りわずか。

みんなが焦っている。

監督が「落ち付け、落ち着け」とジェスチャーしている。

そんな中で、平出は落ち着いている。

ハートはHEAT、ヘッドはCOOL。髪型もCOOL。

平出。頼むぜ!

 

後半42分

(OUT)14鈴木翔太 ⇔ (IN)21桑原海人

(OUT)28三好辰典 ⇔ (IN)13石川竣祐

 

疲れ切ったサイドの2人。

お疲れさま。ナイスプレイ。

勝利の瞬間を待ってろよ!

 

阿波加がゴールキックの際に足元を気にする。

もしも、キックの際に水飛沫でボールが飛ばなかったら大変なことになる。

ディフェンスも大きく蹴り出す。

細かい動きはミスの種になる。

ミネベアは必死の攻勢。

 

しかし・・・

鈴鹿の集中が切れない。

鈴鹿に穴が無い。

鈴鹿にフワっとした間は無い。

 

このタイミングで、中村健人(10)が絶妙のフワッとしたボールを前線に出す。

ミネベアの「間」を突いた!

絶妙。

しかし、ミネベアディフェンスが間に合ってゴールに到達しない。

惜しい!

 

山下宇一(24)と藤山恭輔(25)がドロドロになっている。

前に出てストッパーのように相手を止めるため、何度も体を張ってきた。

中村俊貴(2)と平出涼(5)が、後方に飛び込む相手を制して、大きくクリアをする。

鈴鹿は集中している。

シンプルに。セーフティに。

 

雨は止まない。

グラウンドコンディションはより悪化している。

こんな時は、諦めずに走った者の勝ち。

後半から入った前田柊(8)がまだまだ刈りまくって止めている。

いいぞ!前田柊!

 

後半AT

(OUT)10中村健人 ⇔ (IN)19藤山雄生

(OUT)6小野寺亮太 ⇔ (IN)26縄靖也

 

高さも強さも万全の2人が入る。

鈴鹿に乱れは無い。

 

最後の「秒」までスライディングでボールを奪いにいく三宅海斗(7)。

 

大丈夫だ。

俺たちの勝ちだ

 

試合終了

 

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両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさんお疲れさまでした。

試合会場の準備のために、たくさんの人が協力してくれていました。

ギリギリまで水を排出していただいた高校生のみなさん、雨天で大変な状態で運営していただいたミネベアスタッフのみなさん、ありがとうございました。

 

そして、会場に来てくれた鈴鹿のサポーターは30人くらいいました。

また、YouTubeやkiikカフェでも応援ありがとうございました。

 

九州地方出身の何人かの選手の親御さんにも会いました。

鈴鹿サポーターは、選手を侮辱するようなことは絶対にしません。

選手をリスペクトしてしっかり応援していきますので、今後ともよろしくお願いします。

 

試合終了後、泥だらけの勇者たちが笑顔でベンチに帰ってきました。

最高の笑顔です。やり切った選手たちの良い笑顔です。

試合後に、「さあ行こうぜー」とサポーターが歌い出したのですが、選手たちは誰が前に出るのか揉めてワチャワチャしていました。

選手たちでもパッと分からないほど、この試合の特別な選手はいませんでした。

全員が全員、勝利のために一丸となり、みんなで頑張りました。

ありがとうございます。選手のみなさんに感謝します。

実は・・・この時、勝利で興奮してサポーター全員がコロッと忘れていたのですが、鈴木翔太選手(14)の誕生日でした。

翔太選手、ごめんなさい。

鈴木翔太選手には、バスに乗り込む際に、ハッピーバースデーを合唱しました。

鈴木翔太選手、誕生日おめでとうございます。勝って最高ですね。

 

この試合には特別なMVPがいませんと書きましたが、ナカニシ的にはMVPがいます。

この試合のVictoryCross賞は・・・、

後半からの出場にも関わらず、試合の流れを変えて、刈って刈って刈りまくった前田柊選手(8)に送りたいと思います。

0点完封のため、中村俊貴選手(2)、平出涼選手(5)と悩んだのですが、この試合の前田柊選手の活躍は素晴らしかったと思います。

前田柊選手、見事でした。

今後とも頑張ってください。

 

3連勝とか4連勝とか関係ありません。

1試合、1試合に集中して。

1点、1プレイ、1秒を全力で。

 

もう次の試合は始まっています。

勝ちましょう。

ビシッとやってやりましょう。

 

 

 

帰路、宮崎空港でまたドキドキしながらスマートフォンQRコードで飛行機に乗りました。

実は飛行機は下りる時も、セントレアで切符を入れるところが無いので、このまま出て良いのか心配になります。

 

飛行機を待つ間、病のNカメラマンにメールをしました。

「勝ったぞ!見たか!」と送ったら、

「見た!」とタメ口で返事が来ました。

でもご機嫌なナカニシは、全然気にしていません。

彼に勝ち点3のお土産を持って帰れてよかったです。

 

セントレアに付いてから、車で帰宅する途中、とんこつラーメンを食べました。

カニシは試合前にほとんど食べられないので、その日初めての食事でした。

ウマい!!!

 

ではまた。

 

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(今後の試合)

JFL第25節 10月22日 13:00 対 レイラック滋賀@四日市中央緑地競技場

JFL第26節 10月29日13:00 対 沖縄SV沖縄市陸上競技場

JFL第27節 11月4日13:00 対 東京武蔵野ユナイテッドFC@武蔵野陸上競技場

 

 

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