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アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

三重県社会人選手権準々決勝 対 FC伊勢志摩

みなさんこんばんは。

試合直後は大丈夫だったのですが,今になって声が出なくなってきたナカニシです。
良かった。
良くはないけど,勝って良かった。



さて,本日は三重県社会人サッカー選手権準々決勝。

対戦相手は,このオフの間に元Jリーガー2人?3人?を含む積極的な補強を行い,三重県でもトップクラスの実力を持つチーム「FC伊勢志摩」。

ここのところの練習試合で,全然!全く!良いところのない鈴鹿は,さらに松葉杖を付く選手や,足を引きずる選手が目立つ。
ケガで出られない選手が,わかる範囲でも3人。
そして,昨年の地域決勝での退場で,大久保龍太選手が出られない。

これは・・・。

しかーーーーーし,公式戦である以上,何の言い訳もできない。
結果を出せ!
控えの選手にとってはまたとないチャンスだ!

激しくはないものの,しとしとと冷たい雨が降る。
濡れた体が冷えてくる。

今シーズン最初の公式戦に仲間のサポーターが集まってきた。
コールリーダーから新チャントの説明。

時間が近づく。
まだか?
試合はまだか?
早く。早く。

さあ行こうぜ!
(雨天で記録ができなかったため,それぞれの時間は不明です)

本日のスタメン(以後敬称略)
FW 10北野純也・4近藤和哉
MF 16鈴木雄太・14久保拓也・19白鳥雄平・2高橋徹
DF 7保﨑淳・5榊親平・6藤田大道・18谷山健
GK 13柴田大地

試合開始。
昨年の地域決勝の時から止まっていたナカニシの時間が動き出す。

グラウンドは濡れているものの,大きな水たまりはない。
ボールは水を吸って重いものの,途中で止まるほどではない。

最初の試合のペースはほぼ五分。わずかに伊勢志摩か?
鈴鹿の選手もなかなかの気合いが選手から発せられている。

中盤で試合のかじを取る久保拓也(14)。
昨年はサイドハーフでの出場が多かったが,今年からはボランチとしてゲームメイクをしている。
ぐっと顔を上げてルックアップし,前線へのパスを狙う久保。
カニシ的には,サイドハーフよりボランチのほうが久保の良さが出ていて良いと思う。
決して肉体派じゃない。
だけど,良く試合を見てコースを切っている。
さてこの試合,久保はどう組み立てるか?

久保とともにダブルボランチの位置にいる白鳥雄平(19)。
冬場はケガに苦しんでいたが,シーズン最初の公式戦にスタメン出場。
しかし,練習試合などでの調整が遅れた分,ポジショニングや周りとの連携が悪い。
白鳥の良さを出せずに,体格に勝る相手選手にプレッシャーで押し込まれてしまう。
孤立する白鳥。
中盤の削り合いに引き込まれていく。

叫ぶナカニシ。
白鳥。チャンスをつかみとれ。
大丈夫。回りをよく見て。

中盤での差し合いで後手に回る鈴鹿
相手の元Jリーガーやスピードのある選手が,肉弾戦の突破を狙う伊勢志摩。

元気があるのは伊勢志摩。
気合は感じるものの,元気のない鈴鹿

テクニックのある中盤の久保と白鳥が,体で押し込まれ始めて防戦一方に。
徐々に基点が下がり,前線との距離が開いていく。

中盤が持ちこたえられないので,前線とディフェンスが分断されている。
うーーーん。
良くない。

しかし!
前半10分くらい。
鈴鹿右サイドからのフリーキック
蹴るのは「荒ぶる軍神」保﨑淳(7)。

雨の中,糸を引くように綺麗に飛んだボールはドンピシャで頭に。
誰の頭だ????

2015シーズンの公式戦。
最初の得点は・・・藤田大道(6)!!!!

ゴーーーーーーーール!!!1-0


保﨑のコントロールショット。
藤田のヘディング。
素晴らしい。
これで変な空気も変わるだろう。

前半,鈴鹿が得点してからは鈴鹿の攻撃が続く。
中盤からではなく,サイドを使った攻めが出始めた。
雄太(16)や高橋(2)から,前線へ。

しかし,セカンドボールをモノにできず,波状攻撃にならない。
徐々にペースを奪われていく。

左サイドで基点を作ろうとする鈴木雄太(16)。
頑張っている。だけど元気がない。
パスがつながらない。
どうもしっくりとボールをキープできない。
いったん中に預けようにも,中盤は伊勢志摩に押されて分が悪い。
縦,縦に行こうとするが,プレイはどうしても単調になる。
元気がないというよりは,自分のプレイができていないのかもしれない。
あの日のように爆走する雄太が見たい。
ゴールを決めて喜ぶ雄太が見たい。
ガマンの時間が続く。

雄太の後ろからゲームを組み立て,前線への駆け上がりを狙うのは「荒ぶる軍神」保﨑淳(7)。
タイミングの良い駆け上がりから,相手GKとDFの間にピンポイントのクロスを入れる。
なるほど。確かに保﨑はうまい。
しかし,ボランチが押し込まれゲームの基点が下がってきたため,なかなか試合を支配するまでの影響力を出せずにいる。
いらだつ保﨑。

伊勢志摩は多分3トップ?かな?。
とにかくドリブルでゴリゴリ仕掛けてくる。
スピードもあるしテクニックもある選手たち。
足もとの悪いグラウンドでは嫌らしい攻め。

「神の子」榊親平(5)。
新加入の藤田とセンターバックで相手の攻撃をさえぎる。
藤田を自由に動かせて,どちらかというと真ん中で待つプレイ。
相手はファウルを誘って突っ込んでくる。
ノーファウルでしっかりと止めるには,ディフェンスのテクニックが必要。
地味なプレイかもしれない。
だけど榊がいてどれだけ安心できることか。
榊,頼むぞ。

伊勢志摩の攻撃はスルーパスで裏というよりも,矢のように突っ込んでくる。
特に前線の選手はそれのみに特化した動きをするため割り切っているので,このシンプルさが怖い。

主審のジャッジが乱れてくる。
(ナカニシは極力ジャッジのことは言いませんが,今回は審判が試合をコントロールできていなかった)

伊勢志摩の突進に対して,ボールとの間に体を入れるディフェンスがファウルを取られる。
リズムを崩し,いらだつ選手。
鈴鹿ペナルティエリア付近でのファウルが増える。
嫌な感じだ。

サイドバックの谷山健(18)。
念願の開幕スタメン。
谷山が右サイドで元気にプレイするかと思いきや,相手のサイドチェンジからの攻めので守備でいっぱいいっぱい。攻撃に回る余裕がない。
もともと攻撃の選手だっただけに,受け手に回ると厳しい。
昨年に比べて成長しているのだけど・・・。

前半30分ごろ?
谷山にバックパス?
それを狙っていた伊勢志摩のFW2人が,谷山に向けて突っ込んでくる。
一瞬,どこへ出すか迷う谷山。
判断が遅れ2人を交わすため中へドリブル。
そこにまた伊勢志摩の選手が突っ込んでくる。
3人に同時に寄せられる谷山。完全に狙われていた!

奪われたボールをそのまま打たれて万事休す。
無念の失点。1-1。

一瞬の迷いを狙われていた。
良いボールを前線に供給するため,パスの出しどころを探った時をやられた。

やられたら取り返せ。
谷山!試合でやられた借りは試合で返してやれ!

ゴールキーパーの柴田が谷山に声をかける。
フィールドにも声をかける。
良いじゃないか柴田。

まだ試合は終わっちゃいない。
ただの1-1だ。
こんなピンチ今までいくらでもあっただろ。
カニシのノドはまだまだいけるぞ。
走れ!競り合え!闘え!

勢いに乗る伊勢志摩。
まだしっくりこない鈴鹿

新加入の藤田大道(6)。
ハイボールに強く,あたりも激しい。
そして藤田は足もとのテクニックが抜群にうまい。
タイプで言うと,大久保でもなく,榊でもなく,村田に近い。
雨で滑るグラウンド。
ファウルの多い試合。
ノーファウルできっちりとセーフティーなプレイをする藤田。
ボランチが押し込まれた時は,自らポジションを上げてスペースを埋めている。
良いじゃないか藤田。
良いじゃないか大道。

ここで前半終了。


ハーフタイム。
ベンチで激怒する保﨑。
球際の弱さ,ファイトしないプレイ,寄せの遅さ。
なるほど,選手たちも試合の悪さを分かっている。

監督からも檄が飛ぶ。

まだまだ試合は半分だ。
ここで立て直せ。

前半を見てナカニシが思うのは。
この試合,負けてはならない,点を取られてはならないという気持ちが強すぎて,全体が下がりすぎているように思う。
そのため,こちらから仕掛けるのではなく,相手の動きに合わせて「点を取られないように」リアクションしているので,運動量も少なく消極的に感じてしまう。
さらに,ファウルしてはならないという気持ちが,球際の遅さや寄せの遅さになっている。

だけど,そんなことは選手たちが一番わかっているだろう。
何とかしてくれ。
立て直せ!


後半開始。

後半開始直後からさらに動きが悪くなっている鈴鹿
走りで置いていかれ,アタリで押されている。

ヤバイ場面も多々あるが,久保・白鳥の中盤は,押し込まれながらもパスコースを切り,マークを外していない。
フリーにすることなく,良い体制でシュートを打たれていない。

チーム全体でのプレスや,コースの切り方はずいぶん変わったように思う。
ただ,完全にマッチしていないところが苦しい。

両チームともに膠着状態。

攻めるもののシュートまで行けない伊勢志摩。
守りっぱなしで前線にボールが出ない鈴鹿

膠着状態を打破すべく,先に動いたのは伊勢志摩。
大きなサイドチェンジを多用し,ディフェンスのすきを狙ってくる。

後半15分くらい。
右サイドに大きく振られたボールをドリブルで運ばれる。
するするっと抜けられて,ペナルティエリア内でファウル。
なに!!!!

こんな時にこんな所でPKを与えてしまう。

ゴールを守るのは柴田大地(13)。

頼む。
柴田。
ここを。

・・・・・・・・・相手のシュートコースを完璧に読み切りスーーーパーーーセーーーブ!!!!
柴田。見事すぎる。何ということだ。

新加入の柴田大地(13)
良い声でコーチングをし,そしてそれが見事に的確。
ディフェンスとのやり取りも間違いがなく,足もとも安定している。
カニシが練習試合から見て思っていたのは,目的地点に達するまでのセービングのスピードが速い!
滞空時間の長いフワッとした飛び方ではなく,ビシッ!と一直線に飛ぶ感じ。
柴田。ナイスセーブ。

後半20分。
(OUT)19白鳥雄平 ⇔ (IN)3村田雅則

ついに村田が入る。

テクニック,スタミナ,スピード,全てにおいて高い次元の能力を備える村田。
そして戦術理解も高く,守備的なポジションはどこでもこなせる。
後は,強い気持ちが前面に出てこれば良い。
村田。ナカニシに村田の100%の力を見せてくれよ。

運動量の落ちていた鈴鹿に,縦横に動く村田が入り,少し試合が動き出す。

前線でターゲットとなる近藤和哉(4)。
ポストプレイでボールを懐に収めるが,いつもいるはずの竜二や大村が欠場しているので,その後が続かない。
周りのフォローも遅いため,前を向けず,次につかながらない。
前線に飛び出すものの,後ろからのボールが合わず,連動した攻撃になっていない。
だけど,何度も何度もアタックする和哉。
今年の和哉は違うぞ。
和哉。ストライカーなら常にゴールを狙い続けろ!

村田が入り右サイドの高橋徹(2)も攻めに転じてくるようになった。
昨年は控えだった高橋。
またとないチャンスをものにしたい。
カニシも全力で高橋を応援。
前半からよく頑張っている。
高橋のプレイのイメージは鋭利な刃物のよう。
後半,スパッと切れるようなドリブルで相手サイドバックを置きざりにする高橋。
しかし・・・,次にフォローに来た相手ディフェンスの足が高橋のヒザを蹴りあげる!

もんどりうって倒れる高橋。
しかし試合は止まらない。
苦痛でもだえる高橋。
あれほど危険なプレイがファウルじゃないのか?
トレーナーが入り,すぐに×のサインが出る。
歩くことすらできない高橋。
2人に担がれながらグラウンドを出る。

なんてことだ!
なんてジャッジだ!

荒れる試合になってきた。
サポーターとしても納得がいかないものの,試合を壊すわけにはいかない。
ここを押さえろ。
試合に集中。
高橋の分までやってやろうぜ。

後半30分くらい。
(OUT)2高橋徹 ⇔ (IN)17杉本翼

村田がサイドバックに入り,保﨑がボランチに入った。
伊勢志摩の攻撃も手詰まりになってきた。

保﨑が押し上げて基点が上がってくる。
セカンドボールを奪えるようになる。
しかし,伊勢志摩のディフェンスも固い。

「ギラギラした北野」。
鈴鹿の北野純也(10)。
チームプレイに徹し,サイドに流れ,トップ下まで下がり,ディフェンスにも走っている。
キャプテンとしてチームプレイにも気を配っている。
しかし,北野に求められているのは,何よりも勝利のためのゴール。
北野,ギラギラした気持ちを忘れるな。
北野,得点に飢えていた日々を忘れるな。
ギラギラした北野を忘れちゃいけない。
こっちのゴールに向かって突っ込んでこい!!!

最後の最後。
試合は鈴鹿ペースに。
シュートを打つものの伊勢志摩も体でコースを切ってくる。

ここで試合終了。


PK戦に突入。

サポーターが祈る。
柴田。
柴田。
柴田。
頼むぞ。

伊勢志摩が先攻。
最初のキッカーがシュートを放つ。
ビシッ!!!!
柴田の手がボールを弾き出す。
よっしゃ!!!

1人目は北野純也(10)。
2人目は保﨑淳(7)
3人目は鈴木雄太(16)
4人目は藤田大道(6)

柴田が最初のキッカーを止めたため。

伊勢志摩 ×○○○
FC鈴鹿 ○○○○

この状態で5人目へ。
止めれば鈴鹿の5人目を待たずに終わる。

柴田の気合が乗っている。
カニシの後ろからサポーターの祈りの声が聞こえる。

・・・・・・・

相手のシュートは柴田の気迫を恐れるかのように枠の外へ。

伊勢志摩 ×○○○×
FC鈴鹿 ○○○○


なんとか,なんとか勝利。
ヒザをつくナカニシ。
疲れた。

雨の中,最後まで戦い抜いた両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさんお疲れ様でした。
大会を運営されている協会のみなさん,お疲れ様でした。ありがとうございました。
FC伊勢志摩には,昨年鈴鹿に在籍していた徳地俊彦選手がいます。
徳地選手頑張ってください。リーグ戦での活躍を楽しみにしています。

冷たい雨の中,たくさんのサポーターが応援に来てくれました。
みなさん,ありがとうございました。風邪などひかれませんように。

この試合,ナカニシが6年間で見てきた試合の中でも,ワーストに入るような出来の悪さでした。
怪我人が多くいたのは残念ですが,体が重く,元気がなく,ファイトしていないように見えて仕方がありませんでした。
敗北や失敗や怒られることを恐れていては,サッカーになりません。

サポーターは評論家ではありません。
何が悪くて,何を直すべきなのかは小澤監督と選手たちが考えることでしょう。
その結果が次に出ることを期待しています。

内容は悪いけど,勝ちました。
手放しで喜べはしませんが,次につながったのが嬉しいです。



次の試合は
4月12日(日)13時30分から
三交スポーツの杜鈴鹿第3グラウンドにて。
対戦相手はヴィアティン三重です。

なんら気負うことはありません。
いつものように試合をして,いつものように勝利を目指しましょう。

カニシはね。
全く負けることなんて考えてませんよ。

さあ,胸を張って闘おうぜ。

ではまた。

(追伸)
たくさんケガをしている選手がいます。
今日の試合で高橋選手がケガをしました。
焦る気持ちもあると思いますが,しっかりと十分に治療してきてください。
みなさんが,早くグラウンドに戻ってくるのを待っています。