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アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

地域CL1次ラウンド第1戦 対 アルテリーヴォ和歌山

みなさんこんばんは。

現在,ナカニシは山梨県富士吉田市の謎のビジネスホテルでブログを書いています。
暖房を最強につけても,しんしんと足元から冷えてきます。
選手たちのコンディションが心配でなりません。



全国社会人サッカー選手権(全社)が終ってから2週間。
はやる気持ちと猛る心を抑えながら,不安の中で日々を過ごす。

大丈夫。大丈夫。
自分自身に何度も語りかける。

木曜の夜,鈴鹿を出発。
道中,選手のことだけを考える。
試合会場に来られない選手もいる。
応援に来られないサポーターもいる。

みんな待ってろ。
絶対に。必ず。

金曜の早朝,試合会場に到着。
いきなり空気が違う。
鈴鹿で感じる冬の空気とは違い,冷凍庫の中にいるようなキリリと差し込む寒さ。
外はとてもとても冷たい雨。

グラウンドは水はけが悪く,かなり水が溜まっている。
水たまりが光っている部分もあるが,全体的に3㎝くらい水を張った状態。
そのうえ,経験したことのないような濃霧。
霧というより雲の中にいるような感覚。
(この試合の写真はボヤっと白いですが,これは霧のためです)

これはナカニシも初めて経験するとてつもなく悪いコンディション。
ここでプレイする選手達が心配。
怪我をしないか。
体は冷えないか。

試合時間が近づく。
対戦相手は,関西リーグチャンピオンアルテリーヴォ和歌山(以下,アルテリーヴォと書きます)。
言うまでもなく,猛烈に強いチーム。
アルテリーヴォサポーターが大きな声で気合いを入れている。
アルテリーヴォの選手達も気持を込めて円陣を組んでいる。

待て待て。
鈴鹿アンリミテッドは鈴鹿アンリミテッドのペースで良い。
いつものように。
選手とともに。
ここが俺たちのホームだ!

いくぜ!!!

(本日のスタメン,以後敬称略)
FW 10北野純也・9角口大征
MF 13堀河俊大・28小澤司・25矢野純平・4吉川拓也
DF 34野口遼太・6藤田大道・21藤井竜・2大村亮平
GK 31岡田明久

試合開始

試合の立ち上がりに全ての気持ちを込める。
このコンディションで入りを失敗すれば,即失点につながりかねない。

サイドバックに入る「最強の左」野口遼太(34)。
全社の時よりセンターバックから左サイドバックにポジションを変えている。
ポジジョンが違えど野口のプレイの素晴らしさは変わらない。
野口のプレイを一言で例えるなら「太い」プレイ。
前半,鈴鹿の陣内は酷い水たまりで,ドリブルも満足にできない。
ロングボールから突っ込んでくる相手に対して,自陣のゴールに向かって後ろ向きにディフェンスせねばならないが,大黒柱のように太く,そして強く,鈴鹿のディフェンスを支えている。
派手なことはしていない。
確実に。間違いなく。丁寧に。
そして,開始直後のコーナーキックに対してドンピシャのヘディングでスタンドを沸かせる野口。
良いぞ良いぞ!
イメージ 1


鈴鹿のアンカーの位置にいるのは「吉川丸」吉川拓也(4)。
カニシの主観だけど,全社で最も変ったのは吉川だと思う。
「効いている」ディフェンス。「相手を通さない」強い気持ち。
そして何より闘う心の輝きが違う。
アルテリーヴォの攻撃は中盤を飛ばしてディフェンスラインの裏を狙い,それを鈴鹿のディフェンスが弾き返したセカンドボールを2列目の選手が狙っている。
鈴鹿のディフェンスはそう簡単には破られない。しかし,その跳ね返りを狙われるのは,このコンディションだと何が起きるか分からず,とても厳しい攻撃となる。
しかし,その中盤には吉川が出城を築いて自由にプレイ出来ないようにしている。
たくさん動かない。
しかし動いた時は風の如く。
吉川ガンバレ!
そこ!ものすごく大事なところだ!
イメージ 2


前半の序盤は鈴鹿が攻め込んでいたが,アルテリーヴォも盛り返し一進一退の攻防。
両チームともに最終ラインはとにかく固いので,ノド元まで攻め込まれることが少ない。
そのため,悪コンディションの時こそ威力を発揮するコーナーキックの数は両チームともに少ない。

五分と五分。
がっぷり四つ。

サイドハーフで先発している「不死鳥」矢野純平(25)。
この試合で特に激戦地となったのは右サイドの純平の位置。
水が最も溜まっており,その位置でのプレイの際に両チームともに足を滑らせている。
その瞬間,チャンスとピンチが生まれ,試合のバランスが崩れている。
激戦地の中で水中を泳ぐかのようにプレイを続ける純平。
足を取られながら体を伸ばして相手のボールに触れる。
スリップしながらも逆足を伸ばしてボールに触れる。
ヘディングで吹っ飛ばされ,スライディングで足を削られ,それでも純平は立ち上がりプレイを続ける。
ここをやられたら均衡が崩れる。
純平,踏ん張ってくれ!
イメージ 3


前半も中盤。
鈴鹿の集中がピリピリしている。
もうフワッとした入り方はしていない。
全社で見た時の鈴鹿アンリミテッドがここにいる。

アルテリーヴォはロングパスで裏を狙い,そのまま波状攻撃につなげようとしている。
鈴鹿は裏ではなく角口,または北野の足元にボールを入れて,いったん中盤に戻してから裏を狙っている。
両チームともにあまり手数をかけずにゴール前に運ぼうとしている。

最終ラインの「飛竜」藤井竜(21)
ロングボールが多用されるこの試合,最終ラインが直接ボールを触る機会も多い。
ボールとともに怒涛の勢いで押し寄せてくるが,藤井のディフェンスは揺るがない。
野口がサイドバックにポジションを変えてから,センターバックとしての藤井のプレイはさらに研ぎ澄まされているように感じる。
自分が絶対に止めるという責任感。
自分は負けないという絶対的な強い気持ち。
足元の悪い中で裏を狙われる嫌な展開。
1対1,空中戦,裏への対応。
藤井に求められるプレイは多い。
それでも藤井の足元は全くブレていない。
よし!
藤井,そのプレイは完璧だ!
イメージ 4


藤井と共にセンターバックに入る「スーパーコンピューター」藤田大道(6)。
正確なプレイが持ち味の藤田だが,この悪コンディションには手を焼いている。
足元のボールタッチの狂いから,相手に押し込まれ危ない場面も。
前半の鈴鹿陣内は特に水が溜まっている。
何気ないディフェンスラインのパス回しすら,一気に相手の絶好のチャンスになってしまう。
藤田,足元悪いぞ!
簡単に。確実なプレイを。

この試合で先発しているフォワードの角口大征(9)。
全社ではなかなか結果を出すことができなかった。
そして,地域CLの1戦目で先発。
なんとか結果を出してあげたい想いから,サポーターからの角口への声援は多い。
足元が悪く難しい試合。そしてアルテリーヴォのディフェンスは硬くて高くて上手い。
ヘディングの競り合いでなかなか勝てない角口に対して,サポーターから厳しい声が飛ぶ。
全力でやっている。
だけど,角口,まだまだ角口の力はそんなもんじゃないだろう。
やったれ!
走りまくれ!
角口ガンバレ!
イメージ 5


前半37分。
ゴールキーパーからのロングキックを角口が競り合う。
そのこぼれ球が,ルーズボールとなりアルテリーヴォゴールに転がっていく。
・・・獰猛な音が聞こえる。
誰よりも早く反応し,ゴールキーパーに向かって転がるボールに走りこんだのは,鈴鹿アンリミテッドの北野純也(10)!
アルテリーヴォゴールキーパーより一瞬早くボールに触れる。
そのボールがゴールに転がる。
入れ!!!

ゴーーーーーーール!!!1-0


先制点は鈴鹿アンリミテッドの北野純也!
イメージ 6

そしてそのゴールを引き出したのは角口,ナイス競り合い!

先制した鈴鹿
しかし,ここからアルテリーヴォの怒涛の攻撃が始まる。
さらに激しく裏を狙うボールが放り込まれ,人数をかけてグッと押し込んでくるプレイは至る所で波状攻撃となり,鈴鹿は防戦一方となる。

先制ゴールの後,相手の攻撃にさらされても,藤井,藤田,野口,大村のディフェンスラインに動揺はない。
キッチリと寸断し,ノーミスノーファウルで確実に止める。

前半の終盤は,アルテリーヴォペース。
しかし,鈴鹿も落ち着いている。

ここで前半終了。



寒い。
カニシはリーグ戦と同じ格好(半そで半ズボン)で応援しようとしていたが,どうしても持たなくなって,上着を着た。
カニシですら上着を着るほど,富士北麓は寒い。

控えの選手たちがアップをしている。
体を温めて。
必ず出番が来るぞ。
その時,結果出そうぜ!

この地に「念」を送っているサポーターの気持ちを想う。
みんな祈るようにツイッターを見ているのだろう。
北野のゴールで喜んだだろう。
みんなの分までしっかりと応援しよう。
絶対に!


アルテリーヴォは選手もサポーターも激しく気合いを入れている。
鈴鹿はいつもの通り,選手同士声をかけながら冷静にグラウンドに入る。
それで良い。
自分たちのペースで。

後半開始。

ピッチが入れ替わって,鈴鹿陣内は割と水はけが良い。
逆にアルテリーヴォ側でボールが止まる場面が多い。

その一瞬を逃さず突っ込んでいくのは「餓狼」北野純也(10)。
前半の一点で北野の空腹が満足するわけがない。
喰らいつくようなしつこいプレスから,ボールを懐に収めてシュートまで持っていく。
北野のプレイだ。北野の動きだ。
全国よ!これが北野だ!
後半早々,右サイドを突破し堀河へあわやゴールへのパス。
そして,自ら突破し弾丸シュート,その跳ね返りを小澤がカバーしシュート!
ゴールならなかったものの,立て続けに北野がチャンスを作り出す。
さすが北野!
これぞ北野!

後半の序盤。
北野(10)の突破と角口(9)の思い切りの良いプレイで,流れは鈴鹿へ。
小澤(28),堀河(13)が上手くカバーして次に繋げている。

サイドハーフの「アンタッチャブル」堀河俊大(13)。
霧は晴れつつあるが,いまだグラウンドはビシャビシャの状態。
堀河のキラーパスはなかなか出せていないが,常に攻守のバランスをとっている。
堀河の動きで4132のフォーメーションになったり,4312のフォーメーションに変化したりしている。
攻守の指揮者として,この試合での堀河の存在感は際立っている。
後半,鈴鹿が攻撃のペースを握る。
キーマンは堀河。
追加点が欲しいところ。
堀河頼むぜ!
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後半鈴鹿は,堀河,野口の左サイドからの攻撃が増えてきた。
こちらのサイドは前半に純平が苦労しただけあって,いまだに足元が悪い。
アルテリーヴォの選手たちがボールの動きを一瞬待ってプレイしているところに,堀河や野口が突っ込んでボール奪取している。
そこから北野,角口,そして必殺の小澤へボールがよく回っている。

「ライオンキング」,「皇帝」,小澤司を表す言葉を探すのは難しい。
アンカーの吉川(4),そしとて左右の堀河(13),純平(25)が中盤をがっちり固めているので,どちらかというと前線に近いところでプレイしている。
北野と小澤の距離が近い。
中盤と小澤の連携がよい。
攻撃がドンドン波状攻撃になり,セカンドボールの奪取率も上がっていく・・・。
もちろんアルテリーヴォも研究しているだろうから,小澤には最大限の警戒がされている。
しかし,それは小澤にとっては逆にチャンスにすらなる。
どれだけ囲まれても,どれだけプレッシャーを受けても,小澤からの攻撃は決して止まらない。
そしてマークの薄くなった前線へ最高のパスが通る。
最大級の賛辞って,なんて言えばいいんだろう?
小澤,最高だ!
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鈴鹿は決定的なシーンは多くあるが,最期の最後で精度に欠け,どうしても決めきれない。
後半も半ばを過ぎた。
決めきれない鈴鹿からアルテリーヴォが主導権を奪い返しに来る。

試合を見ているサポーターの手に力が入る。
カニシは時計を見る。
さっき見た時から2分しかたっていない。
まだか?まだか?
早く終わってくれ。

サイドバックの「小さな魔法使い」大村亮平(2)。
グラウンドコンディションが悪い中で,前半からアルテリーヴォはロングボールを前線に入れてきていた。
チームでたぶん一番小柄な大村亮平(2)。
しかし,大村が魔法使いといわれる所以のひとつ,それはヘディングでの競り合いにやたらと強いところ。
体の入れ方や,飛ぶタイミングなど,今までのサッカー人生で自分より大きな選手とは嫌っていうほど競り合ってきている。
大村はそう簡単にはやられない。
大村は絶対に負けない。
なっ,大村!

鈴鹿のディフェンスにほころびはない。
藤井,藤田のセンターバックも常に落ち着いており,慌ててミスをすることもない。

後半の終盤。
アルテリーヴォの攻勢から,セットプレイが増えてきている。
コーナーキックフリーキックはこの時間帯本当に怖い。
サポーターの応援に熱がこもる。

「シュートストッパー」岡田明久(31)。
前半のミラクルスーパーセーブに続き,後半セットプレイからのこぼれ球を至近距離からシュートを撃たれるものの,超反応で弾き返している。
ジャッジとしてはオフサイドだったが,このプレイの際,オフサイドに対してディフェンスもゴールキーパーもセルフジャッジを一切せず,最期まで集中して守りきっている。
(あまり集中して守っているので主審がオフサイドと思わなかったほど)。
セットプレイ時の高さ,そして飛びだしの早さ。
この日は雨でキャッチングも簡単ではない・・・。なのに!
岡田,素晴らしい。
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後半35分。
(OUT)9角口大征 ⇔ (IN)18近藤和哉

残り10分。
守るのか?
攻め続けるのか?
この場面でキープ力と競り合いに強い近藤和哉が入る。

サポーターの和哉への期待は大きい。
ここまで自分を磨きあげてきた。
ここまで自分を鍛え上げてきた。
それを爆発させる時が来た!

スピードもスタミナも和哉は一級品。
そしてフィジカルも強い。
出場した時間は限られていたものの,単独でアルテリーヴォのディフェンスラインを切り裂き,シュートまで持っていたのは見事。
あとはそれをパッチリ決めるだけだぜ!
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アルテリーヴォの攻勢が続く。
鈴鹿はディフェンスしながらも前線で堀河と野口がキープする。

大丈夫だ。
集中は途切れない。

そして試合終了。



両チームの選手のみなさん,そしてスタッフのみなさん,お疲れ様でした。
悪天候の中,グラウンドの水取りを続けてくれた大会スタッフのみなさん,ありがとうございました。

試合終了後にはアルテリーヴォのサポーターさんからお土産いただきました。ありがとうございます。
また,全社の最終戦の際に今治のサポータさんからもお土産をいただいていました。
明日にでもサポーターみんなでいただきます。
ありがとうございました。

選手の親御さんにも応援に参加していただきました。
また,たくさんの方が応援に来てくれていました。
みなさん,寒い中本当にありがとうございました。

この会場に来られない方たちの「念」も感じていました。
選手たちにも必ず届いています。
明日の試合も,なにとぞ想いを富士北麓に送ってください。

全社の試合を見ていて思いました。
「全社で鈴鹿アンリミテッドは強くなっている」
そして,全社が終ってから,地域CLが始まりました。
今日の試合は,全社の続きのような・・・そんな風に感じる試合でした。

全社の成長は確実に鈴鹿のチーム力を上げています。
堂々と,地域CLを闘いましょう。

大丈夫。
安心して。
また明日も,いつもと同じサポーターの歌が聞こえますよ。

今日の勝利の際に,バンザイを1回しました。
明日はバンザイを2回できるように,応援頑張ります。


ではまた。

(次戦=地域チャンピオンズリーグ1次ラウンド第2戦)
日時:11月12日(土)10:45キックオフ
場所:山梨県富士北麓公園グラウンド
対戦相手:JFC.MIYAZAKI