VictoryCross

アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

JFL第21節 対 奈良クラブ

みなさんこんばんは。

 

天皇杯の敗戦の時,悔しさに唇をかみしめ過ぎて,口から出血してました。

選手たちのバスを見送りながら,ずっと口の中は血の味がしてました。

選手たちの力を出し切れずに負けてしまった。

この悔しさを,どう扱っていいかわからず,ずっと腹の底でうごめいていました。

水曜日の敗戦から,木曜日,金曜日,土曜日。

土曜日の朝,三交鈴鹿に練習を見に行きました。

選手たちは元気にプレイしていましたが,ほんの少し下を向いて疲れた感じでした。

いつも声が聞こえる選手の声が聞こえませんでした。

でも,力哉と俊貴の声が,とてもよく聞こえていました(本当の本当)。

カニシは練習が終わると,選手の誰にも会わずに,すぐ帰りました。

 

 

 

連休の中日。

本当ならば奈良の地に鈴鹿サポーターが集結するはずだがアウェイ観戦禁止。

アウェイ観戦禁止ならば,ナカニシはルールを守る。

 

今日の対戦相手は,奈良クラブ(以下,奈良と書きます)

昨年は,2戦して2分。両試合共に0対0。

 

金曜日に,職場の上司から,ゲン担ぎのお菓子をいただく。

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負けん!

 

サッカー選手を元気づけるのには勝利しかない。

人生をかけてプレイする彼らにとって,勝敗はその一つ一つが人生の分岐点となる。

良い試合でも負けたら,彼らは笑ってくれない。

選手が笑ってくれなければ,ナカニシの心はやっぱり晴れない。

 

なんとしても勝ちたい。

日々,そのことばかりを考えている。

サポーターは何ができる?何をすべき?どうすれば選手たちに届く?

他事はどうでもいい。

カニシにとっては選手が全てだ。

(だいぶ暑苦しいと思いますが,ナカニシはクレイジーなので,お気になさらず読み進めてください)

 

日曜日。ナカニシは朝から某所へ外出していたため,ダッシュで帰宅。

試合開始に間に合わなかったけど,3分遅れでネット接続。

(ネット!待ってるぞ!)

 

ちょっと遅れたけど・・・

 

いくぜ!

 

本日のスタメン(以後敬称略)

FW 15菊島卓・7リンタロウ・11遠藤純輝

MF 10和田篤紀・6藤田浩平・19海口彦太

DF 34野口遼太・20中村俊貴・3川里光太郎・14蓮沼翔太

GK 23岩脇力哉

 

試合開始。

 

選手たちの大半は中3日での3試合目となる。

当然,疲れもあるだろう。

この試合に挑むにあたって不安もあっただろう。

それを振り払うかのように,前半からブンブン飛ばす鈴鹿

 

鈴鹿は4-3-3と言いつつも,4-1-4-1のフォーメーション。

ただ,ディフェンスもフォワードも,サイドは中に絞ってポジショニングしている。

鈴鹿の前線の,リンタロウ,菊島,純輝,海口,和田が,きれいな五角形を作っている。

それぞれの距離が近く,すぐにフォローに入れるし,動き出しの際のパスコースも多い。

 

3トップの右,「ハートのエース」,遠藤純輝(11)

インサイドハーフの和田(10)海口(19)との距離が近いため,パスカットからのカウンターが早い。そして純輝の動き出しのキレもいい。

カットから高精度のショートスルーパスが出ているので,純輝のテクニックとスピードを生かした前を向く攻撃ができている。

前半序盤にも,和田のパスからの独走でシュートを放った。

残念ながら枠をとらえられなかったが,鈴鹿のカウンターはやっぱり純輝だ。

高速でかつ足元が上手い。

純輝の攻撃力が爆発する!

そして,ディフェンス時は,サイドよりもグッと絞って真ん中をケアしている。

この試合を通して,ベンチからの指示は,コンパクト+中を絞れだった。

攻撃的ながら献身的に守備に入る純輝。

純輝。インスタ見てるぞ。やっぱ勝たなきゃな。

勝つぞ!!!

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試合は鈴鹿ペースで進む。

支配率は5分5分だが,攻撃時に鈴鹿は3トップまでボールが運べている。

その為,より深く奈良陣内に食い込んでいる。

 

インサイドハーフ,「疾走する若武者」,海口彦太(19)

鈴鹿の攻撃は左の野口(34)から始まることが多い。

コンパクトに保つと,自然に全員が左に寄ってしまい,右サイドにスペースができる。

奈良のカウンター時に,そのスペースを使われるが,その場所は海口の縄張り。

奈良は鈴鹿右サイドの広大なスペースにボールを入れるが,その瞬間には海口が寄せている。

海口は,攻勢から守備に切り替えるタイミングがとてつもなく早く,ただ走るだけでなく,動きながらコースを切り,プレッシャーをかけ,下がりながら守備をしている。

ディフェンスからの「ディレイ!(遅らせろ)」の声に,海口が十分に反応している。

海口も中3日。フロントの仕事も大変だろう。

だけど海口!本職はサッカー選手だ!

この凛々しく力強い姿を見ろ!

これが鈴鹿の海口だ!

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鈴鹿の攻勢が続いている。

今まで見た中で,一番リンタロウにボールが入っている試合だと思う。

それは,和田(10),海口(19)そして,アンカーの位置の藤田(6)から,リンタロウにクサビのパスが入っているためだ。

 

フォワードの真ん中,「ER7」,エフライン・リンタロウ(7)

この試合,ロングボールの空中戦もがんばっているが,足元にズバリと入ることも多い。

受けてからのターンも上手いリンタロウが,奈良ゴールに向かってプレイできている。

なかなかシュートコースは開けてもらえないが,リンタロウはドリブルも上手いので,動きながらシュートコースを探す。

また,純輝(11),菊島(15)へのスルーパスも出しており,なんかリンタロウが目立っている。

リンタロウからのパスコースも多く,前線の5人は動きながらフリーになる選手もいるので,無理にギャンブルのパスをしていない。

その為,前線でボールを保持しても,そのままフィニッシュまでもっていけている。

鈴鹿の誇る3トップ。純輝(11),リンタロウ(7),菊島(15)どこからでも得点が狙える。

その中心にいるのがリンタロウ。

我らが得点王のリンタロウ!

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ベンチから活発に声が出ている。

「コンバクトに!」

「簡単に失うな!」

「しっかりやりきれ!」

ベンチの指示が全てグラウンドに反映している。

みんなよく分かっている。

地に足の着いたサッカーをしている。

 

サイドバックの,「悪魔の左」,野口遼太(34)

鈴鹿の誇る超弾道。悪魔であり,サムライでもある野口。

将棋で言うと,飛車とか角みたいな存在感の大きさがある。

攻撃の起点となる野口だが,今日はあまり高いポジションを取らず,後ろから支えるような位置にいる。

鈴鹿ディフェンスは守備時に,かなり中に絞っている。

ベンチからも「優先順位は中!」という声が飛んでいる。

天皇杯で中がやられた。

同じ失敗をするような鈴鹿ディフェンスじゃない。そして鈴鹿ディフェンスにはノグさんがいてくれる。

ノグさん,天皇杯残念でしたね。

この試合取りましょう!

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鈴鹿は4-3-3っぽい4-1-4-1。

奈良は4-4-2。

 

天皇杯鈴鹿を研究したのか?奈良は前線から鈴鹿ディフェンスに圧力をかけてくるが,今日の鈴鹿センターバックはびくともしない。

 

センターバックの右,「素敵な先輩」,川里光太郎(3)

ラインコントロールは川里がしっかりやっている。

川里のラインは高い。高い分,同じセンターバックの俊貴(20)やゴールキーパーの岩脇(23)との連携が重要。

そしてその連携が,格別によろしい。

欲しい時に狙ってオフサイドにハメている。

中盤の不利な時には,必ず後ろでパスコースを開けて避難できるようにしている。

川里のプレイを言葉で表すと,ナカニシのイメージでは,危機管理と連携。

顔は怖そうなのだけど,ものすごく繊細でインテリジェンスなことをしている。

奈良の攻撃でピンチの時もあった。

だけど,ディフェンスはバタつかなかったし,慌てていなかった。

川里先輩。ナイスです!

 

前半の終盤から奈良が押し返して鈴鹿ゴールに迫る。

特に,中盤でのファウルからのセットプレイが多くなってきた。

セットプレイは鈴鹿ディフェンスが跳ね返す。しかし,競り合っているので十分な距離でクリアできない。

そのセカンドボールを狙われている。

 

アンカーの位置にいる,「鈴鹿の心臓」,藤田浩平(6)

ゴール前や,中盤の危ない位置には,必ず藤田が止めに入っている。

必ずって言葉がサッカーにあるかって?ある!藤田にはある!

アンカー1枚というのは,藤田にしかできない。

その藤田にしかできないことを,確実に確実に,そしてまた確実にプレイする藤田。

セカンドボールの跳ね返りのミドルシュートは打たせない。

そこからのスルーパスも通さない。

自分の後ろに目があるかのように,奈良の選手間のパスコースを切る藤田。

藤田は派手なことをしていない。

藤田は,パスコースもシュートコースも切る。ボールに寄せてプレッシャーをかける。

だけど派手にタックルに行って,もしも交わされたら・・・そんなことはしない。

だから藤田はほとんど転ばない。神のような体幹の強さとバランス感覚。

藤田が奈良の動きを止めていれば,海口(19)も和田(10)も戻ってアタックしてくれる。

鈴鹿の心臓は伊達じゃない。心臓はあちこち移動しない。

常に真ん中で血液を送り出している。

よし!藤田!

アンカーでさらに進化してるぞ!

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インテリオール,「バッドボーイ」,和田篤紀(10)

インテリオールというのは,スペイン語インサイドハーフという意味らしい。

何となく和田篤紀には,インテリオールというカッコいい言葉がよく似合う。

この試合の前半の和田は,手が付けられないほど見事過ぎた。

(ただ,シュートが決まらなかったのは残念)

パス,ドリブル,オーバーラップ,そしてシュート。

守備陣が安定しているだけに,一歩突っ込んだプレイをしていた。

もう,和田篤紀から得点の匂いがプンプンしている。

和田の動き出しのキレの良さが,周りに伝わって,菊島(15),純輝(11)も動き出しが良い。

自在にダンスを踊るインテリオールの和田篤紀。

素晴らしい。

和田。ドンドン行こうぜ!

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鈴鹿は良いところまで行っている。

ボール支配率は五分だが,多分シュート数は鈴鹿のほうが多い。

小澤コーチが,大きな声で何度も叫ぶ。

コンパクトに!

ボールを失うな!

小澤コーチの声が熱い。気合か乗っている。

 

みんな,みんな天皇杯の敗戦は悔しかった。

カニシの50倍くらい選手たちは悔しかっただろう。

過去の敗戦は取り戻せない。

ただ,目の前の試合に勝利することはできる。

チーム全体から勝利への熱を感じる。

 

良いところまで行っている。

なんとか1点欲しい。

鈴鹿はかなりハイペースで飛ばしている。

後半ゲームの流れが変わると怖い。

 

ここで前半終了。

 

 

 

カニシはずっと立ったまま,リモートの画面を見ている。

普段の試合もそうなのだけど,試合中は座っていられない。

(今はルールなのでスタジアムでは座っている。)

 

ハーフタイム中に水分補給。

リモートの画面見ているだけなのに,体がぐったり疲れている。

 

俺はこんなところで何やってんだ。

奈良へ行きたい。

今からでも選手と共に戦いたい。

なんとか選手たちに元気を届けられないか?

 

祈りが届くか?

念が届くか?

選手たちは後半も戦えるか?

 

アップする選手たちを見る。

良い緊張感と,良い準備だ。

誰が出ても,後半のキーマンとなるだろう。

 

カニシ落ち着こう。

大丈夫。

 

 

 

後半開始。

 

奈良クラブはハーフタイムで2人を交代してきた。

思った以上に,早い仕掛け。

 

鈴鹿は落ち着いて試合に入った。

大丈・・・夫・・・。ん?ん!!!

 

後半3分。

中盤でボールを奪う海口彦太(19)

海口が半歩早い!そしてその半歩の早さはビッグプレイだ!

海口彦太からリンタロウ(7)へ。

リンタロウは,走りながら奈良ディフェンスと駆け引きをしている。

シュートか?パスか?

リンタロウが左利きということは誰もが知っている。

奈良ディフェンスも左を警戒。

いや,それではリンは止まらんよ。

リンタロウの右足でのシュート!強烈!

奈良ゴールキーパーは,キャッチできず体に当てて弾く。

そこに詰めてきているのは・・・ゴールゲッター菊島卓(15)!

ゴーーーーーーール!!!1-0

海口→リンタロウ→菊島の見事なゴール。

みんなナイス!

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このゴールシーンを,後からネットで何度も見返したのだが,あることに気が付いた。

ゴールの後,奈良ゴール前で,選手たちが喜んでいるのだけど,センターサークル付近にカメラが戻ると,4バックとアンカーの藤田は,全く動じずに,その間もディフェンスの指示を出し合っている。

藤田キャプテン,カッコいい。そして恐るべし。

 

試合は鈴鹿が1点リード。

しかし,まだまだ先は途方もなく長い。

小澤コーチからも,引き続き大きな声で指示が出ている。

 

ゴールを挙げた3トップの左,「ゴールゲッター」,菊島卓(15)

天皇杯でのアシストで分かるように,菊島もドリブルが上手く足が速い。

純輝と比べると,フェイントの突破ではなく,裏を狙うことが多いが,いろんな形に対応できるフォワードだと思う。

この試合では,和田(10),海口(19)がセカンドボールやパスカットすることが多く,そこからすぐにショートカウンターが始まっている。

それに対応して,菊島も裏を狙い走る。

後半の先制後は,少し下がり気味となったが,リンタロウのヘディングの落としに反応し,ゴールを狙い続けた。

ズルズル引いて守っていては,奈良の攻撃陣をシャットアウトできない。

奈良が押す分,こちらも押す。

ゴールを狙い続ける菊島が,奈良に刺さったトゲのように光る。

 

奈良クラブは再度,選手交代。

たぶん,後半15分までに4人を交代。

鈴鹿はまだ交代しない。

涼しくなったとはいえ,中3日で連戦している。

鈴鹿の選手の足が止まれば,1点差なんてあっという間にひっくり返される。

 

鈴鹿のセカンドボールへの寄せは早い。

和田,海口,藤田の中盤が良く集中していて,キレているのがよく分かる。

後半の序盤には,和田篤紀のドッカンミドルシュートもあった。

 

サイドバックの,「右のダンディズム」,蓮沼翔太(14)

ハスも連戦している。

天皇杯でも疲労感が見えた選手の一人。

この試合は,縦への突破ではなくディフェンスから丁寧に入っている。

先制してからもハスの落ち着きが,チーム全体を落ち着かせている。

ボールがこぼれてきても,相手がコースを切っている場合は,無理に触らずタッチラインにシレっと流す。

無理するくらいなら,スローインで上等。

スローインならば,右は川里(3)。左は俊貴(20)がロングスローを入れられる。

このニクイまでの落ち着きが,ハスのダンディズム。

慌てない。どれだけ心が燃えていてもクールに。

セーフティにが第一。ボールを失えば,相手にチャンスが生まれる。

ハス,ナイスプレイ!

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鈴鹿は先制の後,押し込まれながらも,ガッツリ反撃している。

セカンドボールの奪取が良く,リンタロウのミドルも放たれる。

守っちゃダメ。そのままそのまま。

 

アンカーの藤田(6)を頂点とした,コンパクトなディフェンス陣。

リンタロウ(7)をトップとした,五角形の攻撃陣。

それぞれが上手く連動している。

 

まだ言えない。

また思っちゃいけない。

だけど,頭によぎってしまう。

(今日は良いぞ!!!勝てるぞ!!!)

 

奈良の攻撃が鋭さを増す。

鈴鹿はコンパクトに中に絞っているので,簡単に言うと,逆サイドが開いている。

奈良が左から右へ大きくサイドチェンジ。

しかし,そこが空いているのは,みんな把握している。

だから,それは読んでいる。

蓮沼(14)と海口(19)が逆サイドをキッチリ止める。

奈良はいったん後ろに戻すが,ディフェンス裏に超絶技巧のフワッとしたボールを送る。

緩,急,緩,のチェンジオブペース。

一瞬,ハッとなる。

危ない!

 

センターバックの左,「マッスルキングダム」,中村俊貴(20)

先に言っておこう。今日の俊貴は鬼。

現地のNカメラマンから試合後にメールが来た。

たった一言「鬼俊貴!」

メールは一言だけだが,言いたいことはよく分かった(なんで一言やねん!)。

ディフェンスの裏に抜けたボール,それに飛び出すゴールキーパーの力哉。そして俊貴の反応も早い!

その超危険なボールをクリア!

先制点を挙げていると,どうしても後半の終盤は守備に入って押されてしまう。

これまで鈴鹿は,この守り切るというのが,とても苦手だった。

特に後半の俊貴の怖いこと怖いこと。

俊貴のスーパーディフェンスは,その後も集中を切らすことなく続く。

もう人間じゃない。鬼が守っている。

鬼俊貴。

俊貴。ええじゃないか。

それそれ。鬼俊貴ナイス!

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鈴鹿は慌てていない。

攻撃にも手数をかけている。

しかし,奈良の攻撃は押し返せずに,ジリジリと激しさを増す。

鈴鹿サイドバックの裏にロングボールを入れて,斜めにフォワードを走らせてくる。

 

鈴鹿ゴールキーパー,「男岩」,岩脇力哉(23)

天皇杯に出ていないのか不思議なくらい好調を維持している。

ハイボールも,バックパスも丁寧に処理しており,ミスは無い。

そして,高いディフェンスラインの裏も,もう一人のフィールドプレイヤーとしてディフェンスしている。

奈良クラブの裏へのロングパスに,ペナルティエリア外まで飛び出して,ヘディングでクリアする。

勢いあまって,奈良クラブの選手と交錯するが,力哉は強い子だから大丈夫。

ゴールキーパーという最後の砦でありながら,最終ラインの後ろのフィールドプレイヤーとして,アグレッシブにプレイを続けた力哉。

フィールドプレイヤーの意識もあるだけに,プレイエリアはペナルティエリア内に留まらない。

飛び出しに迷いが無く,ディフェンスとの連携も良い。

給水タイム直後の,奈良攻撃陣の意表を突くヒールパスに対しても,力哉は見えていた。

思い切った飛び出しでゴールを守る。

力哉!

そのプレイは,ワンダフル。

その気持ちたるや,熱盛。

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後半28分。

試合は,だんだんと当たりが激しくなってきた。

接触で藤田(6)と,菊島(15)が痛めている。

菊島は体を起こした。

藤田がプレイを切らぬ状態で倒れているというのは大変だ。

痛くてもプレイを切るまで,藤田ならば倒れない。

背中がゾッとする。

大丈夫か?

 

佐藤和馬が準備しているが,そのまま交代するか?

藤田は・・・大丈夫そうだ。

藤田,痛いだろうけど,がんばれ!

 

後半30分。

(OUT)10和田篤紀 ⇔ (IN)18佐藤和馬

 

前半から飛ばしてチームを引っ張った,和田篤紀(10)が交代。

ここで和馬(18)が入る。

 

和馬は,攻撃的な選手でありながら,フィールド全体を見てバランスがとれる選手。

そして,勝利にこだわる献身的なプレイができる。

ここで和馬が入れば,不用意なオープンスペースはできない。

さあ,和馬。やったろうぜ!

 

残りは15分。

鈴鹿は守りに入っている感じはないが,攻め急いでもいない。

前線にパスがつながる回数は前半と比べて少ないが,海口(19)の運動量は落ちておらず,セカンドボールへのアクションも早い。

和馬は左のサイドハーフに入ったようなので,鈴鹿は4-4-2になった。

 

後半33分。

(OUT)15菊島卓 ⇔ (IN)16小口大司

 

この終盤で,相手にとって一番厄介な小口が入る。

獰猛な小口のボールチェイスは,奈良のディフェンスに圧力をかけるはず。

小口,残り15分だ!ずっとダッシュでガンバレ!

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元気な小口は走るスピードを止められず,勢い余ってファウル。

小口がイエローカードをもらったところで,リモートの具合が悪くなり,画像が途切れる。

クルクルが続く。

画面が動かない。

 

大丈夫か?

耐えているか?

選手たちは引いていないか?

 

リモート画像復帰。

1対0にホッとする。

残りわずかだ!

 

後半36分

(OUT)14蓮沼翔太 ⇔ (IN)26今井那生

 

バランスを取り続けた蓮沼が交代。

実はめちゃくちゃ空中戦が強い今井那生が入る。

おそらくここでベンチの指示は,「守り切れ」になったと思う。

 

奈良の後方からのロングボール。

競り合いの中,高さで上をいかれて,ボールを落とされる。

奈良の選手がヘディングの落としに,ドンピシャで走っている。

危ない!・・・えっ!

奈良の選手が走り込む前に,力哉が前に出て体を投げ出しコースをふさいでいる!

力哉!!!なんというスーパーな飛び出し!

あまりのハイスピードナイス飛び出しに,奈良の選手も止まれずに力哉に接触

力哉もダメージを負うが大丈夫。

力哉は大丈夫。

力哉は大丈夫。

力哉は大丈夫と,祈るように手を合わせるナカニシ。

 

鈴鹿は前線に小口(16)とリンタロウ(7)を残しており,無理に攻めあがらない。

両者ともに,1対1ならば確実に勝負する強力なフォワード。

その為,奈良もディフェンスは3人残っている。

鈴鹿は4ディフェンス4ミッドフィールダーの2列がキッチリそろった形。

この形で足を止めて攻められるとしても,なかなか鈴鹿のディフェンスは割れない。

 

気が付けば,奈良は3バックを残して上がっている。

おそらくディフェンダーの長身選手がパワープレイで上がってきている。

 

俊貴(20),川里(3),野口(34),那生(26)ディフェンスがなんとかクリアするが,競り合った状態なので距離が出ない。

そのセカンドボール奪取からのミドルシュートを狙われている。

 

奈良は5人が前線に張り付いている。

後手に回るとパスを通されるので,最初の1手目で厳しく球ぎわに競り合わねばならない。

川里がディフェンスラインから前に出てヘディングでクリア。

川里は,イザというとき,持ち場を離れてプレイができる。そういうところ見事!

 

前線でリンタロウ(7)と小口(16)が時間を使いたくて,ボールを欲しがる。

ただ,奈良も激しくマーク!

 

ファウルやコーナーキックも増えてきた。

膠着してはいるものの,セットプレイは何が起きるか分からない。

 

激しい攻防。

厳しい鈴鹿

 

アディショナルタイムは5分。

 

ゴールキーパーコーチの高宮が,ベンチから出たり入ったりしている。

小澤コーチが指示を出している。その声がいつもより良く聞こえる。

そう,小澤コーチはただの通訳じゃない。その熱さとその指示をグラウンドへ。

 

奈良はロングボール一辺倒。バンバン上げてくる。

そのうえ,セカンドボールを奪いに来るので,攻撃が分厚い。

ハイボールに対するゴールキーパー力哉(23)のミスは無い。

そして,このタイミングでもオフサイドを取る川里(3)。

海口(19)のスピードは落ちない。ボールをキープし前線に運ぼうとする。

 

ギリギリの攻防だが,シュートを打たれていない。

まだ,鈴鹿は踏ん張れている。

 

AT5分は経過している。

カニシの時計では6分を越えた。

 

鈴鹿陣内でフリーキック

おそらくラストプレイだ。

集中。

パソコンのディスプレイの前で祈るナカニシ。

 

・・・・クリア!!!

 

ここで試合終了。

ふぅーーー。キツかった。

 

 

 

両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさんお疲れさまでした。

良かったですね。勝ちましたね。

リモートで手に汗握りながら応援していた鈴鹿サポーターみなさん。

やったね!勝つと嬉しいですね。

試合後に,奈良のサポーターの方たちが,うちの和馬に拍手をしてくれたそうです。

ありがとうございます。感謝いたします。

 

鈴鹿奈良クラブに勝ったのは,初めてだと思います。

おそらく練習試合でも勝った記憶がありません。

その強い奈良クラブに対して,1対0で勝利できたのは,とても嬉しいです。

 

天皇杯の敗戦後,選手や監督スタッフはうなだれていました。

もちろんナカニシも底の底まで元気がありませんでした。

でも,今日はみんなご機嫌です。

どこをどう見てもナイスゲームでした。

 

さて,この試合のVictoryCross賞(ナカニシの選ぶMVP)ですが・・・。

考えに考えましたが,どうしても1人に絞れなかったので,2人です。

ゴールを守り通した2人。

「鬼俊貴」,中村俊貴選手(20)

「男岩」,岩脇力哉選手(23)

男の中の男を2人並べて書くと,とても暑苦しく感じますが,この2人のプレイには,ナカニシ心から感服です。

2人ともナイスプレイ!

次も頼むぜ!

 

試合を会場で見たくて仕方がありません。

もっともっと歌って,もっともっと選手を称えたいです。

選手チャントを聞いたことのない新入団選手もいます。

鈴鹿サポーターはたくさんの歌を持っています。

そして,みんなでバンザイしたいです。

 

叫んで,笑って,祈って,嬉し泣きして。

早くそんなスタジアムで,選手たちと共に試合を戦いたいです。

 

今日はもう一度,YouTubeで試合を見返します。 

みんなお疲れさまでした。

勝ったね。良かったね。

 

次も勝つぞ!!!

 

ではまた。

 

(今後の試合)

JFL第22節 9月27日(日)12:00 対 高知ユナイテッド@宿毛(アウェイ入場制限)

JFL第23節 10月3日(土)13:00 対 いわきFC@AGF陸上競技

JFL第24節 10月17日(土)13:00 対 FCマルヤス岡崎@港陸上競技

⇒ 今後のコロナウイルスなどの状況により変更可能性あり。

 

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