みなさんこんばんは。
2023シーズンの最終戦の後、ナカニシは選手のお見送りをほとんどしていませんでした。
(小野寺選手とだけVictoryCross大賞の撮影をした)
たくさんのファンが選手を取り囲んで、サインをもらったり写真を撮っていました。
うちの選手たちが、こんなにたくさんの人に応援していただいている・・・
それだけで、ナカニシは感謝感激でした。
ナカニシが選手のお見送りしなかった本当の理由は、選手から最後の挨拶をされるのが怖かったためです。
なので、選手たちが会場を後にするまで、ノボリを片付けたりしていました。
しかし、一人だけ最後までナカニシを待っていた選手がいました。
その選手からメッセージの入ったグッズをもらいました。
本当は、もらいたくなかった・・・。
本当は、待っていて欲しくなかった・・・。
本当は、応援のお礼の言葉を聞きたくなかった・・・。
ナカニシはどんな顔をしていいか分からず、言葉がノドに詰まって、何も言えませんでした。
そして今、まだ心の整理できないので、山内の前では何も言えないなぁ、と思っています。
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山内健史(9)
山内健史選手 現役引退のお知らせ | 鈴鹿ポイントゲッターズ (suzuka-un.co.jp)
山内が鈴鹿に来たのは、2020年です。
山内は怪我が多かったらしく、ヴィアティン三重でほとんど出場機会が無く、得点も挙げれていませんでした。
ヴィアティンで出られなかった選手に、ポジションを奪われるな!
鈴鹿の選手達!負けんなよ!
ナカニシは最初そんな感じで思っていました。
山内が来たころに、コロナ禍が始まりました。
シーズンの試合は後半の半分になり、無観客の試合ばかりでした。
出口の見えない暗い時間が過ぎていきました。
最初に山内の素の言葉を聞いたのは、岩脇力哉選手のインスタライブです。
コロナ禍の中でサポーターを元気付けようと、岩脇選手の始めたインスタライブで、新入団選手の紹介がありました。
それまで、鈴鹿サポーターは新入団選手のプレイどころか、話した言葉すら聞いたことがなかったのです。
山内選手は、とても穏やかな声で話す若者でした。
初めて試合で山内を見たのは、鈴鹿がリードしている場面の残り5分のタイミングでした。
サイドハーフで出場し守り切った山内は、試合終了の瞬間、絶叫のような雄叫びを上げました。
山内の勝利への猛烈な「餓え」を感じました。
サッカーに人生を賭けている。
サッカーに全てを賭けている。
インスタライブで見た時の穏やかな若者ではなく、激しい熱さと強い心を持つ選手でした。
山内は、途中出場や途中交代が多かったです。
その身を焦がすほどの獄炎のプレイは90分間も続かなかったためだと思います。
本当に自分を削るような激しい炎のプレイヤーでした。
2021年に監督が変わると、相手ディフェンスラインの裏を切り裂きまくりました。
山内の前にボールが出れば、そのスピードと熱いプレイに付いて来られるディフェンダーはいませんでした。
小柄な体なんて関係ありません。
山内に触れる事さえできず、相手ディフェンスは寸断されました。
「ワンダーボーイ」
元イングランド代表のマイケル・オーウェン選手の異名です。
それほど山内の裏への抜け出しは完璧でした。
2023年。
山内はサイドでプレイすることが多かったのですが、鈴鹿は失点が多く、全員がディフェンス重視となる場面が多々ありました。
山内も全力でディフェンスを頑張っていましたが、その分、本来の持ち味である縦への攻撃回数が減りました。
ナカニシは悔しくて悔しくて何度も言いました。
山内はもっと行けるのに!
山内はもっとできるのに!
山内の前にボールを出してくれ!
山内!
山内は前だ!縦だ!裏だ!
後ろはいらない!
山内は前だ!
山内の全身全霊のプレイは、ナカニシだけでなく、たくさんのサポーターの心を震わせました。
Nカメラマンは、山内のハイスピードのプレイを写真に抑えるために、カメラのレンズを買いました。
「山内レンズ」と名付けられたその高性能レンズは、一度も山内のゴールシーンを撮ることができませんでした。
Nカメラマンは山内のゴールの時、涙が出て仕方がなく、シャッターを押すことができなかったためです。
鬼と呼ばれ、鋼の心を持ち、生まれた瞬間以外、泣いたことのないナカニシも、例えば涙が出るとするならば、山内のゴールの時かもしれません。
山内がその1点にどれだけ餓えて、どれだけの時間を費やしてきたのかをよく知ってるからです。
今シーズン山内は立派に2点を取りました。
ナカニシの目に涙があったのかどうかは、分かりません。
ゴールの場面もよく覚えていません。
ただ、ただ、もの凄く、もの凄く、もの凄く、嬉しかったです。
山内の引退のコメントがアップされました。
感謝の気持ちがギュウギュウに詰まったコメントでした。
チームスタッフにも、ヴィアティン三重にも、勤め先の方にも、お世話になった方にも、みんなに感謝の気持ちの溢れるコメントでした。
こんなコメント書ける選手いる?
それが山内健史。
それがみんなか大好きな山内健史!
山内はその長いコメントを、「とても幸せなサッカー人生でした」と締めくくりました。
本当は辛いことの方が多かったと思います。
決して順風満帆ではなかったはずです。
それでも、
それでも山内が鈴鹿で引退して、こう言ってもらえると、サポーターとして少しだけ救われた気持ちになります。
サッカーが人と人とを繋いでくれます。
引退しても、山内がここで流した汗を、ナカニシは決して忘れません(本当)。
山内健史選手の前途に幸多きことを心より祈ります。
負けるな!
がんばれ!
山内!また会おうぜ!
ではまた。