みなさんこんばんは。

本日，東海リーグ最終節がホーム石垣池公園グラウンドで行われました。
この試合が，２０１５シーズン鈴鹿で闘う最終戦です。
まだ，地域決勝進出の可能性はあるとはいえ・・・。

リーグ最終戦は寂しいです。

この最終節は鈴鹿が勝利しても，敗れても東海リーグ「２位」は変わりません。

試合前にサポーターと話をしました。
「この試合の後，もう名前を呼んであげられなくなる選手がいるかもしれない。最後の最後までしっかり応援しよう。」

試合の前日から気持が高揚しているのはいつもと同じ。
ただ，言葉にできない寂しさと，腹の奥に重く沈む切なさがある。

選手たちが闘うならば，地獄までも共に行こう。
選手たちが闘うならば，どんな試合だって全力で応援しよう。

ナカニシは所要により少し遅れて会場到着。
仲間のサポーターたちと，急いで横断幕の準備をする。

徐々にお客さんが入っていく。

今日の対戦相手は矢崎バレンテ（以下，矢崎と書きます）。
前期の対戦では敗戦している。

上等だ！
ＦＣ鈴鹿の力を鈴鹿の地で見せてやろう！

いくぜ！
本日のスタメン（以後敬称略）
ＦＷ　１０北野純也・１８北脇健慈
ＭＦ　２５矢野純平・７保﨑淳・２３山之内優貴・２８小澤司
ＤＦ　２４温井駿斗・６藤田大道・１４久保拓也・９大村亮平
ＧＫ　１３柴田大地

試合開始。

試合の入りは落ち着いている。
バタつく感じもなく，淡々とした立ち上がり。

矢崎は堅守速攻。そして体が大きくフィジカルが強い。
鈴鹿は中盤を飛ばして前線に早くボールを入れる。
北野（１０），北脇（１８）にボールが渡れば，そこを起点として攻撃をつないでいく。

ボランチの保﨑淳（７）。
矢崎の速い攻撃に対応するため，かなり引き気味にポジションを取っている。
久しぶりのディフェンスでのスタメンの久保（１４）の位置を見ながら，ディフェンスラインの調整をしている。
最終ライン近くまで引いてきて，そこから高精度のロングボールをサイドに振り分けている。
試合の入りは慎重。
保﨑に油断は無い。

矢崎のディフェンスは空中戦に強い。
そして矢崎の攻撃陣は，速いうえにプレッシャーに強い。
中盤のボール回しや，ディフェンスでのやり取りでパスミスをすると，一気にスイッチが入り，厄介な攻撃を仕掛けてくる。

前半の序盤。
試合は５分と５分。

前半の半ばまで，両チームともにコーナーキックが無かった。
つまり，両チームともにそこまで深く攻め込めなかったと思う。

前半１５分くらい
矢崎のこの試合最初のコーナーキック。
両チームの選手が中で競り合うが，ボールがこぼれたところに偶然矢崎の選手が。
ゴールが空いている！！ヤバイ！！！

しかし，超反応でゴールとの間に立ちふさがり，シュートをセーブしたのは・・・。
「ジャイアン」柴田大地！！！
すげーーーーーー！！！

前半の序盤，縦に抜けてくる矢崎の選手を，鈴鹿ディフェンスが捕まえ切れない場面があった。
センターバックのギャップをつき，上手いタイミングで抜けられ，あわやの場面も。
しかし，鈴鹿ゴール前にはいつも柴田が立っていた。
派手なセーブではなく，確実に，完璧に。
シュートされたボールは不思議と柴田の手の中に入っていた。
とめどなく，限りなく，素晴らしいプレイ。
前半だけでもビッグプレイを３発。
見事としか言いようがない。
柴田。頼むぞ！！！

センターバックの久保拓也（１４）。
東日本大会でもセンターバックを務め，見事優勝をつかみ取っている。
榊の出場停止のため，センターバックに入るが，序盤は少し硬さが見られる。
藤田との位置関係も少しずれていて，中央にスペースができてしまうことも。
しかし，試合が進むにつれ，落ち着きを取り戻し，クボタク本来のプレイが見られるようになる。
ルックアップし，まわりを良く見て，しっかりとしたプレイ。
クボタク，矢崎の縦への突破は鋭いぞ！
きっちり止めてやれ！！

同じくセンターバックの「スーパーコンピューター」藤田大道（６）。
精密機械のような確実なプレイは，派手さは無いもののディフェンスに必要な要素をすべて兼ね備えている。
フィジカルに勝る矢崎相手に，一歩も引かぬディフェンスをしたかと思えば，裏への抜け出しにも反応が早く，実にセーフティーにプレイしている。

その藤田が！！！

前半２７分。
前線で北野（１０）が粘ってコーナーキックを得る。
蹴るのは小澤司（２８）。
超高精度のコーナーキックは一点を目指す。
誰の頭よりも高く抜け出すのは・・・藤田のアタマだ！！！
叩きつけるような，お手本のような，完璧なヘディングシュート一閃！

ゴーーーーーーーーール！！！１－０

見事なヘディング，さすが藤田！！！
素晴らしいコーナーキック，さすが小澤！！！

先制しても鈴鹿の攻勢は続く。
前半半ばを過ぎ，矢崎陣内でのプレイが増える。
鈴鹿の選手の足が動き，ボールも動き，なめらかな波のように流動している。
面白い。

左サイドハーフの「ファイティングファルコン」矢野純平（２５）。
矢野のプレイはいつも全力疾走。
あきらめないプレイ。
しつこいプレイ。
あついプレイ。
この試合では，サイドバックに攻撃的な温井（２４）が入ったため，攻撃と共にディフェンスに戻ってのプレイもしている。
攻守にバランスを取り，攻守ともに大きな存在感を見せる。スーパーな運動量とスピード。さすが矢野純平だ！
純平。鈴鹿に帰ってきてくれてありがとう。
純平は，鈴鹿の誇りだぜ！

前線の北脇健慈（１８）。
前節の藤枝市役所戦で，無双の強さを見せつけ藤枝陣内を蹂躙したプレイは，ナカニシの目に焼き付いている。
大きな体の矢崎ディフェンスに対し，岩のようにボールをキープする北脇。
上手いとかではなく，単純に強い！！
北脇のプレイの良さは，その強さでゴールを目指すだけでなく，周りが本当によく見えているところ。
なので，周りを活かすプレイも上手い。

前半４０分。
矢崎のコーナーキック。
こぼれたボールを北脇が拾う。
全力でカウンター！！！！
前線に走り出しながら，相手を１人抜きさり・・・。

駆け上がってきたのは，なんと！センターバックの久保！！！
ドンピシャのタイミングで久保拓也（１４）にパス！！！
凄いパスだ！
燃え上がるスタンド！
叫ぶナカニシ！

ゴールキーパーと１対１になった久保は，ゴールキーパーをかわそうとするがディフェンスされる。
すかざすフォローに来たのは北野純也（１０）！
北野のクロス！

中で合わせるのは・・・なぜ，なぜ，そこに大村がいる？
いつの間に・・・。

大村のヘディングシュート！

ゴーーーーーーーーール！！！２－０

コーナーキックを北脇が拾ったところから，全員が全速力でカウンターに走っていた。
みんなで走ってつかんだ１点。
大村がスタンドに掲げる右手がなんて誇らしげなんだろう。

この試合。
前半の序盤は保﨑のポジションが低かったため，ゲームを作る基点が低く，ロングボールが多かった。
どちらかというと，単発の攻めが多く淡白な感じがした。
前半の終盤になると，カウンターを警戒し，保﨑のポジションは低いながらも，２列目で小澤がゲームを作り，攻撃の始まるところが矢崎ゴールに近くなってきた。
さらに，小澤はセカンドボールも拾いまくっている。

「ライオンキング」小澤司（２８）。
「鈴鹿の試合が知りたいならば，小澤のプレイを見ればいい」
今シーズン開幕戦での大怪我のため，たくさんの試合に出られなかった。
シーズン終盤で復帰したものの，小澤の本来の力が発揮されたとは思えなかった。
パス，ドリブル，シュートをこれだけ高次元で備えている選手を見たことがない。
ここのところ周りとの連携も上がっている。

前半ＡＴ。
保﨑からのパスを胸で丁寧にトラップする小澤。
矢崎ディフェンスが寄せてくる。
小澤のドリブル。
するするするするっと，無人の野を行くかの如くゴールに迫る。
そして狙い澄ましてシュート。

ゴーーーーーーーーール！！！３－０

ゲットゴール司ラーラーラー，小澤司，ラーラーラー！！！！
ナイスゴール小澤！

ここで前半終了。

前半終わって３－０。
守備でのバタつきはあるものの，きちんと決めるところを決めている。
選手たちは，順位にかかわらずこの試合を全力でプレイしており，気持で緩んでいるところは無い。
前半が終わってベンチに帰ってくる時，柴田と藤田と久保がポジショニングの話をしている。
まだまだ彼らは強くなる。

選手たちは全力で勝利を目指している。
サポーターも負けちゃいられない。
今シーズン最高の応援をしようぜ！

後半開始。

後半の入りも安定している鈴鹿。
矢崎の前線とディフェンスラインの間が開いてきた。
ロングパスからのカウンターは相変わらず怖いが，パスの出どころが後ろ目なので，藤田が十分に対応できる。
中盤のスペースが開きだし，次第に山が動き出す。

鈴鹿の中盤を支える山。
堂々の前半戦ＭＶＰ。山之内優貴（２３）。
ハイプレッシャーの中で競り合い，削り合いながらプレイしているが，ディフェンス時には要所で時間を使わせたり，危ないパスコースを切ったり，ボールの無いところでも十分に試合に絡んでいる。
後半から徐々に中盤にスペースができてきて，前線への影響力を発揮し始めた。
派手なプレイをしているわけじゃない。
地味なプレイをコツコツと。
縁の下の力持ち。
縁の下でも輝いてるのが見えるぞ！

後半１８分
（ＯＵＴ）２４矢野純平　⇔　（ＩＮ）１１パブロ

攻守に渡ってバランスを取っていた矢野が交代。
矢崎の足が止まってきた。
さらに攻めるためパブロを投入か。

後半の半ば。
ボール支配率は鈴鹿。
６対４から７対３。

シュートも打っている。
サイドも侵略している。
ボールも人も動いているが，なかなかゴールを割ることができない。

左サイドバックの温井駿斗（２４）。
サイドバックだが攻撃的な選手。
矢崎のサイドのプレッシャーが少ないため，ポジションも高めに位置している。
保﨑からの大きな展開で，良い場所でボールを受けている。
後半になり，さらに攻撃的にプレイするようになった。
思い切った左足のミドルシュートが火を噴く！！！
矢崎ゴールキーパーの正面だが，温井のシュートの威力が強すぎてキャッチできない。
そのこぼれたボールに飛び込む北脇。
惜しくもゴールならなかったが，遠近入り乱れて矢崎ゴールを攻め立てている。

左の温井と共に，矢崎サイドを攻める右の大村亮平（９）。
前半のゴールは素晴らしかったが，その後のプレイも大変良い。
サポーターが話をしている「大村は，ゴールで気を良くして良いプレイ連発してるなー」
乗っている大村。
小澤とのボールのやり取りから，矢崎ディフェンスを翻弄している。
とても良いぞ大村。
なんかノリノリじゃないか。

後半途中から入ったパプロ（１１）。
いろんな試合で惜しいシュートがたくさんあった。
ドリブルもシュートも良いのだけど不運が続く。
サポーターみんながパプロのゴールを待っている。
後半途中からの出場だが，弾丸ミドルシュートや，見事な抜け出しでゴールキーパーと１対１など，見せ場をたくさん作る。
しかし・・・ゴールを割ることができない。

後半３０分。
（ＯＵＴ）１４久保拓也　⇔　（ＩＮ）１５大久保龍太

久保の足がつっているように見える。大丈夫か？
代わって入るのは，「闘将」大久保龍太！！！

後半３３分
（ＯＵＴ）７保﨑淳　⇔　（ＩＮ）１７杉本翼

杉本翼がサイドハーフに入る。
そしてそのすぐ後・・・。

前線に君臨する「ギラギラした北野」北野純也（１０）。
シーズン前半は，迷うようなプレイが見られた。
２０１４シーズンは東海得点王を取ったが，その時にラストパスをつないでいた，竜二，青島，徳地，原は誰もフィールドにいない。
欲しいところにボールが出てこず，キャプテンの責任もあって辛いシーズンだったと思う。
しかし，リーグ中断期間や東日本大会で，以前のギラギラ感が取り戻されてきた。
俺にボールをよこせ！
俺がゴールを決めてやる！
それでいい。北野にはゴールが良く似合う。

後半３４分。
入ったばかりの杉本翼から北野へ最高のスルーパス。
タイミング，角度，スピード，バッチリ！
抜け出した北野もオフサイドギリギリ！