VictoryCross

アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

全社東海ブロック予選決定戦 対 FC刈谷

みなさんこんばんは。

全国社会人サッカー選手権に出場する「鈴鹿アンリミテッドFC」のサポーターをしております,ナカニシと申します。
早い時間の試合だったのですが,試合が終わって,やっとぐっすり眠れましたので,相変わらずの深夜更新で申し訳ありません。



決戦の夜があける。
早朝より目を覚まし,準備をしながらいろんなことを考える。
土曜の試合の影響で,体が重たく,腕を上げるのも億劫に感じる。

今日の対戦相手は,FC刈谷(以下,刈谷と書きます)。
現在,東海リーグを無敗の8連勝で独走している。
これまでのシーズンで,刈谷とは何度も対戦してきた。
何度も負けたし,何度も勝った。
しかし,今年の刈谷は過去最強という話を聞く。

最強の対戦相手。
無敗のリーグ首位。

望むところだ。
俺たちは最強の対戦相手を倒し,そして全国へ行く!

会場に到着し,サポーターの仲間と一緒に横断幕を設置する。
少し動くだけで汗が噴き出してくる。
暑さと湿気。
準備ができたころには,ヘトヘトになるナカニシ。

昨日の夜から,「試合に勝った自分の姿」と「試合に負けた自分の姿」を想像してしまう。
どれだけ頭から振り払っても,延々とその事を考えてしまう。
勝ったら・・・。
負けたら・・・。

選手たちを信じろ!
時は来た!
全力で応援する。
試合後はぶっ倒れてやる。
ただそれだけだ。

いくぜ!!!!!

本日のスタメン(以後敬称略)
FW 10北野純也
MF 25矢野純平・28小澤司・11泉宗太郎・8渋谷亮・4吉川拓也
DF 6藤田大道・34野口遼太・21藤井竜・3村田雅則
GK 31岡田明久

試合開始。

試合の入りは悪くない。

昨日も試合に出ていたボランチの渋谷亮(8)。
今日も大きなスペースをしっかりと埋めている。
土曜の試合で後半途中まで試合に出ていたので,体は疲れているはずだが,渋谷の闘志と厳しい声はスタンドにも届いている。
相手への寄せと,コースの切り方が早いため,後ろの選手がひと呼吸置いて守備に入れている。
鈴鹿に来たころと動きが少し違う。
ディフェンスに走るだけでなく,前線に飛び出し攻撃の幅も広げている。
前半特に渋谷の動きが際立った。
渋谷からビルドアップし攻撃につなぐ形が効いている。
渋谷,良い声がスタンドまで届くぞ!
サポーターも渋谷に届くような声を出すぜ!

左サイドの「ワイルドスピード」泉宗太郎(11)。
今日の泉は特に良い動きをしている。
相手の攻撃を待って防ぐよりも,自分から仕掛けて相手の先手を取る感じ。
後ろから藤田大道(6)のバックアップも効果的。
長らくブログに書かなかったが,100個あると言われている鈴鹿のストロングポイントのひとつはセットプレイからの得点。
えぐり込むような泉の攻撃から,鈴鹿コーナーキックが多数生まれる。
良いぞ泉。
切り裂け,ジャキジャキに切り裂いてしまえ!
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刈谷の攻撃はサイドを深く攻めるというよりも,アーリークロス気味に早めに前線に放り込んで勝負する感じ。
刈谷サイドバックが前に出てくるのは,こちらのサイドバックの上がった裏を狙う時。
つまりサイドはパスの連携やドリブルでの突破というよりは,大きな展開から,サイドバックの裏のスペースをフリーで狙うことが目立つ。
そのため,村田(3),藤田(6)共に前半は無理をしていない。
サイドハーフのビルドアップ中心。

鈴鹿の右サイドバック「ライトサイドキング(右の王)」村田雅則(3)。
ドリブルで村田と勝負はしてこない。
前に出ると裏のスペースにロングボールを放り込まれるが,村田の足は並みの足ではない。
スピード+スタミナ。走りあいで負ける村田じゃない。
そして危機を察知する嗅覚。
村田の裏を簡単に取れると思うな。
今日の村田も絶好調だ!

前半の序盤は6対4で鈴鹿のペース。
刈谷は昨日とほぼ同じメンバーで激戦をしているので,少し疲れているか?

ゴールキーパーの岡田明久(31)。
ロングボールで前線に入れてくる相手に対し,ディフェンスの裏の処理やハイボールのキャッチに狂いはない。
さすが岡田。さすが岡田明久。
前半。刈谷の素早いリスタートの際は,一瞬,鈴鹿のディフェンスが破られたが,その時も岡田は相手をよく見ていて,1対1をキッチリ止めた!
ビッグプレイすら冷静に淡々と処理。
恐ろしいほど試合に集中している。
見えている。今日の岡田は全て見えている。
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鈴鹿のほうが刈谷陣内に深く攻め入っている。
刈谷鈴鹿陣内深くに入れないのは,ヤツがいるから!

ボランチ鈴鹿山脈の一角。吉川拓也(4)。
前述のとおり,刈谷の攻撃の中心はロングボールで強力なワントップにボールを放り込む形。
そしてそのワントップが斜めに走ることによって,ディフェンスのギャップを作り他の選手がそのスペースに割り込んでくる。
つまり,刈谷のワントップにボールを入れさせてはならない。
ロングボールに対して,完璧な迎撃をする吉川。
吉川の後ろには,空中戦最強の藤井(21)も待ち構えているが,特に今日は吉川のヘディングでの跳ね返しが目立った。
相手も吉川がいないところにロングボールを放り込んでくる。
しかし,着地地点には吉川が回りこんでいる。
アタリはきつい。プレッシャーも激しい。
吉川,全部のプレイで競り勝て!
勝てるヤツが全国に行くんだ!
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前半はほぼ鈴鹿ペースで進む。
しかし,刈谷のディフェンスはやはり硬く,良い形でシュートまで打たせてくれない。
やはり刈谷。強い。

押している鈴鹿はセットプレイで何度も刈谷ゴールに迫るが,やはりゴールをこじ開けることができない。

前半,半ばを過ぎ・・・。

鈴鹿のディフェンスを仕切る「THEディフェンダー」野口遼太(34)。
刈谷のロングボールへの対応は間違いない。
斜めに走る攻撃陣も,野口の目にはよく見えている。
ドンとした安定感。安心して見ていられる安心感。
声の指示も良く出ていて,声もプレイのひとつと感じさせてくれる。
ディフェンスをするからディフェンダー
いやいや,野口にはもうひとつの顔があるんだよ。

前半32分。
刈谷陣内ほぼ真ん中からのフリーキック
蹴るのは小澤司(28)。
刈谷ゴールキーパーに阻まれてコーナーキックへ。

右からのコーナーキック
蹴るのは小澤司
これも刈谷のディフェンスに阻まれて再度コーナーキックへ。

そして左からのコーナーキック
蹴るのは小澤司
3本のセットプレイが続く。
次の小澤の狙いは・・・。

遠いサイドで警戒されていた藤田(6)がマークをはずしている。
叩きつけるヘディングはゴールではなく中への折り返し。
その折り返しは寸分狂わず,野口の足元へ。

落ち着いて野口はワントラップ。
ゴールとの間には刈谷ディフェンスが多数。
狙い済ましたシュートは誰にも当たることなく,スッとゴールに吸い込まれる。

なんとダンディな男のシュート!

ゴーーーーーーーーール!!!1-0


鈴鹿サポーターから野口のコールが起きる。
野口―野口―,野口野口遼太―。
野口―野口―,野口野口遼太―。
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ナイスシュート野口。
ナイスヘッド藤田。

先制点を上げても鈴鹿の選手に変化はない。
よく集中している。
よく試合に入り込んでいる。

鈴鹿の前線で体を張る「餓狼」北野純也(10)。
何度も何度も刈谷からゴールを奪ってきた北野。
当然,刈谷のマークも激しく厳しい。
なかなか前を向かせてもらえず,背中にディフェンスを背負ったプレイが続く。
北野がポストプレイをすることで,かなり刈谷から削られているが,北野の後ろでは小澤(28),矢野(25),泉(11),渋谷(8)が虎視眈々と狙っている。
この試合,マークのきつい自分にディフェンスをひきつけて,周りを使う北野のプレイ。
強引に打つのではなく,いったん仲間に預けてからの展開が効いている。
北野のプレイは日々進化している。
もう去年の北野じゃないんだよ。
今年の北野はもっと凄いぜ!
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前半は6対4で鈴鹿ペース。
しかし,刈谷のディフェンスは崩れていない。
やはり強い。そして上手い。

ここで前半終了。

がっくりヒザをつくナカニシ。
疲れた。
体が重くて仕方がない。

暑くなってきた。
2連戦で選手たちに疲れも出ているだろう。
サポーターが本当にがんばらなきゃいけないのは,厳しい試合のその時だ。

最後の力を選手に届けるために。
あともう半歩でも前に進めるように。

まだまだ声は出るだろう。
まだまだ手は叩けるだろう。
念を送れ。
歯を食いしばれ!
残り40分のことだけ考えろ!

いくぜ!

後半開始。

サイドハーフの「不死鳥」矢野純平(25)。
今日も明日も明後日も,矢野純平はしつこく粘り強い。
テクニックやスピードといった要素ではなく,とにかく火がついているかのように熱い。
この試合でも,とにかく喰らいつくプレイはさらに激しさを増し,体を投げ出すような勇敢なプレイを黙々とこなす。
そして純平には必殺のジャンプがある。
バネのように小柄な体が宙に浮く。
ゴール前,ヘディングで競り勝ち,落としたところに吉川が詰める。
惜しくもゴールならなかったが,後半もペースは鈴鹿優位に進む。
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鈴鹿の「皇帝」(戴冠しました)小澤司(28)。
この試合も圧倒的な存在感。
攻撃の全てが小澤を経由しているといっても過言ではない。
攻撃が終わったときから守備に入るまでの切り替えが早く,前線からパスコースを切って,相手を自由にさせていない。
小澤は攻撃だけの選手じゃない。
コースを切られて刈谷のパスの精度が落ちる。
そしてそれを見逃す中盤じゃない。
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小澤からのセットプレイも鈴鹿のストロングポイント。
ブログには書かないけど,「えっ」って言うようなボールも出す。
野口のシュートはわずかに枠の外へ。

後半も5分5分?ちょっと鈴鹿よりの展開。
刈谷の攻撃は鈴鹿のノド元まで届かない。

サイドバックの「スーパーコンピューター」藤田大道(6)。
土曜の試合もフル出場し,この試合でもフル出場している。
また,1点目の野口のゴールのアシストなど八面六臂の活躍。
この試合では,セットプレイ時以外はディフェンス中心のプレイ。
センターバックでも十分にプレイできる藤田が,きちんと下がってディフェンスしている。
そう簡単にはやられない。というか藤田は絶対に抜かれない。
斜めに走ってマークをはずそうとする刈谷攻撃陣に対して,中の様子を良く見たうえでフォローに回っている。
藤田上手い。さすが!

吉川(4),渋谷(8)のボランチもディフェンスだけでなく攻撃参加している。
小澤(28),北野(10)も前線から守備をしている。
良い試合だ。
みんな集中している。

後半20分。
灼熱のグラウンドで給水タイムが取られる。
水を飲む選手たち。
スタンドも,コンクリートの照り返しが激しくジリジリと暑い。

サポーターの仲間達に声をかける。
残り20分。
一番きつい時間帯だ!
サポーターの応援が選手に力を与えることを信じろ!
鈴鹿の選手にサポーターの想いは必ず届いている。
鈴鹿の選手の足は止まらない。
サポーターがついている限り,いつだって限界突破してみせる!

ここでノドを潰せ!
20分終わったらどうなったって良い。
カニシの馬鹿な体!
根性見せろ!

後半21分。
(OUT)10北野純也 ⇔ (IN)16柿本健太
(OUT)4吉川拓也 ⇔ (IN)2大村亮平

残り20分。
緊迫した試合で交代のタイミングは難しいが,ここで柿本と大村が入る。

残り時間わずか。
点差はわずかに1点。
刈谷も選手交代を行い,勢いが増す。

コーナーキックの混戦時には体ごと押し込もうとするが,岡田ががっちり守っている。

センターバックの「飛竜」藤井竜(21)
以前は対戦相手の刈谷に所属していた。
古巣との対戦にメラメラ燃えているだろう。
うちの藤井は刈谷の控えじゃない。立派な鈴鹿センターバックだ!
鋭く,高く,熱く,藤井のプレイが凄みを増す。
長い手足が刈谷の攻撃を寸断する。
見事!藤井のディフェンスは見事としか言いようがない。
鈴鹿の藤井竜!
絶対にここを通すな!
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後半28分。
前線から大村(2)のプレッシャー。
それが相手のパスミスを誘い矢野純平(25)がカウンター。
純平が前線にドリブルで駆け上がる。
刈谷のスライディングで転倒するが・・・。
「不死鳥」矢野純平は転んだだけでは止まらない。
転倒した勢いそのままに一回転して立ち上がり(!)大村にパス。そしてまた走る。
大村→小澤へと渡ったボールは,走り続ける純平の元へ。
純平からのパスに合わせるのは。

カ・キ・モ・ト・ケ・ン・タ!!!

柿本のヘディングシュート!!!
悲鳴のような大歓声!
キタ!!

ゴーーーーーーーーール!!!2-0


値千金の追加点。
喜ぶ選手たち。
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しかし・・・小澤の足取りがおかしい。
攻撃の要。小澤が怪我で交代?

後半29分
(OUT)28小澤司 ⇔ (IN)33福島立也

小澤が交代し,4-4-2になった様子。
残り10分。
ここが正念場だ!

途中から入った大村(2)も走り回っている。
渋谷(8)の運動量も落ちていない。
ディフェンスも安定している。

しかし,最後の最後の力を振り絞って突撃してくる刈谷の攻撃は迫力を増す。

刈谷は攻撃に思い切って人数をかけてきたため,危ないスペースでフリーとなる選手が出てきた。
センターバックの野口(34),藤井(21)も必死で攻撃の芽を潰すが,アンラッキーな形で相手にこぼれるボールもある。
ノーマークで飛び出してきた刈谷の中盤の選手がシュートを放つ!!!
ヤバイ!!!
その時,ナカニシの目に飛び込んできたのは,蛍光イエローのサッカーシューズ!!!
村田だ!!!!!
サイドのマークをいったん外して,シュートをブロックに行った村田が鈴鹿のゴールを救う。

混戦になってきた。
刈谷も総力戦で攻めてくる。
鈴鹿は前線でタメを作って態勢を整えたい。

前線で何とかボールをキープするため競り合う柿本。
そして柿本の落としたボールを狙う福島。
攻撃は最大の防御だが,攻守のバランスが難しい。
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後半35分。
鈴鹿右サイドの刈谷フリーキックをヘディングで押し込まれて失点。
2-1。

鈴鹿のディフェンスは崩されていない。
しかし,セットプレイはまさかの一発がある。
この場面でこの一発が出たのは厳しい。

残り5分。
最大級の刈谷の攻撃が始まる。
全力で守る鈴鹿

カニシのノドはヒーヒー言っている。
全身に力を込めて念を送る。
手を叩く。
体がふらつく。

選手と共に闘え!
それがサポーターだ!!!

そして試合終了。

ガックリと力が抜ける。
よっしゃーーーーーーーー!!!!!!

最高のバンザイを選手たちと共に。
全国社会人サッカー選手権愛媛大会に出場決定!!!
バンザーーーイ!バンザーーーイ!バンザーーーイ!

両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさん2連戦お疲れ様でした。
大会を運営していただいたサッカー協会のみなさん,準備などを手伝っていただいたチームのみなさん,お疲れ様でした。ありがとうございました。

鈴鹿アンリミテッドを応援していただいたみなさん,ありがとうございました。
みなさんの応援は選手たちの力になったはずです。心より感謝します。

今日の試合会場には,以前鈴鹿に所属していた松上大毅元選手が来てくれました。
今はサッカーを引退してお勤めしているそうですが,こうやって以前所属していた選手に気にかけてもらうのは嬉しい限りです。

そしてサポーターの仲間達。
みんなおつかれさま。
体調整えて,また来週の試合に挑みましょう。

今シーズンの刈谷とは初対戦だったのですが,やはり,とてつもなく強いチームでした。
リーグ戦後半で2戦しますが,それまでに刈谷はさらに強くなっていることでしょう。

鈴鹿アンリミテッドも今日勝ったとはいえ,まだまだ修正すべき点はあると思います。
そして,鈴鹿アンリミテッドはさらに強くなる「伸びしろ」をまだまだ残しています。


2日間を通して,選手たちの集中が途切れることは無く,常に良い緊張感で試合ができていたと思います。
また,試合終了後に選手たちは笑顔を見せていましたが,決して喜び過ぎてはいませんでした。
彼らにとって,もう次の試合は始まっています。
そして,本当の歓喜はまだまだ先にあります。


2日間で選手がかなり変わっているので,この大会のvictorycross賞は悩みました。
2連戦フル出場した藤田大道選手も素晴らしかった・・・。
中盤で新たな姿を見せた渋谷亮選手も見事だった・・・。
大会得点王の近藤和哉選手には次に大きな期待が持てる・・・。
・・・。
試合後にサポーターの仲間と話した結果,この2連戦のvictorycross賞は・・・
「THEディフェンダー」野口遼太選手(34)にあげたいと思います。
刈谷戦を0点に抑えられなかったので,本人は満足の試合ではなかったかもしれません。
しかし,難しい試合を最後まで守り抜いた統率力と,先制点は素晴らしかったです。
野口選手,これからも鈴鹿のゴールを守ってください。
そしてまたゴールとガッツポーズもお願いします。
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この試合の終わりの笛は,次の試合の開始の笛です。
とは言っても,今夜はゆっくり休んで体を癒してください。
そしてまた良い準備をして,次の試合に向けてがんばってください。

まだまだ厳しい試合は続きます。
喜び過ぎるのはまだ早いということも良く分かっています。

だけど今夜は最高の気分です。

勝ったぞーーーーーーーーーーーー!!!!!!

バンザーーーーーーーイ!!!


ではまた。



(次戦=東海リーグ第6戦)
日時:7月10日(日)15:00キックオフ
会場:AGF陸上競技場(石垣池グラウンド)
相手:常葉大浜松キャンパスFC