VictoryCross

アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

三重県選手権準決勝 対 皇学館大学

みなさんこんばんは。

現在,深夜1時をまわりました。
このブログの更新をお待ちのみなさん,いつも遅くなってすみません。

試合が終わってから,何度も何度も試合を振り返ります。
あの選手のプレイ,この選手のプレイ,選手の印象に残るプレイを1人ずつ思い出していきます。
それからブログを書き始めるのですが,自分の気持ちを字にするというのは,なかなか難しくて,表現を選択するとどうしても時間がかかってしまいます。

ただ,言えるのは,勝利した試合のブログを書くというのは,心の底から楽しいということです。



暑い日が始まる。
今日は試合の日だ。

暑さを感じない。
食欲もない。
あまり感情が出てこない。
目が覚めた時から,ずっと試合のことを考えている。

今日の対戦相手は皇学館大學(以下,皇学館と書きます。)
先週,三重大学との試合を見た。
強力なフォワードと組織的な中盤をもつ強いチームだ。

試合前は不安で仕方がない。

サポーターの仲間達が集ってきた。
選手たちがアップを始める。

スイッチが切り替わる。
闘うぞ!
選手と共に闘うぞ!
不安?
全開バリバリだ!関係ないぜ!

いくぜ!

本日のスタメン(以後敬称略)
FW 9角口大征
MF 22芦田成利・2大村亮平・4吉川拓也・24伊藤竜二・33福島立也・13堀河俊大
DF 34野口遼太・6藤田大道・5榊親平
GK 31岡田明久

試合開始。

開始直後に衝撃!
堀河の放つ弾丸ミドルが,皇学館ゴールバーを激しく叩く。
ガコーンという音と共に,ギアが一つ上がる。

アンタッチャブル」堀河俊大(13)。
右サイドに大きく張ってサイドハーフの位置にいる。
堀河はなんと言ってもサッカーが上手い。
守備,攻撃共にここぞという場所で必ず良いプレイをする。
サイドでゲームメイクをしながら,飛び出しのタイミングを待つ。
高精度の折り返しは,針の穴を通すかのようなクロス。
開始早々から右サイドは堀河の独壇場となる。
開始直後のミドルで観客のド肝を抜いた。
さあ,次は何をしてくれる堀河?
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開始早々,ボールの支配率は7対3で鈴鹿優位。

対する皇学館はしっかりと守って,強力なフォワードへのカウンターを狙う。
組織的な守備は,先週戦った藤枝市役所に近い。

しかし・・・。

前半3分。
鈴鹿右からのコーナーキック
蹴るのは堀河俊大(13)。
超超高精度なコーナーが鈴鹿の選手の頭上へ。
堀河はこんなに良いボールを蹴るのか!
皇学館ディフェンスもしぶとく競り合い,ボールがこぼれる。
そのボールに反応し,アクロバティックに空中のボールを蹴りこんだのは・・・。
角口大征(9)!

ゴーーーーーーール!1-0!


お騒がせの新入団角口が,幸先良い先制を上げる。
よし!
良く決めた角口!

ワントップで前線に張る角口大征(9)。
前試合で一発レッドカードをもらったが,プレイが荒い選手ではない。
いや,逆にテクニシャンでボールタッチはとても柔らかい。
足元の技術,スピード,高さ,全てを高いレベルで備えている選手だと思う。
先制のアクロバティックなシュートは,イブラヒモビッチのようだった。
献身的に前線から守備もする。足も速い。体も上手く使う。
前線で存在感を出しているのだが・・・しかし,窮屈にプレイをしているようにも見える。
角口,フォワードは点とってなんぼだ!
腹いっぱいになるまで点をとりまくれ!!!
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前半半ば。
前線の窮屈な感じがある。
皇学館はディフェンスラインをかなり高めにとって,組織的なラインコントロールが上手い。
対する鈴鹿は,前線と中盤のパスのタイミングが合わず,ワンテンポ遅れてパスが出てしまう。
おのずとオフサイドにかかり,攻撃が寸断されてしまう。
圧倒的に鈴鹿が攻めている。
ボールの支配率も鈴鹿が断然優位。
しかし,点の入る感じが薄い。

サイドハーフの「威風堂々」芦田成利(22)。
一歩一歩が力強く,我が道を堂々とまかり通るドリブルがとても良い。
以前は左サイドバックで出ていたが,この試合は3バックなため,左サイドハーフにポジションをとる。
攻撃時も守備時も,自分からアグレッシブに相手との距離を詰めるため,ディフェンスの位置で下がってプレイするよりも,サイドハーフの位置で積極的にプレイするほうが思い切ったプレイができている。
皇学館ディフェンスラインは高い位置だが,芦田のドリブルで突破口が開かれる。
いやー,芦田良い!
この試合の特に前半は,芦田が一番目立っていた。
良いぞ!
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皇学館のセンターバックは硬い。
ボランチも低めなので,なかなかワントップにボールは入らない。
鈴鹿の攻撃は(左)剛の芦田と,(右)柔の堀河がキーになっている。
両サイドから,皇学館を攻め立てる。

センターバックの真ん中に位置するのは「スーパーコンピューター」藤田大道(6)。
相変わらずクールで完璧なプレイ。
この試合の(スタート時の)鈴鹿のフォーメーションは,たぶん,3-4-2-1。
あまり試合で見ない3バックだが,藤田(6)を真ん中に,野口(34),榊(5)と戦術理解の高い選手が並ぶ。
特に真ん中の藤田の間違いのない安定したプレイは,やはり「さすが藤田」と大声で言わざるを得ない。
後ろ向きに下がってのディフェンス時も,ゴールキーパーの岡田との連携がとても良く安心して見ていられる。

皇学館も再三鈴鹿陣内に攻め込むが,鈴鹿の3バックはびくともしない。
この試合,3バックでのディフェンスで,ナカニシがヒヤッとしたことはなかった。
鈴鹿の引き出しがさらに増えたように思う。

試合は鈴鹿ペース。
ただ,皇学館が引いて守っているため,攻めあぐねている。
鈴鹿のボールまわしを見ている時間が長い。

トップ下のシャドーに入っている「ミラクルドラゴン」伊藤竜二(24)。
重心が低く,滑るようにドリブルする独特のリズムがとても良い。
しかし,怪我が長かっただけに,試合勘を完全に取り戻すまでにはいたっていない。
竜二の本気のドリブルはこんなもんじゃない(もっと凄いのを何度も見た)。
前線の角口にボールが収まらず孤立している。
その周囲をドリブルでかき回し,相手のギャップを作っている。
竜二,自分のプレイに納得いかないのは分かってる。
ガンバレ!竜二のキレキレのプレイを楽しみにしてるぞ!
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前半も半ば。

3バックの右側に入る「神の子」榊親平(5)。
なかなか出場機会が無かったが,榊が素晴らしいプレーヤーだということは,誰よりもサポーターが良く知っている。
3バックにも易々と対応し,しっかりとディフェンスの連携をとっているところは,やはり俺たちの誇り榊親平。
裏への反応。カバーリングセンス。試合を見る目。
榊がなぜ神の子と呼ばれているかを知っているか?
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前半24分。
鈴鹿の攻撃が膠着気味の場面。
ディフェンスラインでボールを受けた榊が,するするっと上がっていく。
ぽっかりとスペースができたみたいに,誰にも邪魔されず前線に進出する。
ワンツーでボールを受けたときには,榊はペナルティエリア内!
落ち着いてゴールキーパーの足元を抜くシュート!
なんと!

ゴーーーーーーール!2-0!


皇学館は良く守っていた。
鈴鹿の選手が自由にならないほど,しっかりとマークについていた。
だからこその空白地帯。
だからこその対応の遅れ。
榊のオーバーラップで,急に1人増えたことに一瞬対応できなかった。
それが見えるのが榊。
その時が分かるのが榊。
見事!

攻めあぐねているものの試合は鈴鹿ペース。
サイドを中心に皇学館を揺さぶる。

ゴールキーパーの「シュートストッパー」岡田明久(31)。
前半,危ない場面はほぼ無いが,岡田まで回ってくるバックパスは多い。
芝生が荒れているので,小さなイレギュラーがあるが足元の技術の確かな岡田は,全く動じずにキッチリ処理している。
派手なスーパーセーブもキーパーの見所だが,地味にバックバスの処理もキーパーの力量が試される。
そして,カウンターの際には一気に超ロングキックで攻撃のきっかけを作る。
岡田のキックから,堀河の突破,芦田のボレーシュートと良い攻撃が再三ある。
良いぞ良いぞ!岡田。
次は平田石油で岡田のポストカードもらってくるぜ!

ボランチに入っている「小さな魔術師」大村亮平(2)。
皇学館のボランチと競り合いつつも,波状攻撃の時には必ず良い場所にいる。
皇学館のはね返りを,狙った位置で奪い取り,カウンターにしていない。
ボランチの大村は怖い。
パスも出す。ドリブルもする。
そして,(かわいい顔をしているのに)厳しすぎるミドルシュートまで打ってくる。
ボランチの位置で文字とおりゲームをコントロールしている。
とても良いぞ大村!
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鈴鹿の攻撃のターンが続くが,なかなか決めきれない印象。
パスはまわっている。
だけど,どれだけパスがまわっても点は入らない。


ここで前半終了。


気温は約36度。
ただ,少しずつ風が吹いてきた。
ジメジメした感じは無いが,肌がひりつくほど直射日光は激しい。

前半走った選手たちが,90分間このまま走りきるのは難しい。
どこで誰を交代させるか?

そして2点差では安心できない。
次の1点は早い段階でとっておきたい。


後半開始。


後半の入りも選手たちは落ち着いている。
皇学館は引いて守ってはいるが,強力なフォワードにボールが入ると一気に押し寄せてくる。

竜二(24)とともにトップ下に入る福島立也(33)。
急角度のフェイントもできるが,どちらかというと切れ味の鋭いドリブルで勝負している。
トップ下にいるだけあって,パスも良いところを狙っている。
足も速く,裏へ抜け出すプレイも見せるが,最後の最後で打ち切れない。
皇学館の最終ラインのヨセは早く,なかなかノーマークにはしてくれない。
福島もいろいろやっているのだが,突破口を見出せず苦悩しているのが分かる。
もう少しなんだけど。
もう少しでなんか凄いことになりそうな気がするんだけど。
福島。ガンバレ!
地面にしみこんだ汗は決して無駄にはならないぞ!
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後半3分。
皇学館のファウルにより,鈴鹿ボールのフリーキック
場所は左サイド45度の位置。
少し狙うには遠いか?

蹴るのはもちろん堀河(13)
堀河は誰に合わせる???

スッとした助走。
強くもなく,緩くもなく,高くも低くもないボールが放たれる。
マークを外して,二アサイド(近いサイド)に飛び込んできたのは,藤田大道(6)。

ここしかないポイントに,ここしかないヘディング。
一閃!
ビューティフルゴールだ!

ゴーーーーーーール!3-0!


堀河の超超高精度フリーキックと,藤田の超超ナイスなヘディング。
ため息が出るほど見事!
よし!!!

後半5分。
(OUT)24伊藤竜二 ⇔ (IN)23小西洋平

後半10分。
(OUT)33福島立也 ⇔ (IN)18近藤和哉

3点目が入ったところで,2人を交代。
事前に予定していた交代か?

フォーメーションが,4-4-2となる。
ポジションも修正。

鈴鹿の攻勢は続いている。
角口の抜け出し。
芦田の攻撃。
堀河のパス。
良いプレイはあるのだが,徐々に攻めあぐねてしまい,パスを回す時間が増えてくる。

ボランチの吉川拓也(4)。
高さとアタリで吉川にかなう選手はまずいない。
この試合でもことごとく皇学館の攻撃を封鎖するが,なかなか次の攻撃につなげられない。
この酷暑の中,後半も半ばを過ぎ,両チームの選手たちに疲れが見えてきた。
前線で動きか遅れてきたためパスコースが無く,吉川から攻撃がスタートできない。
後半特に,前線と中盤のつながりが悪かった。

センターバックの「THEディフェンダー」野口遼太(34)
この試合でキャプテンマークをまく野口。
前半の3バック。後半の4バック共に野口のプレイに間違いは無い。
攻撃面での膠着を見て,自分が何とかしなきゃの思いも強い様子。
少しずつポジションを上げ,攻撃の機会を狙う野口。
野口の攻撃力は高い。今シーズンも得点を上げている。
野口はもう1点欲しがっている。

後半から入った小西洋平(23)。
類まれなポテンシャルをもちながら,手首の骨折で試合に出られなかった。
シーズン前の練習試合から注目していただけに,戦線離脱は残念だった。
しかし,小西がグラウンドに戻ってきた。
まだまだ本調子ではないが,ポイントではスピードのあるプレイで皇学館ディフェンスを揺さぶっている。
小西。まだシーズンは続くぞ。
ガンバレ!!
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後半から入った近藤和哉(18)。
フォワードで元気にがんばるが,途中から入った分,タイミングをつかみきれず皇学館のオフサイドトラップに再三引っかかってしまう。
欲しいところへ,欲しいタイミングでパスが出てこなくて,和哉がイライラしているのが良く分かる。
落ち着け和哉。
今の和哉ならば,多少囲まれてもキープできるし,競り合っても負けることは無い。
綺麗に抜け出さなくても十分に勝機はある。
落ち着け和哉。
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後半も半ばを過ぎ,試合は鈴鹿ペースだが・・・。
鈴鹿のパスまわしが相変わらず多い。
ディフェンスラインでのバス交換に不安は無い。
勝っている試合なので無理に攻める必要も無い。

だけど,パスをまわしているうちに,どんどんペースが同じになって,プレイに緩急がなくなってきている。攻守の切り替えも遅い。
選手たちもかなり疲れている。

さあさあ,選手たちが疲れた時こそが,サポーターの応援の見せ所だ。
次のワンプレイに真剣に向き合うために。
次の1点を貪欲に狙うために。
カニシは声の限り何度でも叫ぼう!
「我らの誇り,この街の夢・・・。」

後半34分。
(OUT)22芦田成利 ⇔ (IN)30中野晃希

この試合一番目立っていた芦田が交代。
やはり前半からの激しいアップダウンは疲れたか?
そして同じサイドハーフに中野が入る。

残り時間約10分。
カニシは中野のプレイをしっくり見たことが無いので,楽しみ。

サイドハーフに入った中野晃希(30)。
サイドプレーヤーだけど,縦一本のゴリゴリしたプレーヤーではなく,どちらかというといろんな方面へ影響を出すタイプ。
後ろから藤田が上がってくるので,その連携から前目で自分を生かしたい。
いろいろなことができるプレーヤーだと思う。
それだけに,10分では分からない。
もっと中野のプレイが見たい。
イメージ 10


後半も終わり間際。

近藤和哉(18)の猛攻撃が続いている。
クロスに対して頭から飛び込むダイビングヘッド。

角口大征(9)は裏への抜け出しも狙っている。
堀河のスルーパスに反応して良い場面を作る。

鈴鹿も貪欲にゴールを狙うが,皇学館のディフェンスも良い集中をしている。
皇学館,良いチームだ。


そして試合終了。


酷暑の中で闘い抜いた両チームの選手のみなさん,お疲れさまでした。
この試合を運営している三重県サッカー協会のみなさん,この試合の運営に携わった全てのみなさん,ありがとうございました。

たくさんの鈴鹿の応援の方たちが,四日市まで来てくれました。みなさんありがとうございます。
サポーターの仲間達,次の決勝もよろしくお願いします。


この試合を見ていないサポーターのみなさんは,「3バック?」ってなったと思います。

カニシの感想から言いますと,野口,藤田,榊の3バックは全く問題ありませんでした。
ただしこの試合,それほど攻められていないので,まだまだ練りこまねばならない部分もあると思います。
でも,鈴鹿の戦術的な引き出しが増えたと言っても良いと思います。
特に,ディフェンスのシステム変更について,戦術理解度が高くフレキシブルに対応できる榊選手の存在は大きいと感じました。

後半攻撃が単調になってしまい追加点が取れなかったことは反省点ですが,この試合自体は悪い内容ではありませんでした。
8月20日の三重県選手権決勝戦に向けて,良い準備をして欲しいと思います。

今日の第1試合の結果,決勝戦の相手はヴィアティン三重となりました。

三重県選手権の決勝です。
三重県で最高の試合と,最高の応援をしたいと思います。

勝戦は,8月20日(土)14:03 三交スポーツの杜鈴鹿メイングラウンド

14時の開始ですが,三交メインなのでフル装備で横断幕を設置します。
何時から断幕の設置の許可が出るか分かりませんが,もしも少し早く来ることが可能なサポーターの方が見えましたら,2時間前くらいに会場へ来ていただけけると助かります。



今日はとても暑かったです。

20日の決勝も暑くなるでしょう。
そんなときに選手に力を与えられるのは,サポーターの応援です。

共に闘いましょう。
鈴鹿の選手たちに心のこもった応援は必ず届きます。

今日は・・・
榊のゴールと,芦田の突破と,堀河のフリーキックと,ラベンダー畑を思い浮かべながら良い夢を見ます。

おやすみなさい。

ではまた。


(次戦=三重県選手権決勝)
8月20日(土)14:03 三交スポーツの杜鈴鹿メイングラウンド
対戦相手:ヴィアティン三重