VictoryCross

アトレチコ鈴鹿クラブ(JFL)のサポーターブログです。

全社準決勝 対 ヴィアティン三重

みなさんこんばんは。

すでにご存知の方もたくさんいると思いますが,全国社会人サッカー選手権大会は,10月26日(水)に決勝戦が行われました。
結果は,前半0-0,後半1-1,延長前半0-0,延長後半1-1。PK戦3-5で,敗戦となりました。
全国社会人サッカー選手権の最終結果は,準優勝でした。

あと一歩及ばず,残念な結果となりましたが,3位以内に入りましたので11月11日から13日まで行われる地域チャンピオンズリーグ1次ラウンドへの出場が決まりました。

カニシは,10月25日のヴィアティン三重との試合を応援してから,鈴鹿に帰ってきました。
勝戦で選手とともに闘えなかったことが,悔やまれてなりません。あの場所で選手を応援したかった。

26日の決勝戦の模様と全社の総括は,現地のNカメラマンからの報告を待って明日ブログに書きます。
今日は,まだ自分の中で吐き出していない,25日の準決勝のブログを書きます。



10月25日火曜日。
全社,準決勝の日。
愛媛のビジネスホテルでの3日目の朝。
全社が始まってから,眠りは浅く,押しつぶされるようなプレッシャーが続いている。

今日の試合に勝てば,全社3位以上が決定し,地域チャンピオンズリーグに出場できる。
しかし,今は目の前の試合の不安が頭を離れない。
早い時間で失点されたら・・・。
空中戦で押されたら・・・。
選手たちの疲れはどれほどか・・・。
キリの無いことを1人で考え続ける。

今日の対戦相手はヴィアティン三重(以下,ヴィアティンと書きます)。
三重県社会人選手権,三重県選手権,東海リーグでの2戦。
今シーズン4度対戦している。
数字だけで言うと,3勝1分。
しかし,全ての試合がギリギリの僅差であり,どちらに勝利が転んでもおかしくない試合だった。
鈴鹿へのリベンジはヴィアティンの全員が強く心に持っているだろう。

会場に着く。
仲間のサポーターが横断幕の設置を行っている。
出せるだけの断幕を並べ準備を整える。

仲間のサポーター,そして鈴鹿を応援してくれる全ての人たちへ。

全社の4試合目。
ここまでの激闘で選手たちの体には限界が来ている。
しかし!俺たちはアンリミテッドだ!
この試合で限界を突破する!
選手たちと共にサポーターも闘おう!
共に限界を突破しよう!

いくぜ!

本日のスタメン(以後敬称略)
FW 10北野純也・16柿本健太
MF 2大村亮平・13堀河俊大・8渋谷亮・28小澤司
DF 34野口遼太・6藤田大道・21藤井竜・7原広樹
GK 17月成大輝

試合開始。

立ち上がり!
鈴鹿の選手の集中は整っている。
しっかりと対応した立ち上がりのプレイ。
あれほど立ち上がりがフワッとしていたのに,今は全く不安は無い。

この試合,最初のインパクト(衝撃)を与えたのは,2トップの1人「キングコング」柿本健太。
前述のとおり,ヴィアティンとは何度も対戦している。
もちろん,北野のプレイも柿本のプレイも知り尽くされているだろう。
前線へのフィードに対して,当然のことながら長身のディフェンダーが競り合いに来る。
しかし,互角以上のプレイでチャンスを作り出す柿本健太のヘディング。
そして全社に入ってから,柿本プレイは何段階も進化している(ナカニシ調べ)。間違いない!
ヘディングで競り合ったボールがピタリと仲間の選手の元へ。また,一発でそらさずにボールをキープして味方のフォローを待つ場面など。
前線での存在感が群を抜いている。
そしてディフェンスのために前線からパスコースを切ったり,献身的にボールを追うプレイなど・・・。
柿本,自分の中のジャイアントキリングを起こしたな!
すげーーーー良いぞ!!!
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鈴鹿の攻撃は柿本が最終地点。
しかし,右サイドを駆け抜けた小澤のクロスを決めきれ無い。
さらに,同じく右サイドを北野が突破し,クロスを入れるもののゴール外に。
柿本に良いボールが入っているが,マークが激しくきちんと打ち切ることができていない。
さすがヴィアティンのディフェンス。
最初からビンビンに集中している。

アンタッチャブル」堀河俊大
今シーズンナカニシ最大の注目選手が本来の姿を現してきた。
怪我から復活の全社で,パーフェクトな大活躍。
中盤に堀河がいると,とにかくパスがスムーズにまわる。クルンクルンまわる。
守備に偏らず,攻撃に偏らず。
攻守にバランスの取れた好プレイを随所に見せる。
ゲームメーカーの役割を担いつつも,攻守に渡ってヴィアティンのパスコースを封鎖している。
パスコースを限定し,袋に入れるようにゾーンディフェンスをする。
堀河,しんどいけど攻撃も守備も両方頼む!
バランス崩すな!
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サイドハーフの「小さな魔法使い」大村亮平(2)。
大村もぐったり疲れている。
スローインの際のふとした足取りがかわいそうなほど重い。
しかし,サイドハーフとして間違いの無いしっかりとしたプレイでサイドを支配する。
この大会で鈴鹿が大きく変わったのは,選手が自分のポジションに固執しすぎないこと。
チャンスが来れば自分の判断でどんどんポジションを変える。
大村が上がっても,中に入っても,ちゃんと誰かがフォローしてくれていると言う信頼。
そう,チーム内の信頼感が試合ごとに大きくなった。
流動的な動きで,相手ディフェンスを崩し,フォローが早くなり,パスコースができる。
前半からグラウンドど真ん中でミドルシュートを打つ大村!
大村,正解だ!
大村のプレイはそんな感じが素晴らしい!
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前半の半ば。
均衡は変わらず。
支配率,決定機共に互角。
どちらが先制してもおかしくなく,逆にこのまま無失点のままでもおかしくない。
セットプレイとミスが勝敗を分けるのでは・・・。

前半25分くらい。
ヴィアティンのゴールキーパーが浮き球の処理を誤る。
狙っていた北野が飛び込,あわやゴールかと言う場面があるが,ギリギリで阻止される。
お互い中盤がスペースを潰しあっているので,サイドへの展開が多い。
自然とサイドチェンジの際は,センターバックゴールキーパーを経由するが,これもお互いミスを狙っている。

息詰まるような試合。
そして,震えるような緊張感。
カニシのストップウォッチを見る。
あっという間に時間が進む。

鈴鹿の最終ラインを支えるセンターバックの「飛竜」藤井竜(21)。
集中と気合が顔に出ている。髪の色だけ同じで普段の顔と全く違う。
絶対に負けない強い気持ちを体現しているような選手。
シーズン中に何度も見た。
空中戦において藤井よりも強い選手はいない。
ヴィアティンも良く分かっているので,強引に競り合うのではなく,ジャンプせずに体を寄せたり,ヘディングの跳ね返りを狙ったり,いろんな方法で藤井のミスを誘う。
しかし,が!しかし!藤井は落ちない。
なんて頼もしい選手になったんだろう。
頼むぜ!
任せたぜ!
鈴鹿の藤井は絶対に大丈夫だ!
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両チームの攻守が激しく入れ替わり,お互いの鉄の守備と,鋼の攻撃陣が火花を散らすような試合。
本当にこれは4日連続の4連戦目なのか?
前半見ていて思う。
この試合は,ナカニシが見た中でアンリミテッドの今シーズン一番良い試合だ!
(前日も同じことを言った)。

攻守ともに,鈴鹿アンリミテッドのレベルが上がっている。
間違いない!

カニシは,ほぼ全試合の選手を見てきた。
そのイメージしている選手の動きの「さらに上を行く」動きを見せる選手が続出。
と言うか,みんな全社で上手くなってるじゃないか。

前半も終盤。

それでも均衡は崩れない。
逆にあっという間に崩れそうな予感もする。
またまた逆に,このまま無失点でもおかしくない。
ただ・・・
良い試合なのは間違いない。

サイドバックに入る「鬼神金剛」原弘樹。
ヴィアティンの左サイドバックの突破は,ヴィアティンの大きな得点源のひとつ。
リーグ開幕戦や,他の試合でも何度も何度もやられてきた。
そこをガッチリ防ぐ原弘樹(7)。
時には吹っ飛ばされ,時にはファウルをしてしまい,時にはズバッとカットする。
負けて無いぞ。球際でも強い。
サポーターから,ハ・ラ・ヒ・ロ・キ!のチャントが響く。
ここ!ここが最激戦区だ!ここを守りきれ!ハラヒロキ!
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ここで前半終了。



鈴鹿は後半に強い。
って,自分に言い聞かせる。
相手にも突破口は作られていないが,こちらも突破する口が見えない。

連戦の疲れは必ず出てくる。
その時に選手が走れるかどうかは,サポーターの応援しだいだ!
鈴鹿の選手の脚は止まらない。

この会場に来れなかったサポーターの気持ちを思うとグッと胸が詰まる。
みんな想いと念を残して帰路について,残った俺たちがやらなくてどうする。
見てろよみんな!
必ず鈴鹿の選手たちはこのままでは終わらない。




後半開始。

走る男」渋谷亮(8)。
ヴィアティンの強さは,強力なフォワードと堅固なディフェンス,だけど,本当の恐怖はセカンドボールを拾いまくる中盤の選手たち。
全社4戦目。疲れていない選手はいない。
そんな中で,とにかくセカンドボールを奪いまくり,相手のボールにチェックに行きまくっているのが渋谷。
疲れていないわけが無い。めちゃくちゃ走っている。
シーズンはじめは,ボールにチェックに行くものの,相手との距離を詰めきれず,先に先にボールを回されてしまう場面があった。
シーズン最終盤の渋谷は,相手との距離を光の速さで詰めていく。
それができるのは仲間との連携が上がったから。
攻守共に,阿吽の呼吸で中盤が動く。
渋谷,渋谷の中のジャイアントキリングもバッチリ起きてるぞ!!!
渋谷の詰めの速さを知っているヴィアティンは,早め早めのシュートを多めに打っている。
それすら飛びついて体を張る渋谷。
涙が止まらない。
渋谷。渋谷。渋谷。鈴鹿の渋谷!
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センターバックの「スーパーコンピューター」藤田大道(6)
ヴィアティンの攻撃陣は,高さあり,速さあり,テクニックニありの多重構造。
総合的に高い能力をもつ藤田が,いろいろなところでナイスプレイを見せている。
危ない場面で,視界の外から斜めにフォローに走る藤田。
早い早い。
頼むぞ藤田。
今日ここで地域CL決めるぞ!
行こうぜ藤田。

前半始まって10分。
選手の脚が重くなってきた。
ルーズボールを見送るようになり,ボールが外に出ると一息つく。
一歩目が遅くなり,スピードについていけなくなる。

プライドオブ鈴鹿「餓狼」北野純也(10)。
この試合が初日の開始直後のように,誰よりも貪欲にボールを追っている。
相手の見送ったボールをラインギリギリまで追いかけ,スライディングで追いつきキープする。
前線からの守備に全く手を抜かない。
北野の動きを見ていると涙が出てくる。
何でこんなに素晴らしい選手がこの世にいるんだ。
そして,その選手は三重の鈴鹿にいるんだぜ!
柿本との連携で再三シュートチャンスはあるが,ヴィアティンも北野のことはよーーく知っている。
何があってもマークははずさない。
北野!
ガンバレ!
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「皇帝」「ライオンキング」小澤司(28)。
この試合では,渋谷,堀河の中盤の展開がスムーズなため,前線に近い位置で小澤にボールが入っている。
ゴール前に進入すると,一気にチャンスが生まれる。
小澤がドリブルで突っかける場面がいつもより多い。
自分が勝負を決めるという強い意思を感じる。
カニシはアウェイ刈谷戦で敗戦した後,肩を落としながらトボトボとサポーターのほうに歩いてくる小澤の姿が目から離れなかった。
小澤,ナカニシの中の小澤の姿を上書きしてくれ!
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後半21分。
そしてペナルティエリアから約7メートル離れた場所でフリーキック獲得。
ヴィアティンの長身選手がズラリと並ぶ。
山のような圧迫感。
小柄な小澤がさらに小さく見える。
「押し込めー!」
という声がスタンドから出ている。
キーパーの弾いたボールを狙って,鈴鹿の選手も詰めに来ている。

ひうち陸上競技場は海のそば。
時折,不規則な風が吹いている。

一陣の風。
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小澤の右脚が振りぬかれる。
時間が止まる。
音が消える。
爆発する感情!

ゴーーーーーーール!!!1-0


なんと言うゴールだ。
誰にも当たらず,何にも触れず。
ボールはある意味「あっさり」とネットの中に。

サポーターが崩れ落ちる。
カニシが階段から落ちる。
興奮が抑えられない。
涙が止まらない。

大声で小澤のことだけを叫び続ける。
ずつと叫んでいたい。勇者小澤の名を。

ボールがセンターサークルに戻る。
また,必死で叫ぶ。
まだまだまだまだ!!!!
集中!!!
ここしっかり!!!!!

鈴鹿には,しっかりしてるヤツがいるぜ!
「THEディフェンダー」野口遼太(34)。
この全社途中からセンターバックではなく,左サイドバックとして出場している。
対人にめっぽう強く,空中戦もやたらと強い。
冷静に試合を見極め,武士のように相手の攻撃を切って捨てる。
その野口の戻りが早い。
試合への集中は途切れていない。
そして,野口は攻撃力も半端じゃない。
鋭くスピードで上がるというよりは,相手のボールをカットしてからその流れで,悠々と上がっていく。
野口の前に道ができる。

後半27分。
サイドハーフの位置にいる大村から,逆サイドでマークを外していた堀河へ。
しっかり足元に納めて,堀河が中へフワリとしたクロス。
そこへ飛び込んできたのは,左サイドバックから押し上げてきた野口遼太(34)。
ヘディングシュート!!!

ゴーーーーーーール!!!2-0


また爆発するスタンド。
観客のワーーっという声が聞こえる。
耳鳴りのようにそれが響いてくる。
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いいいや。まだまだまだ!
切らすな!
集中!

ノドがかすれて声にならない。
鈴鹿が2点を奪った。
ヴィアティンの猛攻は変わらず厳しい。
2点なんてあっという間に詰められる。
守りに入ったら一気にやられる。

カニシのノドからは大きな声がもう出ない。
ヒーヒーと言う裏声が出てしまう。

ここに集う鈴鹿を愛するみなさん。
少しで良いです。
声を出して選手を応援してください。
手を叩いてプレイを称えてください。
選手達に少しでも力を与えてください。

柿本が前線で体を張る。
無双のヘディングは鈴鹿のよりどころになる。
最初から最後まで,体を使ってパワーで勝負。
かなりディフェンスに削られている。
辛いだろうけどガンバレ!

試合は終盤へ。
ボール支配率は,まだ5分と5分。
ボールの動いているゾーンもほぼ同じ。
シュートまで持っていく場面の回数も同じ。
がっぷりと四つに組んだ大試合。

ヴィアティンは,中盤を省略しロングボールを前線に放り込み,パワープレイで得点を狙ってくる。

長短,緩急をつけて放り込まれるボールを,センターバックの藤井(21)と藤田(6)が確実に弾き返す。
しかし,こぼれたボールが,前線に人数をかけているヴィアティンのフォワードに渡り,フリーでシュートを打たれてしまう。

万事休す!

この時,ハンドボールのキーパーのように前に飛び出し,超反応でゴールを守ったのは,ゴールキーパーの「レーザービーム」月成大輝(17)。
ディフェンスとゴールキーパーの間の難しい位置に落とされるボールに対して,積極果敢に飛び出している。
超近距離のシュートを顔面で防ぐ!
ビッグプレイだ!
ナイス月成!

試合の最終盤。

鈴鹿は選手交代せず。
ヴィアティンは前線の選手を増やしてきた。

選手交代で,ヴィアティンの攻撃のリズムが変わる。
高さからドリブルに。

鈴鹿の一瞬の躊躇。
アディショナルタイムにゴールを決められて失点。

2-1。

ここで試合終了。

両チームの選手のみなさん,スタッフのみなさん,お疲れさまでした。
ヴィアティン三重さん,明日の3位決定戦がんばってください(翌日3位を確保し地域CL出場を決めたそうです。おめでとうございます。)

火曜日にもかかわらず,たくさんサポーターが応援してくれました。
選手の関係者の方や,以前在籍していたチームのサポーターさんも共に応援してくれました。
みなさんありがとうございます。

そして,仕事などで会場に来られないながらも,ツイッターやネットで情報を見ながら応援してくれたみなさん,みんなの「念」は会場に届いていましたよ。

ヴィアティンは強敵でした。
以前対戦したときよりも,数段強くなっていました。
試合終了の際には,嬉しくて仕方ありませんでした。

鈴鹿の勝因。
それは間違いありません。

鈴鹿アンリミテッドFCは,この全国社会人サッカー選手権大会で,1試合1試合,確実にレベルアップしました。
簡単に言うと,約5割り増しで強くなりました(ナカニシ調べ)。
それが勝因です。

1週間近くホテルに滞在している間にいろんな話をしたことでしょう。
特に,選手間の連携が格段にあがりました。

試合に勝ったことも嬉しいですが,チームの力が格段に上がり,その結果,まぐれじゃなくて内容も伴った試合をこなして決勝に進出にできることが嬉しいです。

翌日は決勝戦です。

この試合で足を引きずる選手,痛めた選手,体が限界の選手。4連戦ともなるとそれぞれに不調が出ています。
勝戦がどんなメンバーになるか分かりませんが,全員で戦ってきた選手たちです。
きっと,内容も伴ったしっかりと試合をしてくれるでしょう。

ではまた。